米国株投資のブーム化と距離のとり方
昨今すっかりブームになったとも言える米国株投資。
対象がブームになると距離の取り方も重要になってくると思います。自分のスタンスを確立していれば、相場の雰囲気に魅了されにくくもなるでしょう。
ご質問
題名: 投資の距離感と投資ブーム
メッセージ本文:
穂高様
ブログをいつも拝見しており、理知的な文面から投資の軸が定まっていることが感じられ感銘を受けています。
今回、ご相談したいのは投資の距離感と投資ブームについてです。
(以下で話す米国株式とはS&P500を元にしています。)
近年の投資ブームに乗じ私も1年前から米国株へ投資を始めました。
近頃ではますますブームが盛んとなり、身近な友人も投資を始めて嬉しい反面、もう米国株式の株価上昇による恩恵は過ぎ去ったのではないかと感じています。
穂高様の投稿で特に共感したのが「米国株投資の不都合な真実」です。
「米国は過去200年右肩上がり」と言いますが、人口爆発の期間が被ってただけじゃないかと疑問に思っていたところ、上記記事の詳しい分析を見てより強い思いに変わりました。
近年のFIREひいては投資ブームを見ているとビットコインブームと重なるものがあり(両者の投資の性質が異なることは理解していますが)、
上昇し終わったところで話題になっているような気がして、どうしても明るい未来に思えません。
そんな考えから人に投資を勧める気になれず、相談されても説明に力が入りません。
それならまだしも、もしこれから2000年~2010年代のような株式相場(または長期の下げ相場)が来るとしたら、投資を続けられる自信がありません。
日々米国投資のインセンティブが薄れていく私にどうか上手く付き合う距離感と、よければ米国株投資の明るい事実をご教授して頂けないでしょうか。
内容がふわっとしていてすみません、要約すると「長期停滞・下落時にそれでも米国株式に投資できるモチベーションについて」です。
記事にしにくい質問であれば、無視して頂いて構いません。
米国株投資のブームと私のスタンス
まず前段についてコメントさせていただきます。
そうですね。たしかに私も米国株投資を以前ほど強烈にはプッシュしなくなったかもしれません。
- この10年ほどのリターンがあまりに良い
- 以前は米国株投資をやっている人が少なかった(やりがいも追加的に得られた、性に合っていた)
- 不都合な真実などが見えてきた
- ブーム化してきた
- 興味の分散
2016~2019年にかけては「株式投資(米国株投資)の良さを多くの人が知った方が良い!」と純粋に思ってSNSなどでも非常に積極的に発信していました。
今はすっかり多くの人々の認知を得られたことで、逆にそこまでプッシュする動機が薄れたかもしれません。
後はやはり私の直観として「多くの人々がやり始めた対象とは距離を置く姿勢」があります。手垢のついていない分野が個人的に好きなのかもしれません。似たことをする人が増ると興味が失せるのでしょうか。
確かに金融市場というものは基本的に成長を続けてきました。今後何に投資するかと言われれば確かに米国株投資は有力な市場にはなってくると思うんですけどね。しかし以前ほどプッシュしがいがあるかは微妙です。
FIREも同様です。以前はこういった概念や主体的に生きること、そして人生の選択肢を増やすといった文言が躍ることは少なくとも私が知る限りあまり見かけませんでした。
しかし今や似たようなフレーズもあふれてきました。以前ほどの動機は起こらないのでしょうね。FIREしてから興味が分散し、割く時間も分散したことも要因としてあるでしょう。
米国株投資のモチベーションをどこに見いだすか
以上が前段に対するコメントになります。さて、後段の以下についてです。
米国投資のインセンティブが薄れていく私にどうか上手く付き合う距離感と、よければ米国株投資の明るい事実をご教授して頂けないでしょうか
定性的な面
- 地球環境への負荷
- 資本主義の歪な構造(資本家の優遇、グローバル資本の搾取など)
- 所得格差拡大装置
こういった負の面はたしかにあります。私は株式投資をやってはいるものの、「市場に全面的に任せるのがよい」といった市場原理主義や新自由主義には賛成しません。市場に任せると間違いなく格差が拡大し、社会不安につながるからです。過去が示唆しています。
労働者へもっと分配されるべきだと思います。「政府が市場に介入して労働者への分配機能を高めるべき」という考えです(ただし、実効性を伴うことが前提条件)。
さはさりとて、一方で以下のようなポジティブな面もあります。
- 資本市場(資金調達・流動性)としての役割
- 需給ギャップの比較的円滑な解消、イノベーションの源泉
- 日本にいながら米国の成長を享受できる
結局、いろいろな病弊を抱えながらも、では投資対象として米国以外にどこが目下有望かといわれれば、やはり見いだしづらいことも事実だと思います。私も米国株へは一定の資金を割き続けるはずです。
これらはいわば定性的な面です。具体的には、以下の手法が1つの解にはなります。
- 配当金を積み上げていく
→ 積み上げを可視化すること
単純ながら、モチベーションとしては非常に維持しやすい仕組みです。定期的に買っていくことで資産所得である「配当金」が積みあがっていくからです。以下のようなご意見もありました。
未来はだれにもわかりません。ブームとなった米国株投資も一寸先はだれにもわかりません。
ただし投資というものは、そもそも「不確実な将来に賭けることで、リターンを期する」ことでもあります。ですから、リターンを得るには不確実性に賭け続けるしかないとも言えます。
不確実性に賭けるのですからモチベーションが維持しづらい時もやはり出てくるでしょう。そういった時でも、(S&P500連動ETF、高配当株ETF、増配株などで)配当金を積み上げる手法は、買うごとに「資産所得の増加」が実感できます。モチベーション維持には好適だと思います。
客観的な所感
ご質問者さまの感じた内容は、「非常に客観的な視点を備えているからこそ生まれる所感」だと私は思います。
物事には往々にして二面性があります。米国株投資も、上に述べたように正の面あらば必ず負の面もあります。
盛者必衰という言葉は必ず頭に入れておきたいところです。「未来を疑いつつも、一方で現実的に一定の資金は投資しておく」というのがバランスの取れたスタンスではないでしょうか。
盲目的にならず、期待はしても過信はせず、といきたいところですね。
ご質問ありがとうございました。
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冒頭に出てきた記事です。
一方で、以下のような解釈が可能です。
絶好調ながら、絶不調も過去にはありました。冷静にありたいですね。