【ABBV】アッヴィ、配当2.4~6.5%のバイオ医薬品大手

米製薬大手アッヴィ【ABBV】の銘柄分析です。高配当を選好する投資家であれば、ポートフォリオに加える際に一考の価値ある銘柄と思います。

特徴は以下の通り。

・高いキャッシュ創出力

・高い増配率

・46年連続増配

・主力製品「アッヴィ」への依存

【ABBV】アッヴィ、配当利回り2.4%~6.5%の高配当ヘルスケア企業

アッヴィ(別称アブビー)【ABBV】は三菱サラリーマンが2017年・2019年に購入して現在約170万円分保有している銘柄です。

ヘルスケアセクターでは以下3銘柄に投資しています。

  1. ジョンソン・エンド・ジョンソン【JNJ】
  2. グラクソ・スミス・クライン【GSK】
  3. アッヴィ【ABBV】

アッヴィは米製薬大手アボット・ラボラトリーズ【ABT】から2013年に研究開発部門が分離・設立(スピンオフ)された企業です。

ABT時代からの連続増配年数は46年と長く、安定した収益基盤を維持してきたことを示唆します。

【ABBV】基礎データ

アッヴィの基本情報は以下の通り。

社名(和文) アッヴィ
社名(英文) AbbVie Inc
ティッカー ABBV
設立日 2012年4月
本社所在地 米国イリノイ州
従業員数 30,000人
セクター ヘルスケア
連続増配年数 46年(ABT時代含む)
配当利回り 5.8%
直近4年平均配当利回り 3.8%
直近3年増配率(累計) 71.7%
直近5年増配率(累計) 106.3%
配当月(支払日ベース) 2, 5, 8, 11
1株配当(2020年予想) $4.72
1株調整後利益(2020年予想、2019年Q3決算時点) $8.90~8.92
予想配当性向(調整後EPSベース) 53%
予想PER(調整後EPSベース) 9.2倍
株価 $81.75

(2019年11月3日時点)

2019年Q3決算で通年調整後EPSガイダンスの下限を引き上げました。($8.82~$8.92 → $8.90~$8.92)前年$7.91から11.5%増と高水準を維持。

2019年の10.3%増配を反映させた直近3年・5年の累計増配率は各々72%・106%とこちらも引続き高水準を維持。

今回の増配でも調整後EPSベースは後述の通り53%と小幅な増加に留まっており、EPS成長率に応じた適度な増配であったことが分かります。

なお、前回は35.2%の大増配で、現時点では高配当・高増配のヘルスケア銘柄です。

【ABBV】‪アッヴィが35.2%の大幅増配!‪YoCが一気に6.4%に!

このように、連続増配株を保有し続けると増配(配当金増加)によってキャッシュフローが自然に増えていく傾向も、大きな魅力の1つです。

【ABBV】事業内容

遺伝子組み換え型の関接リウマチ治療薬「ヒュミラ」が売上高の6割を占める主力商品。(後述)

  • クローン病
  • ヒト免疫不全ウイルス(HIV)
  • 低テストステロン
  • 甲状腺疾患
  • パーキンソン病
  • 慢性腎臓病
  • アルツハイマー病

などの新薬開発に注力し、以下特殊治療を要する医薬品も手掛けています。

  • 慢性腎疾患
  • C型肝炎
  • 婦人病
  • 腫瘍
  • 神経系疾患

同社IR資料では2020年までEPSが2桁の伸びを続けると強気の予想を掲げており、後述の「ヒュミラ特許切れ以降のヒュミラに代わる同社商品ポートフォリオが構築できるのか」が注目ポイント。

ちなみに、製薬系の優良企業としてはABBVの他にも以下企業群があります。

  1. 【JNJ】ジョンソン・エンド・ジョンソン
  2. 【AMGN】アムジェン
  3. 【BMY】ブリストル・マイヤーズ
  4. 【MRK】メルク
  5. 【PFE】ファイザー
  6. 【NVS】ノバルティス
  7. 【LLY】イーライ・リリー

【ABBV】株価と配当利回り推移

配当利回りは2.3~6.9%で推移。2019年6月27日時点では6.4%でした。その際の買い増しは、短期的には良いタイミングとなりました。

アラガン買収による財務悪化懸念により60ドル強まで大きく売られたまさにその局面が、絶好の買い場だったということになります。

【ABBV】売上高・営業利益・純利益

ABBVの①売上高・②営業利益・③純利益・④営業利益率・⑤営業キャッシュフローマージンを見てみましょう。

売上高は右肩上がり、利益も全体的に増加、収益力を示す営業CFマージンも概ね25~40%と高水準。

売上高が伸びてきた背景に、主力製品のヒュミラが伸びていることが挙げられます。

売上高全体に占めるヒュミラの売上と割合

売上高全体に占めるヒュミラの割合は長らく60%以上でしたが、2019年3Q時点で58%に低下。

これは同社のヒュミラ依存度の低下を意味し、投資家にとっては朗報です。

製品別売上高割合:約6割が主力医薬品ヒュミラ

同社を特徴付けるブロックバスター「ヒュミラ」。2018年の売上高全体の実に61%をヒュミラが占めるため、ヒュミラに大きく依存している状況。

ヒュミラの売上高は、米国:米国以外=7:3の比率。

ヒュミラの特許切れ時期は以下の通り。

欧州  : 2018年

その他 : 2021年

米国  : 2023年

米国では2023年まで特許が残っているものの、既に欧州は2018年に特許切れ、その他主要国も2021年で特許が切れます。

よって、2021-2023年まではヒュミラに支えられた堅調な業績が期待されるも、「2023年以降ヒュミラに代わる新たなキラー医薬品を開発 or 買収等でポートフォリオの多様化が成されるか」が注目ポイント。

主要製品別 売上高

尚、2019年第三四半期決算における主要商品別売上高は以下の通り。

商品名 売上高 前年同期比
Humira $4,936M -3.7%
Imbruvica $1,257M +29.3%
Mavyret $695M -17.1%
Venclexta $221M
Skyrizi $91M

*M = million

ヒュミラ売上高が微減なるも、抗がん剤「イムブルビカ(Imbruvica)」の売上は大幅増によりヒュミラ減収分を上回る増加幅となりました。うち米国での売上が$1,040Mと大半を占め、残る外国売上分についてはジョンソンエンドジョンソン【JNJ】と利益を分け合う形。

2016年4月に米FDAが認可した「慢性リンパ性白血病治療薬 Venclexta」の売上高2.2億ドルは前年比2倍以上と急増。こちらは同じく製薬大手ロシュがパートナーです。

【ABBV】キャッシュフロー推移

アッヴィの「①営業キャッシュフロー、②投資キャッシュフロー(資本的支出)、③フリーキャッシュフロー、④営業キャッシュフローマージン」を確認します。

上図の通りキャッシュ創出力は高く、営業キャッシュフローマージン・フリーキャッシュフローマージンともに約40%と、米国企業の中でも極めて高い部類です。

【ABBV】配当継続性

アッヴィの配当余力を確認すべく、「①フリーキャッシュフロー、②配当支払額、③配当性向(フリーキャッシュフローベース)」を確認します。

配当性向(FCFベース)は、2019年3Q時点で49%と問題ない水準です。

3Q時点で前年通期の75%程度とフリーキャッシュフローの推移も堅調。

【ABBV】トータルリターン vs S&P500

下図はABBVとS&P500指数の配当再投資込みトータルリターン比較です。

アボット・ラボラトリーズ【ABT】から分社化された2014年から2019年3月の期間において、市場平均のS&P500を上回るトータルリターンを残しています。

トータルリターン比較(年率)

12.4% : ABBV

10.6% : S&P500

【ABBV】決算予想と実績EPS

上図の通り2018年4Q以外は全ての四半期決算において、EPSが市場予想と同等以上です。概ね常に市場の期待を上回ってきたことを示します。

【ABBV】配当金推移、配当月、配当支払日

以下の通り、配当支払月は2・5・8・11月。配当支払日は15日頃が通例です。増配発表は通例1月、増配タイミングは通例2月支払い日です。

配当発表日 配当落ち日 配当基準日 配当支払日 配当
11/1/2019 1/14/2020 1/15/2020 2/14/2020 1.18
9/6/2019 10/11/2019 10/15/2019 11/15/2019 1.07
6/20/2019 7/12/2019 7/15/2019 8/15/2019 1.07
2/21/2019 4/12/2019 4/15/2019 5/15/2019 1.07
11/2/2018 1/14/2019 1/15/2019 2/15/2019 1.07
9/7/2018 10/12/2018 10/15/2018 11/15/2018 0.96
6/14/2018 7/12/2018 7/13/2018 8/15/2018 0.96
2/15/2018 4/12/2018 4/13/2018 5/15/2018 0.96
10/27/2017 1/11/2018 1/12/2018 2/15/2018 0.71
9/8/2017 10/12/2017 10/13/2017 11/15/2017 0.64
8/17/2017 7/12/2017 7/11/2017 8/21/2017 0.64
2/16/2017 4/11/2017 4/13/2017 5/15/2017 0.64
10/28/2016 1/11/2017 1/13/2017 2/15/2017 0.64
9/9/2016 10/12/2016 10/14/2016 11/15/2016 0.57
6/16/2016 7/13/2016 7/15/2016 8/15/2016 0.57
2/18/2016 4/13/2016 4/15/2016 5/16/2016 0.57
10/30/2015 1/13/2016 1/15/2016 2/16/2016 0.57
9/11/2015 10/13/2015 10/15/2015 11/14/2015 0.51
6/18/2015 7/13/2015 7/15/2015 8/14/2015 0.51
2/19/2015 4/13/2015 4/15/2015 5/15/2015 0.51
10/20/2014 1/13/2015 1/15/2015 2/13/2015 0.49
9/19/2014 10/10/2014 10/15/2014 11/17/2014 0.42
6/19/2014 7/11/2014 7/15/2014 8/15/2014 0.42
2/20/2014 4/11/2014 4/15/2014 5/15/2014 0.42
12/12/2013 1/13/2014 1/15/2014 2/14/2014 0.4
9/19/2013 10/10/2013 10/15/2013 11/15/2013 0.4
6/20/2013 7/11/2013 7/15/2013 8/15/2013 0.4
2/15/2013 4/11/2013 4/15/2013 5/15/2013 0.4
1/4/2013 1/11/2013 1/15/2013 2/15/2013 0.4

【ABBV】アッヴィ銘柄分析まとめ

・高いキャッシュ創出力

・高い増配率

・46年連続増配

・主力製品「アッヴィ」への依存

アッヴィへは1.6万ドル程度保有しており、今後のヒュミラリスクが気にはなりますが収益力・増配力共に現状は申し分ない企業です。

ヘルスケアセクターの中では、圧倒的に予想PER・予想配当性向・配当利回り・直近増配率も高く、今年7月時点でセクター中でバリュエーションとしては低かったです。

しかし当然その背景にはヒュミラ依存リスクを投資家が懸念していることが示唆されていたわけですが、そのようなリスクを承知の上で低迷局面で買い向かうかが1つポイントです。

とにかくキャッシュ創出力が高いです。フリーキャッシュフローマージンは40%と高水準。予想配当性向は50%台で株主還元余力も現時点では十分。

引続きポートフォリオの5%程度をめどに買い進めても良いと思える企業です。

ご参考になりましたら幸いです。

Best wishes to everyone!

ヘルスケアセクターと言えば、50年以上連続増配の配当王であるジョンソン・エンド・ジョンソン【JNJ】ですね。米国株投資家からも人気の高い銘柄です。

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公開日:2017年1月5日