【ABBV】アッヴィ、配当2.3~7.4%のバイオ医薬品大手。アラガン買収で製品多様化。

米製薬大手アッヴィ【ABBV】は、高配当・高増配・高いトータルリターンを示した米医薬品大手です。

  • 高いキャッシュ創出力
  • 高い増配率
  • 50年連続増配
  • 主力製品「アッヴィ」からの脱却

アラガン買収で製品ポートフォリオは多様化。主力製品「アッヴィ」への依存から脱却が進んでいます。

【ABBV】アッヴィ、高配当・高増配ヘルスケア企業。アラガン買収で多角化すすむ。

アッヴィ(別称アブビー)【ABBV】は、米製薬大手アボット・ラボラトリーズ【ABT】から2013年に研究開発部門が分離・設立(スピンオフ)された企業です。

ABT時代からの連続増配年数は49年と長く、安定した収益基盤を維持してきたことを示唆します。

【ABBV】基礎データ

アッヴィの基本情報は以下の通り。

社名(和文)アッヴィ
社名(英文)AbbVie Inc
ティッカーABBV
設立日2012年4月
本社所在地米国イリノイ州
従業員数30,000人
セクターヘルスケア
連続増配年数50年(ABT時代含む)
直近4年平均配当利回り4.4%
直近5年増配率(年率)17.9%
配当月(支払日ベース)2, 5, 8, 11
1株配当(2021年増配反映)$5.64
1株調整後利益
(2020年予想、2020年Q3決算時点)
$12.57
予想配当性向(調整後EPSベース)44%
株価$114.67

(2021年10月30日時点)

  • 2019年Q3決算で通年調整後EPSガイダンス下限を引き上げ
    ($8.82~$8.92 → $8.90~$8.92)
    前年EPS $7.91から11.5%増。高水準を維持。
    2020年11月時点で、10ドル台とさらに伸長。
  • 2018年は35.2%の大増配。【ABBV】‪アッヴィが35.2%の大幅増配!‪YoCが一気に6.4%に!
  • 19年10.3%、20年10.2%、21年8.5%。増配率は高水準を維持。
  • 調整後EPSベースの配当性向は44%。EPS成長に応じた適度な増配。

このように、業績堅調な連続増配株を保有し続けると、配当が増えていく傾向が見られます。

【ABBV】事業内容

事業領域

新薬開発

  • クローン病
  • ヒト免疫不全ウイルス(HIV)
  • 低テストステロン
  • 甲状腺疾患
  • パーキンソン病
  • 慢性腎臓病
  • アルツハイマー病

特殊治療を要する医薬品

  • 慢性腎疾患
  • C型肝炎
  • 婦人病
  • 腫瘍
  • 神経系疾患

アラガン買収で、さらに以下領域にも拡充。

  • 美容(ボトックス注射)← New
  • アイケア ← New

遺伝子組み換え型の関接リウマチ治療薬「ヒュミラ」が売上高の6割(2018年時点)を占めていました。

ヒュミラの特許切れ以降、ポートフォリオが多様化できるのか」が注目ポイントであってきました。後述します。

ちなみに、製薬系の名の知れた企業としてはABBVの他にも以下企業群があります。

  1. 【JNJ】ジョンソン・エンド・ジョンソン
  2. 【AMGN】アムジェン
  3. 【BMY】ブリストル・マイヤーズ
  4. 【MRK】メルク
  5. 【PFE】ファイザー
  6. 【NVS】ノバルティス
  7. 【LLY】イーライ・リリー

【ABBV】株価と配当利回り推移

配当利回りは2.3~7.4%で推移。コロナショック時(2020年3月23日)に7.4%を記録。

2019年にアラガン買収による財務悪化懸念で、株価60ドル強まで下落。当時、配当利回りは7%弱まで上昇。

【ABBV】売上高・営業利益・純利益

①売上高・②営業利益・③純利益・④営業利益率・⑤営業キャッシュフローマージンを見てみましょう。

  • 概ね右肩上がり。収益力を示す営業CFマージンも概ね25~40%と高水準。
  • 売上高が伸びてきた背景に、主力製品のヒュミラの伸長。2020年はアラガン買収効果も寄与。

売上高全体に占めるヒュミラの売上と割合

  • 売上高全体に占めるヒュミラの割合は、長らく60%以上も、46%(2020年3Q)に低下。ヒュミラ依存度は低下。

製品別売上高割合:ヒュミラ 61% → 46% まで低下

ヒュミラ特許切れ時期
  • 欧州  : 2018年
  • その他 : 2021年
  • 米国  : 2023年

米国では2023年まで特許残存も、欧州は2018年に特許切れ、その他主要国も2021年で特許が切れます。

よって、2021-2023年まではヒュミラに支えられた堅調な業績が期待されるも、「2023年以降ヒュミラに代わる新たなキラー医薬品を開発 or 買収等でポートフォリオの多様化が成されるか」が注目ポイント。

2018~2019年

2020年

ポイント
  • 神経科学・エステティック・アイケアなど買収したアラガンの領域が寄与
    → ヒュミラ比率は、61%(2018年)→ 46%(2020年)まで低下
    全体の売上高は、前年比30%増(2020年3Q時点)

  • アラガンの強みであるボトックス系の製品が、製品別売上6位・7位に登場するなど、アッヴィの製品ポートフォリオの多様化に寄与しています。
  • 抗がん剤「イムブルビカ(Imbruvica)」の売上も前年比15.2%増と堅調維持。同製品の外国売上は、パートナーのジョンソンエンドジョンソン【JNJ】と利益を分け合う形。
  • 2016年4月に米FDAが認可した「慢性リンパ性白血病治療薬 Venclexta」も前年比79.5%増と急増。こちらは同じく製薬大手ロシュがパートナーです。

【ABBV】キャッシュフロー推移

アッヴィの「①営業キャッシュフロー、②投資キャッシュフロー(資本的支出)、③フリーキャッシュフロー、④営業キャッシュフローマージン」を確認します。

  • 営業キャッシュフローマージン・フリーキャッシュフローマージンともに約40%と、米国企業の中でも極めて高い部類。

【ABBV】配当継続性

アッヴィの配当余力を確認すべく、「①フリーキャッシュフロー、②配当支払額、③配当性向(フリーキャッシュフローベース)」を確認します。

  • 配当性向(FCFベース)は、46%と配当政策として適正な水準。(2020年3Q)

【ABBV】トータルリターン vs S&P500

ABBV・S&P500指数の配当再投資込みトータルリターン比較です。

:ABBV、:S&P500

アボット・ラボラトリーズ【ABT】から分社化された2013~2020年12月において、市場平均のS&P500を上回るトータルリターンを残しています。

トータルリターン比較(年率)

19.6% : ABBV

14.6% : S&P500

【ABBV】決算予想と実績EPS

上図の通り2018年4Q以外は全ての四半期決算において、EPSが市場予想と同等以上です。概ね市場の期待を上回ってきたことを示します。

【ABBV】配当金推移、配当月、配当支払日

以下の通り、配当支払月は2・5・8・11月。配当支払日は15日頃が通例です。増配発表は通例11月、増配タイミングは通例2月支払い日です。

配当発表日配当落ち日配当基準日配当支払日配当
10/30/20211.41
9/10/202110/14/202110/15/202111/15/20211.30
6/17/20217/14/20217/15/20218/16/20211.30
2/18/20214/14/20214/15/20215/14/20211.30
10/30/20201/14/20211/15/20212/16/20211.30
9/11/202010/14/202010/15/202011/16/20201.18
6/17/20207/14/20207/15/20208/14/20201.18
2/20/20204/14/20204/15/20205/15/20201.18
11/1/20191/14/20201/15/20202/14/20201.18
9/6/201910/11/201910/15/201911/15/20191.07
6/20/20197/12/20197/15/20198/15/20191.07
2/21/20194/12/20194/15/20195/15/20191.07
11/2/20181/14/20191/15/20192/15/20191.07
9/7/201810/12/201810/15/201811/15/20180.96
6/14/20187/12/20187/13/20188/15/20180.96
2/15/20184/12/20184/13/20185/15/20180.96
10/27/20171/11/20181/12/20182/15/20180.71
9/8/201710/12/201710/13/201711/15/20170.64
8/17/20177/12/20177/11/20178/21/20170.64
2/16/20174/11/20174/13/20175/15/20170.64
10/28/20161/11/20171/13/20172/15/20170.64
9/9/201610/12/201610/14/201611/15/20160.57
6/16/20167/13/20167/15/20168/15/20160.57
2/18/20164/13/20164/15/20165/16/20160.57
10/30/20151/13/20161/15/20162/16/20160.57
9/11/201510/13/201510/15/201511/14/20150.51
6/18/20157/13/20157/15/20158/14/20150.51
2/19/20154/13/20154/15/20155/15/20150.51
10/20/20141/13/20151/15/20152/13/20150.49
9/19/201410/10/201410/15/201411/17/20140.42
6/19/20147/11/20147/15/20148/15/20140.42
2/20/20144/11/20144/15/20145/15/20140.42
12/12/20131/13/20141/15/20142/14/20140.4
9/19/201310/10/201310/15/201311/15/20130.4
6/20/20137/11/20137/15/20138/15/20130.4
2/15/20134/11/20134/15/20135/15/20130.4
1/4/20131/11/20131/15/20132/15/20130.4

【ABBV】アッヴィ銘柄分析まとめ

  • 高いキャッシュ創出力
  • 高い増配率
  • 50年連続増配
  • 主力製品「アッヴィ」依存から脱却すすむ

収益力・増配力ともに現状は堅調、ヒュミラ依存も低下中。増配率も高く、配当性向も低めで、適正な配当政策にて配当余力も十分感じさせます。

今後も成長市場と目されるヘルスケアセクターで、成長を期待したい企業の1つです。

ご参考になりましたら幸いです。

Best wishes to everyone.

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公開日:2017年1月5日