【RDSB銘柄分析】ロイヤル・ダッチ・シェル、配当利回り5%超の高配当石油メジャー

(※2019年8月23日 更新)

RDSBは三菱サラリーマンが約17,000ドル投資している石油メジャーの一角です。やはり、配当好きな投資家にとっては魅力的な高配当ADR銘柄です。

2017年に配当利回りが7%の時に新規で購入しました。同局面で4万ドルぐらい投じていても良かったと思います。

同社は石油メジャーの中でも、石油以外のエネルギー事業への多角化を進めており、特にLNG事業の中でも、船舶へのLNG燃料供給事業がその一例です。

同社は後述の通り配当政策に対して”配当成長”を明記しており、今後も現水準での安定配当が成されるほどの原油価格推移となるかが注目ポイント。

【RDSB銘柄分析】ロイヤル・ダッチ・シェル、配当利回り5%超の高配当石油メジャー

【RDSB】基礎データ

RDSBの基本情報は以下の通り(2019年8月22日時点)。

社名(和文) ロイヤル・ダッチ・シェル
社名 Royal Dutch Shell Plc
ティッカー RDSB (RDSA)
設立日 2002年2月
本社所在地 オランダ・ハーグ
従業員数 94,000人
セクター エネルギー
連続増配年数 6年
直近配当利回り 6.5%
直近4年平均配当利回り 6.5%
直近3年平均増配率(年率) 0.0%
直近5年平均増配率(年率) 4.4%
配当月 3, 6, 9, 12
1株配当 $3.76
1株調整後利益 $5.65
配当性向(調整後EPSベース) 66.5%
PER(調整後EPSベース) 9.7倍
株価(2019/8/22時点) $56.42

直近決算は資源価格の下落により減収減益で株価は下落しましたがキャッシュフローは悪くないことが確認できました。

結果、配当利回りは現時点で6.5%まで高まっています。

伝統的に配当利回りが5%を超える非常に高配当な企業ですが、直近の配当性向は66.5%とそこまで高くありません。

また、石油メジャーというのは、将来が不透明なセクターの本丸の一つでもありますから、PERも数字上は低い値で推移しています。

セクター全体が衰退の一途をたどるのか、あくまで低迷期の1つと見るのかで、大きく投資判断が分かれる銘柄でもあります。

連続増配年数は6年です。途中増配しないまま同額維持という年が何度かあります。買いタイミングの1つの目安としては、配当利回りが7%に迫る局面と思います。

【RDSB】セグメント別売上高

RDSBのセグメント

・Integrated Gasセグメントは、LNGの上流・中流部門に加え、風力・太陽光など環境に配慮した新エネルギー/低炭素エネルギー事業を指します(バイオ燃料・水素・電気自動車向けなども含む)

・UPSTREAM(上流部門)セグメントは、従来型石油・ガスやシェールガスの採掘・輸送を指します。

・DOWNSTREAM(下流部門)セグメントは、石油化学製品を指し、具体的には原油・ガソリン・ディーゼル・灯油・航空機用燃料・船舶用重油・潤滑油・オイルサンドの精製などが該当します。

一瞥してわかる通り、LNGや新エネ事業である「Integrated Gas」セグメントが増加していることがわかります。

ちなみに、同じくスーパーメジャーの英BPのForm 10-K(決算書)には、新エネルギーに該当するセグメントは見当たりません。RDSBは石油メジャーの中でも新エネ・LNGに注力している企業です。

【RDSB】株価と配当利回り推移

過去およそ10年間で、株価は横ばいです。直近5年間では配当利回りは5~10%のレンジで推移しています。

一時配当利回りが10%を超えるほど急騰した局面は、原油価格急落時です。

配当利回りから見た個人的な購入タイミングの目安は、配当利回りが少なくとも6.5%の水準を上回る局面でしょう。

【RDSB】売上高・営業利益・純利益

RDSBの業績推移(①売上高・②営業利益・③純利益・④営業利益率・⑤営業キャッシュフローマージン)を見てみましょう。

業績は概ね原油やLNGなどの資源価格に連動します。特に下図の通り、株価は原油価格(WTI先物)にほぼ完全に連動します。ゆえに、原油価格の動向に完全に依拠する形で今後も業績が推移していくことが予想されます。

【RDSB】株価と原油価格(WTI先物)の関係

株価と原油価格(WTI先物)がほぼ完全に連動していることがわかります。今後の原油価格の需給、およびリグ数の推移などが注目指標です。

【RDSB】キャッシュフロー推移

①営業キャッシュフロー・②投資キャッシュフロー・③フリーキャッシュフロー・④営業CFマージンを見てみましょう。

石油メジャーの投資CFは多いです。営業CFは原油価格に大きく左右されます。フリーCFは潤沢とは言えない水準です。

営業CFマージンは増加傾向。原油価格低迷時から資産売却・ポートフォリオ入れ替えコスト削減策などを積極的に行っています。

【RDSB】主なキャッシュフロー増減

上図から以下状況が判明します。

・2017年以降、フリーキャッシュフローが配当支払額を上回る。

・2017年以降、一貫して借入金返済。

・2019年に入り自社株買いが増加。

これらを見る限り、配当持続性に特段の疑義があるようには見えません。

【RDSB】フリーキャッシュフローマージン比較(石油メジャー)

同じく石油メジャーである【XOM】エクソンモービル、【BP】BPと比較します。

XOMが概ね、BPとRDSBを上回っており、XOM>RDS>BPの順です。いずれも私が保有している銘柄群です。

XOMは概ねどの指標も石油メジャーの中で安定しており、FCFマージンも同様の結果ですね、

【RDSB】配当政策

あくまで業績に裏打ちされていることが前提条件だとは思いますが、”Our policy is to grow the US dollar dividend”と言及しています。

2015年・2016年にかけてEPSが大幅に悪化する中でも、同社は10年以上減配をしていません。

船舶へのLNG燃料供給事業

尚、同社の最近のトピックとしては、石油以外のLNG事業である、船舶へのLNG燃料供給事業が挙げられます。

同社は石油以外の事業領域の強化の一環として、船舶へのLNG燃料供給事業の為に専用船の建造を進めています。

ちなみに、同事業への国内勢の面々としては、日本郵船が同事業をリードしており、2017年2月にはLNG燃料販売事業に既に参入し、LNG燃料船の建造も既に開始。海運業界を取り巻く環境対策の主導権を握ろうとしています。

RDSBの今後の石油以外の事業についても動向について注視していきたいところです。

ESG投資の広がりによる機関投資家からの投資撤退

ロイヤルダッチシェルを特徴付ける1つの要素として、ESG投資の広がりによる投資家からの投資撤退があります。

 石油メジャーの英蘭ロイヤル・ダッチ・シェルが地球環境などに配慮する「ESG投資」の広がりに身構えている。温暖化ガスの大量排出につながる石油ビジネスに依存していると機関投資家の「ダイベストメント(投資撤退)」の標的になっているためだ。

ESG(環境・社会・ガバナンス)に問題のある企業を投資対象からふるい落とすダイベストメントは広がる一方だ。米カリフォルニア州の年金基金やノルウェー政府年金基金などの機関投資家もエネルギー関連株を手放し始めた。

こうしたESG投資の逆風にさらされて、シェルが導き出した解のひとつが「脱石油」だ。太陽光や風力など再生可能エネルギーに年間20億ドル(約2100億円)を投じるほか、石油から環境負荷の少ない液化天然ガス(LNG)へのシフトを進めてきた。

再生エネとLNG分野での2018年の利益は約110億ドルと16年の4倍以上になり、石油開発などを抜いて稼ぎ頭だ。足元でもメガソーラーや電気自動車(EV)充電施設への投資を積み増している。

もうひとつが21~25年の5年間で計1250億ドル超という株主還元だ。これは16~20年よりも4割も多い。原油安のあおりで19年4~6月期の純利益は前年同期比50%減の29億9800万ドルにとどまった。この利益水準が続くと仮定すれば、自社株買いや配当による還元性向は200%を超えることになる。

シェルの株価はさえない。ダイベストメントによる売り圧力のほかEVの普及などで石油需要の減少が避けられないとの見通しも長期的に上値を抑えそうだ。石油メジャーの中でいち早く脱石油に乗り出したシェルに対する市場の評価は競合メジャーだけでなく、日本の元売り大手JXTGホールディングスと出光興産の行方を暗示している。

(出所:日本経済新聞)

たばこ株と同様、石油メジャーは「投資撤退対象」とされており、機関投資家による投資撤退により上値が抑えられやすくなっています。

これは長期的な株価低迷に繋がりやすい一方で、業績と関係なく割安に置かれる可能性にも繋がります。

同社へ投資する際は、このESG投資という側面にも留意しておいた方が良いかと思います。

RDSB銘柄分析まとめ

エネルギーセクターの中でもオイルメジャーは軒並み配当利回りが高い傾向にあります。石油の将来に対する悲観的な見方や、シェール革命・OPECの高水準生産などを背景に2015年以降低迷する原油価格が背景にあります。

以上のような背景がありますが、RDSBの配当利回りが再度7%に迫る局面があれば、買い増しを検討したいと思います。

Best wishes to everyone!

公開日:2017年6月25日