【ABBV銘柄分析】アッヴィは配当利回り2~6%台のバイオ医薬品大手

米製薬大手アッヴィ【ABBV】の銘柄分析です。高配当を選好する投資家であれば、ポートフォリオに加える際に一考の価値ある銘柄と思います。

2019年11月に10.3%の増配(1株配当:$1.07→$1.18)がアナウンスされ、2020年2月14日の配当支払いから適用されます。連続増配銘柄に代表されるように、株式を保有し続けると増配(配当金増加)によってキャッシュフローが自然に増えていくのも、株式投資の大きな魅力の1つです。

今回の増配でも調整後EPSベースは後述の通り53%と小幅な増加に留まっており、EPS成長率に応じた適度な増配であったことが分かります。

なお、前回は35.2%の大増配であり、引き続き成長を期待させる、現時点では高配当・高増配のヘルスケア銘柄です。

関連記事:【ABBV】‪アッヴィが35.2%の大幅増配!‪YoCが一気に6.4%に!

【ABBV】アッヴィ、配当利回り2.4%~6.5%の高配当ヘルスケア企業

アブビーとも称されることもあるアッヴィ【ABBV】は三菱サラリーマンが2017年・2019年に購入して現在約170万円分保有している銘柄です。

ヘルスケアセクターではジョンソン・エンド・ジョンソン【JNJ】、グラクソ・スミス・クライン【GSK】と、このアッヴィ【ABBV】の3銘柄に投資しています。

米製薬大手アボット・ラボラトリーズ【ABT】から2013年に研究開発部門が分離・設立された企業。ABT時代からの連続増配年数は46年と長く、現状ではヘルスケアセクター指折りのブルーチップ(優良企業)と言えます。

【ABBV】基礎データ

アッヴィの基本情報は以下の通り。

社名(和文) アッヴィ
社名(英文) AbbVie Inc
ティッカー ABBV
設立日 2012年4月
本社所在地 米国イリノイ州
従業員数 30,000人
セクター ヘルスケア
連続増配年数 46年(ABT時代含む)
配当利回り 5.8%
直近4年平均配当利回り 3.8%
直近3年増配率(累計) 71.7%
直近5年増配率(累計) 106.3%
配当月(支払日ベース) 2, 5, 8, 11
1株配当(2020年予想) $4.72
1株調整後利益(2020年予想、2019年Q3決算時点) $8.90~8.92
予想配当性向(調整後EPSベース) 53%
予想PER(調整後EPSベース) 9.2倍
株価 $81.75

(2019年11月3日時点)

2019年Q3決算で通年調整後EPSガイダンスの下限を引き上げました。($8.82~$8.92 → $8.90~$8.92)前年$7.91から11.5%増と高水準を維持。

2019年の10.3%増配を反映させた直近3年・5年の累計増配率は各々72%・106%とこちらも引続き高水準を維持。

【ABBV】事業内容

遺伝子組み換え型の関接リウマチ治療薬「ヒュミラ」が売上高の6割を占める主力商品。(後述)

  • クローン病
  • ヒト免疫不全ウイルス(HIV)
  • 低テストステロン
  • 甲状腺疾患
  • パーキンソン病
  • 慢性腎臓病
  • アルツハイマー病

などの新薬開発に注力し、以下特殊治療を要する医薬品も手掛けています。

  • 慢性腎疾患
  • C型肝炎
  • 婦人病
  • 腫瘍
  • 神経系疾患

同社IR資料では2020年までEPSが2桁の伸びを続けると強気の予想を掲げており、後述のヒュミラ特許切れ以降のヒュミラに代わる同社商品ポートフォリオが構築できるのかが注目ポイント。

ちなみに、製薬系の優良企業としてはABBVの他にも以下企業群があります。

  1. 【JNJ】ジョンソン・エンド・ジョンソン
  2. 【AMGN】アムジェン
  3. 【BMY】ブリストル・マイヤーズ
  4. 【MRK】メルク
  5. 【PFE】ファイザー
  6. 【NVS】ノバルティス
  7. 【LLY】イーライ・リリー

【ABBV】株価と配当利回り推移

配当利回りは2.3~6.9%で推移しています。そして2019年6月27日時点で配当利回りは6.4%です。直近で最も高い配当利回りということで個人的には大いに買い目線。(既報の通りその際に買い増しました)

アラガン買収による財務悪化懸念により60ドル強まで大きく売られたアッヴィでしたが、今となってはその時こそが絶好の買い場だったということになります。

アッヴィは2017年始に投資して以降、2年ぶりに今年は130万円分と多めに買い増し、今後も期待できるヘルスケアセクターの一角です。

【ABBV】売上高・営業利益・純利益

ABBVの①売上高・②営業利益・③純利益・④営業利益率・⑤営業キャッシュフローマージンを見てみましょう。

売上高は右肩上がり、利益も全体的に増加、収益力を示す営業CFマージンも概ね25~40%と高水準。

売上高が伸びているのは、下図が示す通り、主力製品のヒュミラが伸びていることが一因。

売上高全体に占めるヒュミラの売上と割合

また、ヒュミラ比率が60%近傍を保っていることから、ヒュミラだけでなく他製品の売上が伸びていることが示唆されます。

【ABBV】製品別売上高割合:6割が主力医薬品ヒュミラ

まず、同社を語る上で外せないのがヒュミラ。2018年の売上高全体の実に60.9%をヒュミラが占めるため、同社の業績はヒュミラの売上高に大きく依存している状況。

ヒュミラの売上高は、米国:米国以外=7:3の比率であり、米国では2023年まで特許が残っているものの、既に欧州の売上高は2018年に特許切れ、その他主要国も2021年で特許が切れます。

よって、2021-2023年までは同社の業績は比較的堅調に推移することが期待されるも、「2023年以降ヒュミラに代わる新たなキラー医薬品を開発 or 買収等でポートフォリオの多様化が成されるか」が注目ポイント。

直近主要製品別売上高

尚、2019年第三四半期決算における主要商品別売上高は以下の通り。

商品名 売上高 前年同期比
Humira $4,936M -3.7%
Imbruvica $1,257M +29.3%
Mavyret $695M -17.1%
Venclexta $221M
Skyrizi $91M

*M = million

ヒュミラ売上高が微減なるも、抗がん剤「イムブルビカ(Imbruvica)」の売上は大幅増によりヒュミラ減収分を上回る増加幅となりました。うち米国での売上が$1,040Mと大半を占め、残る外国売上分についてはジョンソンエンドジョンソン【JNJ】と利益を分け合う形です。

2016年4月に米FDAが認可した「慢性リンパ性白血病治療薬 Venclexta」の売上高2.2億ドルは前年比2倍以上と急増。こちらは同じく製薬大手ロシュがパートナーです。

ヒュミラに次ぐブロックバスターが果たして生まれるのか要注目です。

【ABBV】キャッシュフロー推移

上図の通りキャッシュ創出力は高く、フリーキャッシュフローマージンは40%と米国企業の中でもむちゃくちゃ高いです。

【ABBV】調整後EPS・FCFPS・DPS

2018年度決算時点で、調整後EPS・FCFPS>DPSとなっており、当面は配当持続性に特段の疑義は生じません。

【ABBV】トータルリターン vs S&P500

下図はABBVとS&P500指数の配当再投資込みトータルリターン比較です。

アボット・ラボラトリーズ【ABT】から分社化された2014年から2019年3月の期間において、市場平均のS&P500を上回るトータルリターンを残しています。

トータルリターン比較(年率)

12.4% : ABBV

10.6% : S&P500

【ABBV】決算予想と実績EPS

同社の凄いなと思うところは、過去4年間の決算で実績EPSが市場コンセンサスEPSをひたすら上回っていることなんですよね。上図の通り2018年4Q以外は全ての四半期決算においてEPSが市場予想と同等か上回っています。

常に市場の期待を上回るアッヴィ、魅力的です。

【ABBV】配当発表日・配当落ち日・配当基準日・配当支払日

以下の通り、配当月は2・5・8・11月。配当支払日は15日頃が通例ですね。

配当発表日 配当落ち日 配当基準日 配当支払日 配当
11/1/2019 1/14/2020 1/15/2020 2/14/2020 1.18
9/6/2019 10/11/2019 10/15/2019 11/15/2019 1.07
6/20/2019 7/12/2019 7/15/2019 8/15/2019 1.07
2/21/2019 4/12/2019 4/15/2019 5/15/2019 1.07
11/2/2018 1/14/2019 1/15/2019 2/15/2019 1.07
9/7/2018 10/12/2018 10/15/2018 11/15/2018 0.96
6/14/2018 7/12/2018 7/13/2018 8/15/2018 0.96
2/15/2018 4/12/2018 4/13/2018 5/15/2018 0.96
10/27/2017 1/11/2018 1/12/2018 2/15/2018 0.71
9/8/2017 10/12/2017 10/13/2017 11/15/2017 0.64
8/17/2017 7/12/2017 7/11/2017 8/21/2017 0.63
2/16/2017 4/11/2017 4/13/2017 5/15/2017 0.64
10/28/2016 1/11/2017 1/13/2017 2/15/2017 0.64
9/9/2016 10/12/2016 10/14/2016 11/15/2016 0.57
6/16/2016 7/13/2016 7/15/2016 8/15/2016 0.57
2/18/2016 4/13/2016 4/15/2016 5/16/2016 0.57
10/30/2015 1/13/2016 1/15/2016 2/16/2016 0.57
9/11/2015 10/13/2015 10/15/2015 11/14/2015 0.51
6/18/2015 7/13/2015 7/15/2015 8/14/2015 0.51
2/19/2015 4/13/2015 4/15/2015 5/15/2015 0.51
10/20/2014 1/13/2015 1/15/2015 2/13/2015 0.49
9/19/2014 10/10/2014 10/15/2014 11/17/2014 0.42
6/19/2014 7/11/2014 7/15/2014 8/15/2014 0.42
2/20/2014 4/11/2014 4/15/2014 5/15/2014 0.42
12/12/2013 1/13/2014 1/15/2014 2/14/2014 0.4
9/19/2013 10/10/2013 10/15/2013 11/15/2013 0.4
6/20/2013 7/11/2013 7/15/2013 8/15/2013 0.4
2/15/2013 4/11/2013 4/15/2013 5/15/2013 0.4
1/4/2013 1/11/2013 1/15/2013 2/15/2013 0.4

【ABBV】アッヴィ銘柄分析まとめ

アッヴィへは1.6万ドル程度保有しており、今後のヒュミラリスクが気にはなりますが収益力・増配力共に現状は申し分ない企業だと思います。

ヘルスケアセクターの中では、圧倒的に予想PER・予想配当性向・配当利回り・直近増配率も非常に高く、今年7月時点でセクター中でバリュエーションとしては低かったです。

しかし当然その背景にはヒュミラ依存リスクを投資家が懸念していることが示唆されていたわけですが、そのような局面で買い向かうかがやはり大きなポイントです。一方、当然更に下がるリスクと隣り合わせではありました。(今回も単に運が良かっただけで、それ以上でも以下でも御座いません)

とにかくキャッシュ創出力が高いです。フリーキャッシュフローマージンは40%と高水準。予想配当性向は50%台で株主還元余力も現時点で十分です。

引続きポートフォリオの5%程度をめどに買い進めても良いと思える企業です。

ご参考になりましたら幸いです。

Best wishes to everyone!

ヘルスケアセクターと言えば、50年以上連続増配の配当王であるジョンソン・エンド・ジョンソン【JNJ】ですね。米国株投資家からも人気の高い銘柄でしょう。

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同じくヘルスケアセクターで保有株のグラクソ・スミスクラインについては以下で詳述しています。地味ながら高配当で直近株価も堅調です。

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公開日:2017年1月5日