米国株投資を始めるタイミングは、「今すぐ」に合理性あり。3つのポイント。
米国株投資を始めるタイミングに関する、以下ご質問をいただいています。
突然の質問、失礼致します。
私は、現在24歳で社会人です。三菱サラリーマンさんの投稿を拝見させて頂いており、投資に興味を持ちました。
年明けにNISA口座をSBIで作りました。投資を始めてみようと思った矢先、コロナウイルスの影響で軒並み株価が下がってきておりました。
毎月定額でETFなどを買おうとしているのですが、今このタイミングで始めるのは適切でしょうか。
ご教示頂けると幸いです。よろしくお願い申し上げます。
弊ブログをきっかけに投資に興味を持っていただいたこと、有難く思います。
「今このタイミングで始めるのは適切か」ですが、相場局面に関わらず、「ベストなタイミングは後になってみないと不明なものの、いま始める」という形が理論的に合理性があります。

S&P500 長期チャート(1880年~)
なぜなら、長期チャートは右肩上がりという前提下では、「長期的な期待値としては、投資を始める時期を遅らせる合理性が見いだせない」からです。
結論としては上の通りです。では、米国株投資を始める・米国株を購入するタイミングに関する3つのポイントも見ていきましょう。
- 米国株への投資は、なにを意味するのか
- マーケットの動きは読めない
- どのように投資を始め、続けていくか
① 米国株への投資は、なにを意味するのか?
米国株へ投資するということは、「過去リターンが良好であった投資対象が、今後も長期的には右肩上がりという可能性に賭ける」ことを意味します。
であれば、以下2事項が導出されます。
- 「投資期間が長いほど、継続的に良好なリターンを期待できる」
- 「長期的に上昇することに賭ける・短期的な値動きが読めない以上、期待値としては、投資をはじめる時期を遅らせる合理性は見いだせない」
シミュレーション(一括投資・定期つみたて)
実際に、市場が右肩上がりという前提で、シミュレーションをしてみましょう。
上図の通り、基準価格が右肩上がりであれば、一括投資に合理性があります。
短期目線は別です。しかし長期目線では、相場局面に関わらず即座に投資を始めることに期待値の上で合理性があるということです。
ちなみに、長期投資には「投資期間が長いほど、元本割れリスクが下がる」傾向も見られます。
② マーケットの動きは、読めない
2つ目のポイントです。
「株式市場がいつ調整するのかは誰にもわかり得ない」ということです。これが「米国株投資を始めるタイミングを見計らうよりも、今すぐ始める」という合理性をサポートする1つの材料です。
暴落がいつ来るか判明していれば、暴落後に投資を始めた方がよいことになります。しかし、わからない以上は、期待値として高いものに賭ける方が合理的です。
投資を始める方が意識してよいのは、「マーケットの動きを正確に読み切ることは困難」という前提で投資をすることが挙げられます。
著名投資家でもマーケットは読めない
例えば世界三大投資家の1人にジム・ロジャーズという方がいます。彼は1973年に10年間で3,365%(同時期のダウ平均は20%)という驚異的なリターンを得たファンド創設者です。
同氏は2016年3月に「米国は100%の確率で1年以内にリセッション入り」と言明も、結果はS&P500は最高値を更新し、目下コロナショックの一番底は当時より15%以上、上の水準です。
このように、予想に基づく投資行動は大局的な観点を失う可能性があります。
確かに株式市場の現状や先行きを示唆する指標は以下のように種々あります。
- Fear and Greed Index
- バフェット指数
- 逆イールド化
- 景気サイクル
- 200日移動平均線
しかしこれらはあくまで「センチメント・過去データから傾向を分析する帰納的な手法の一環」であって、未来の株価を見通せないことに留意しておきましょう。
③ では、どのように投資を始め、続けていくか
以上より、一旦まとめます。
- 米国株へ投資するということは、「過去リターンが良好であった投資対象が、今後も長期的には良好なリターンであり続けるという可能性に賭ける」ことを意味する
- マーケットの動きは読めない → 今すぐ始めることに、一定の合理性あり
では以上のような前提下、どのように投資を始めたらよいでしょうか?
S&P500が長期的に右肩上がりを描いてきたとはいえ、投資を始めるにあたって1度に余裕資金を全て投じるのは、初心者の方にはお勧めしづらいところです。一般的にはご自身のリスク許容度を超えがちになるからです。
株式市場は、値動きも激しくなる局面があります。リーマンショックやコロナショック時には半値になる銘柄もありました。長期投資をする上では、そのような局面で狼狽売りに走らないようなポートフォリオをデザインする必要があります。
具体的には、一度に資金を投じずに、例えば余裕資金が1,000万円で、毎月の給与から投資にまわせる額が10万円の場合には、まずは500万円を投じ、毎月5~10万円ずつ株式を積み立て、リスクを平準化することが一案です。(期間年数・金額は、あくまで一例)
まずは、自分のリスク許容度を測るべく、一定の資金を入れてみることです。そして半値になることも覚悟しながら、日々の値動きを感じながら、感覚をつかんで慣らしていく形です。そして、くれぐれも焦燥や恐怖心を煽る情報に駆られて売買判断を行わないことです。
米国株投資をいつ始めるか、まとめ
米国株投資を始める・米国株を購入するタイミングを考える際に、ポイントを以下3つ挙げました。
- 米国株へ投資するということは、「過去リターンが良好であった投資対象が、今後も長期的には良好なリターンであり続けるという可能性に賭ける」ことを意味する
→ 今後も成長するという前提下で、投資するということ - マーケットの動きは読めない
→ 今すぐ始めることに、一定の合理性あり - とはいえ、余裕資金を1度に投じるのは、合理性あるが中級者以上向け
初心者の方は、自分のリスク許容度を測るべく、一定の資金を入れ、半値になることも覚悟しながら、日々の値動きを感じながら、慣らしていくことが一案
特に①はまず意識しておきたいところです。「なぜ米国株投資をするのか」という部分をまずご自身で腹落ちさせておかないと、重要な局面で泰然と構えづらくなります。
ご年齢に鑑みると、腹落ちさせる期間は十分あります。じっくり取り組んでいかれるとよいかと思います。
ご参考になりましたら幸いです。
Best wishes to everyone!
とはいえ、バランスは必要です。何事も過信は禁物ですね。
つみたて投資にも、利点は大いにあります。使い方次第ですね。
長期投資において、一定の分散は必須と思います。