AT&T、配当5~6%台の米国通信大手|米国高配当株

AT&Tは純利益1兆円超の巨大企業

米通信大手2強といえばベライゾンとAT&Tです。2強の一角を占めるAT&Tは、その米国内市場の大きい規模さながら、売上高は約16兆円、純利益は定常的に兆円単位です。

米中日の通信会社の規模は圧倒的に米国が大きいことがわかります。

通信会社は、特に情報通信革命以降はインフラ的な性質も帯びますから、安定した株主還元の期待でき、米国人口も漸増していくことを背景に、米国株投資家において人気のある企業と言って良いでしょう。

スマホで動画を見るのが大衆化して以降、日米問わず通信系各社の一部は人気コンテンツを抱える会社を買収するなどして顧客の囲い込みを図っています。日本でいえばKDDI、米国でいえばAT&Tでしょう。

AT&Tは、傘下に米CNNや人気ドラマ「Game of Thrones」を手掛ける有料テレビ局HBOを抱えるタイムワーナー買収に動きます。

2016年10月にAT&Tは米メディア大手タイムワーナーと買収額854億ドル(約9兆4000億円)で買収合意を発表するも、米司法省が17年11月に競争阻害を理由に、買収阻止を求めた提訴により買収手続きが停滞していました。

ところが、2018年6月12日、米連邦地裁はAT&Tによるタイムワーナーの買収を承認し、米司法省の主張を全面的に却下する判決を下しました。

米司法省が上訴する可能性はありますが、上訴可否に関わらず買収手続きを進めて良いとの地裁許可が下りた為、買収が完了しました。

通信とメディアの融合に一定の認可が下ったことで、他社においてもその動きが加速するかもしれません。

【T】1株あたりの純利益(EPS)、配当(DPS)、フリーキャッシュフロー(FCFps)の推移

会計上の利益であるEPS(1株利益)は、結構バラつきがあります。2017年に急伸しているのは、米国の税制改革の影響で一時的なものです。同社は税制改革に呼応し、真っ先に社員に臨時ボーナス支給を発表しました。

配当についてはここ10年程、毎年0.04ドルずつちまちま増配しています。

最近は低価格プランの競争が激化していますが、人口増加に伴って同社の売上高自体は堅調な動きになると期待したいところ。

ベライゾンと比べるとちょっと微妙なEPS推移と言えるかもしれませんが、これからも安定した業績推移を見せてほしいところです。

AT&T キャッシュフロー

稼いだキャッシュの半分くらいが設備投資などに回されています。

通信事業というものは今後も必要な事業分野ですし、米国全土をカバーするインフラですから設備投資が莫大です。

一方、設備投資が莫大ということは、海運業界(特にコモディティ化の波が来る以前)のようにそれだけ新規参入しづらいとも言えます。

新規プレーヤーが参入し難いということは、業界全体が数社に寡占されやすいということですね。

AT&T 配当・配当性向

先述の通り、直近10年間において、毎年0.04ドルずつの小幅な増配となっています。

配当性向は純利益の変動に伴ってバラつきがありますが、しっかりキャッシュは稼げているので、キャッシュフロー的には配当支払いには現時点で問題ありません。

AT&T 増配率の推移

毎年0.04ドルずつの増配ですから、分母が大きくなるにしたがって増配率は逓減していきます。

今後も安定配当に期待したいところですね。

AT&Tの直近における動き

ディレクTVを485億ドルで買収(2015年)

2015年に485億ドルかけてAT&Tが買収を完了したディレクTV

ここ数年のトピックとしては、主に北中南米地域で衛星放送サービスを提供するディレクTVの買収が挙げられます。

狙いは、買収による事業拡大で番組を制作するテレビ局との交渉力を高め、高騰する番組放映権料の支払いを抑えること。さらにディレクTVが得意とする中南米での放送事業を入手し、海外での事業展開を強化です。

買収後の契約は計2600万件に急増し、米ケーブルテレビ(CATV)最大手コムキャスト(約2200万件)を上回りました。

これも過度なワイヤレス事業への依存からの脱却に向けた同社の多角化方針の一環です。

以前はアルファベット(Google)などの大手IT企業はAT&Tやベライゾンに代表されるブロードバンド企業のインフラを使ってサービスを展開していましたが、巨大化した大手ネット企業は自らインフラを整備してサービスを展開し、放送企業や通信企業は今までのサービスだけでは今後苦戦が強いられる見通しがあることが背景にあります。

そこで、有料放送に注力しようという流れです。

タイム・ワーナー買収を発表(2016年)

買収総額は約854億ドル(約9兆円)。AT&Tが伸び悩む携帯電話事業以外にコンテンツの拡充・多角化をすべく、映画やニュースまで幅広いコンテンツを保有するタイム・ワーナーの買収を発表しました。通信・放送の垣根を超えた統合と言えます。

同社CEOのランドール・スティーブンソン氏は「世界的に優れたコンテンツを映画、テレビ、モバイル端末すべてで提供できるようになる」と。

司法省、独占禁止を理由に合併阻止に向けAT&Tを提訴(2017年)

しかし、2017年11月、司法省は買収を認めない意向を示しています。

トランプ大統領が政府に批判的な報道をするCNN(タイム・ワーナー傘下)を「フェイク・ニュース」となじるなど快く思っていないことから、司法省を通じて買収阻止に動いたとの憶測もあります。

異なる業界であるにも関わらず、合併阻止に動くことは異例であり、今後の動向が注目されましたが、結果は冒頭の通りです。

【T】AT&T 株価推移

2016年の急騰局面が収まり、2012~2015年のレンジ内に。2017年に順次買い増し済。

2018年9月には200日移動平均線を上抜けられず、下落トレンド入りしています。

同社の配当利回りは概ね4%台~6%台です。6%台の局面で買いたいところでしょう。

2017年秋に32ドルまで調整し、配当利回りが6%になる局面で、2万ドルまで買い増ししています。

が、2018年11月には一時30ドルを割り込む場面もあるなど調整色を深めています。

通信株は競争激化懸念で低迷するのではとの声もありますが、個人的には過度に気にせずに2万ドルまでは買い増しを行う方針できました。

既にVZは2万ドル保有、AT&Tも約2万ドル保有しており、一旦はこの辺で通信セクターの買い増しはストップです。

AT&Tの配当データ(2018年12月1日時点)

  • 配当月    : 2・5・8・11月
  • 連続増配年数 : 35年(2018年12月時点)

2018年も2%の増配($0.50→$0.51)がなされ、これで連続増配年数は35年となりました。

今後も堅調なEPS推移を背景とした増配に期待したいところです。

Best wishes to everyone!

ベライゾンのEPS推移等の詳細についてはこちら。

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同社については2万ドル程度まで逐次買い増しを行いました。

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