200日移動平均線とは
そもそも移動平均線とは、一定期間において株価終値の平均値を算出し、その値を日々日付の新しいほうへ移動しながら繋げたものです。
株価が乱高下しても、平均値を取るので移動平均線は過度に影響を受けず、トレンドを測る際に用いられます。
200日移動平均線とは、過去200日分の株価終値の合計を200日で割って算出した値を繋げたものです。
中長期的な相場予測やトレンドを判断する際に用いられ、相場の大勢が上下どちらに向かっているかを見る目安になります。
200日移動平均線が示すもの、その一定の重要性
それは個人投資家に限らず、多くの機関投資家もこの200日移動平均線を参考にしてきたからです。
相場とは結局人間心理で動くものです。
私が就職活動で某金融機関の面接で、「14歳から為替市場に臨んできて何を一番感じましたか?」という問いがありました。
「市場とは、結局人間心理で動くものだと感じました。例えば米住宅着工件数が良い数字だから必ずしもドル高になるとは限らず、既に市場が織り込んでいればその逆の動きを示現することも。」というような回答をしたと記憶しています。
人間心理で動く相場において、多くの人が参考にしている指標は、それだけその指標に沿って行動する人が多くなることを示します。
ゆえに、多くの人が参考にしているものは、相場の大勢に影響を与えやすいです。
例えば、アベノミクスのトレンドを判断する際に、この200日移動平均線は重要なトレンド判断材料としてみなされていました。
つまり、「200日移動平均線が上向いている限りはアベノミクスへの市場からの信任は継続。逆に200日移動平均線が下向けば、黄信号が灯る。」という言説です。
下表は日経平均株価と200日移動平均線の推移です。
青線の200日移動平均線が上向いている期間中は、概して200日移動平均線の近傍で反発しています。
トレンドに順張りする際に、200日移動平均線が参考になる好例です。上昇トレンドであれば、200日移動平均線が押し目買いの1つの参考値となり、下落トレンドであれば戻り売りの目処になります。
下表はVTIの株価推移と200日移動平均線の推移です。
2015・2016年の2回の下落局面では200日移動平均線を明確に割り込んでいますが、幾度も下落局面で200日移動平均線近傍で反発していることがわかります。
もちろん、200日移動平均線近傍で必ずしも反発するわけではありませんが、1つの目安にはなり得るものです。
上図の通り、直近2018年12月時点で200日移動平均線を割っています。200日移動平均線の位置する141ドルから10ドル下の131ドルを明確に割りこめば、2015・2016年なみの割り込み具合になる水準でしたが、その後の戻り局面で上抜けしました。
ただし、コロナショックほどの暴落では機能しないことは、VIX指数を目安とする時などと同様ですね。
200日移動平均線は押し目買いや戻り売りの1つの目安になり得る
日経平均株価という株式市場全体の指数とVTIという広く米国株に分散されたETFの2つを見てきました。
個別株においては、決算や特定のニュースで株価が大きく振れるので、ETFほど200日移動平均線が目安になる度合は高くない可能性がありますが、知っているに越したことはないでしょう。
FXでも200日移動平均線は見ていましたし、株式にも応用でき得る1つの目安になり得るものだと思います。
上昇トレンドのETFで買い場の見当がつかない場合は、200日移動平均線に指値を置いておくのも一案です。
Best wishes to everyone!
例えば直近で言うと、AT&Tの株価は200日移動平均線を明確に割り込んでおり、いつ上抜けしてくるのか興味深いところです。
米国高配当株式ETFである【VYM】も200日移動平均線を割り込んでいます。
今までは基本的にまとまったキャッシュフローがあった時に、値下がりしている高配当株を買い付けています。