米経済の民間研究機関である「全米経済研究所(NBER)」によって、米国の景気判断が正式に更新されます。
通例、このNBERにおいて、
- リセッション入りの判定
- 特定の期間における、特定の投資対象の傾向
など、景気局面に関する資料やデータが各種研究されています。
私も一時期、NBERの研究資料を興味本位で時折チェックしていました。
米国の過去における景気後退期(1980年以降、5回)
米国は1980年以降、以下の期間でリセッションと判定されています。
新型コロナウイルス拡大により6回目の不況に突入後、わずか2か月でリセッションは終了したとの指摘がNBECでなされています。今回も好況期に比べて短期間に終了したことになります。
不況開始 | 不況終了 | 不況期間 (月数) |
直前の好況期間 (月数) |
1980年1月 | 1980年7月 | 6 | 58 |
1981年7月 | 1982年11月 | 16 | 12 |
1990年7月 | 1991年3月 | 8 | 92 |
2001年3月 | 2001年11月 | 8 | 120 |
2007年12月 | 2009年6月 | 18 | 73 |
2020年2月 | 2020年4月 | 2 | 128 |
米国景気後退期をグラフにすると下図の通り。
ご覧の通り、景気後退局面は、景気拡大期に比べて長くありません。
米国の景気動向を判断している全米経済研究所(NBER)によれば、先述した上表の通り1980年~2018年において、不況期間は56か月、対して好況期間は365か月。
つまり、景気拡大期は景気後退期よりも6.5倍長いことになります。米国経済の力強さを示唆する1つの要素でしょうか。
「尚、2009年7月から景気拡大期に入っている米国ですが、2018年12月時点で既に景気拡大期間は114か月目に突入しています。
1980年~2018年までで、景気拡大最長期間は、1991年4月~2001年3月の120か月であり、景気拡大期間の平均は約60か月ですから、いつ景気後退期になってもおかしくありません。」
と記載していましたが、ようやく正式に2020年2月からリセッション入りとなった形。
まとめ
ということで、1980年以降の米国の景気後退期(不況期間)は下表の通りでした。
不況開始 | 不況終了 | 不況期間 (月数) |
直前の好況期間 (月数) |
1980年1月 | 1980年7月 | 6 | 58 |
1981年7月 | 1982年11月 | 16 | 12 |
1990年7月 | 1991年3月 | 8 | 92 |
2001年3月 | 2001年11月 | 8 | 120 |
2007年12月 | 2009年6月 | 18 | 73 |
2020年2月 | 2020年4月 | 2 | 128 |
NBERによると、直近の景気拡大は10年8カ月間続き、1854年にさかのぼる米国の景気循環の歴史で最長。先月の予想外の雇用の増加など、回復の兆候が既に明らかなことから、リセッションが通常より短い可能性があるとした。こうした兆候が続けば、リセッションの持続期間は数カ月だけにとどまる可能性もあるという。
出所:Bloomberg
リセッションは、もともと概して景気拡大期より短期間で終了してきたわけですが、今回はさらに短い可能性が示唆されています。
とはいえ、FOMCでゼロ金利が2022年まで維持する見通しがなされる等、引続き未曾有の金融政策が続きます。未来はだれにも読めないので、
- 自身が心地よいと思しき投資スタイルで、
- 感情に振り回されずに、
- 自身の目標に向かって着実に邁進する(例:配当金を積み上げる、など)
ことが、やはり個人的には一案と思います。
Best wishes to everyone!
景気後退期は、期間当初には既に株価が低迷し始めていることが往々にしてあります。低迷期はチャンスになり得ます。
リセッションについての記事です。