過去優れた値動きのものでも、妄信はご用心
ついつい最適解を欲しがるのは人間の常かもしれません。
過去実質リターンが7%と右肩上がりで推移する米国株式市場の指数を拠り所として、米国株が徐々にメジャーな投資対象になりつつあり、当ブログでも主にVYMなどの米国株式ETFを確かに勧めています。
しかし、だからと言ってそれを過信・妄信し、そこへ自身のリソースをあまりに偏在させすぎることには慎重になった方が良いでしょう。
株式投資でも、倹約でも、何においてもある程度バランスが必要だと思っていて、過ぎたるは猶及ばざるが如しという格言がありますが、それは本当にそうだなと色んな局面で思います。
こう、なんて言ったら良いんでしょうか。
「こうしておけばオールOK!」というような鉄則があれば、余計なことを考えなくて済むので精神的にとても楽ですよね。そしてそれは大衆に遍く広がりやすい概念です。
こうしておけばオールOK → よし、そうしよう!
ってなる人がなんだかすごく多い気がしています。煽られやすい国民性?大衆?というんでしょうか。
こうしておけばオールOK → ほんまかな
的な感じが個人的には一番しっくり来ます。
でもそういった「こうしておけばオールOK」的なものほど過信は禁物というか、全てを信じ切るのではなく、どこかでもう1人の自分が冷静に客観視していた方が、良い結果に繋がることが多いと感じています。
例えば米国株。
米国株は確かに万人に勧められるような、過去の値動きであり、今後も余程のことがない限り、覇権国家としても、資本主義の総本山としても、多国間ルールの元締めとしても、基軸通貨を発行する国としても、一部分野において対抗し得るのは中国ぐらいで、その地位は揺るぎないものである確率は高いかもしれません。
でもどこかで、その前提が崩れる可能性もあり得ることを、自分のどこかで認識しつつ投資するのと、盲目的に投資するのでは、結果は変わってくると思います。
「勧めときながら、でも過信はするなって難しいこと言いよるなぁ」って思われるかもしれませんが、心の片隅にそういったリスクもあるよなぁと留めておいて頂きたいのです。
別に株式投資の将来について懐疑的になっているわけではなく、何事も過度にやりすぎると、盲目的になって正常な判断が下せなくなるかもしれませんから、そこは留意しておかないと不味かもしれません、という主旨です。
米国株にも長期低迷時期はある

S&P500 150年チャート
上図が示すことは、1929年の世界恐慌の際には、30ドルから5ドルまで急落していますし、そこから30ドルを回復するまで20年以上かかっています。
2000年代初頭のITバブルでも回復に8年程かかっています。
2001年にS&P500 ETFに投資をして、その後3年間ひたすら下がり続ける相場が展開されているわけですね。
そして、その3年間で株価は半値になっています。そんな3年間を耐えられるのか、株価が下がり続ける中、愚直に資金投下していけるのか、それをよくよく自分に問うてみた方が良いかもしれません。
「米国株に投資しておけば、誰でもお金持ちになれる!」みたいな文言には少し違和感があるというか、「最適解」と呼ばれるものには一定の用心というか警戒は少しはあった方が良いのではないかなぁと思います。
ビジネスになるので、勧める域を通り越して、必ず「煽る人」というのは存在しますが、それに大衆が突き動かされて、下落相場に直面し、含み損に耐えられなくなって結果的に多くの日本人が損をしてしまわなければ良いなと、こんな風に思います。
Best wishes to everyone!
株価の下落局面では、自身の投資方針や哲学が試される場面でもあります。周りに流されずに、淡々と投資方針を貫く、あるいは投資方針が自身に適しているかを見直す契機になり得ます。
今後の弱い相場に備えてポートフォリオのリスク性を点検するのも良いですよね。
電力株はそういう意味では、独立独歩の動きを見せることがありますから、債券的な性格がありますね。