FIRE・セミリタイアのための、資産運用のご相談
題名: FIREもしくはセミリタイアのための今後の資産運用についてのご相談
メッセージ本文:
はじめまして。
いつも楽しく記事を拝見しています。
個別株には手を出さない方針で米国ETFをメインに購入しており、その方針についてのご相談です。FIREもしくはセミリタイアのためにアドバイスを頂戴できれば幸いです。
現在の年齢はアラサーで、入金力は以下の通りです。
- 毎月の入金力:財形、DCや保険等を除いて約20万円前後です。
- ボーナス:財形を除いて手取りで約60万~70万円程度となる見込みです。
- 財形:万が一に備え、下す予定はありません。
- 投資に回すためのプール貯金:現在約100万ほどが普通預金口座にあります。
また、現在の保有するETFは以下の通りです。
- SPYD
- PFF
- SPXL
- SRET
【構想している投資計画】
前年の年末にSRETとSPXLに多めに投入し痛い目にあったので、メインはSPYDとPFFを毎月の入金力の4割ずつ程度で購入し、残りの2割を長期的には回復することを信じてSRETやSPXLに投入して購入単価を下げる計画です。
高配当ETFは基本的にNISAで購入し、NISA枠を超えた分と高配当ETF以外を特定預かりとする予定です。
当然のことながら、配当は再投資に回します。
現在の投資方針は上記の通りですが、比率や他のETFも購入した方がいいなどございますでしょうか。
今後の資産運用の励みになりますので、三菱サラリーマン様からアドバイス頂けますと大変嬉しいです。
どうぞよろしくお願い致します。
ご質問ありがとうございます、大変恐縮です。
PFF:好み次第も、メインにはせずとも十分か
PFFは基本的には安定的なインカムを期待できますが、以下の特徴があります。
- リーマンショックでは、半値以下に暴落
- 弱気相場では信用収縮に至らなければ、一定の下方硬直性みられる
(コロナショック:信用収縮の有無が、値動き左右) - 高配当なるも、増配・株価上昇は期待薄
ご参考:【高配当ETF】PFFへ投資して、実際に感じる4つの特徴・注意点
これらに鑑みると、「メインの投資先というより、ポートフォリオの10%以下でも十分」と個人的には感じます。ちなみに私のPFF比率は、5%程度です。(もちろん、好みによるのですが)
今回のコロナショックのように、信用収縮リスクが意識されない暴落初期では、やはり底堅かったこともあり、「PFFを売って下げ幅の強い株を買う」というリバランス的な戦略も可能です。
ただ、これは投資対象の性質や傾向への理解・タイミングに左右されるため、中級者以上向けと言えそうです。
SPXL・SRET:あくまでサテライト
SPXL・SRETの長期的な回復にBETして、あくまでメインとせず、サテライト的に継続するという形であれば無難ですし、確かに面白いと思います。
ただし、どちらも、かなり特徴的なETFですね。そのため、メインの積み立て先としてはおすすめしづらい面があります。注意点もあるので、詳細は以下をご参考に供します。
SPXL:レバレッジ型ETFの長期積立を検討する際、認識したい3つの注意点
SRET:【SRET】配当7%超、モーゲージリート主体の高配当ETF
VYMを、もう1本の柱に据える
SPYDは、初の暴落実績となったコロナショックで、特徴的な動きを見せました。概してWTIへの感応度が、ほかのETFより高いですね。
ご参考:【SPYD深堀】SPYDをポートフォリオのコアとする際の懸念材料とは。
対照的だったのは、比較的値動きが緩やかだった、VYMでした。
SPXL・SRETにも投資されるということで、値動きが大きい投資先が見られます。そのため、直近の傾向に鑑みてその値動きの大きさのバランスを取る場合、PFFの代わりにVYMをもう1つのメインに据えるのが一案です。
なお、注意点として直近の値動きを重視しすぎるのも考えものです。「大きく下げた=ダメと断じず、局面によって反発も大きくなり得る、変動率が低ければリターンも小さい傾向であってきた」ことは頭に入れておきたいところです。
また、もちろん、VTIやVOOなど市場全体・平均的に投資するETFも一案です。他方、FIRE・セミリタイアをめざすのであれば、私はやはり高配当株ETF(VYM・HDV・SPYD)が向いていると思います。
なお、「VTIやVOOに投資して、資産の最大化を図ったあとに高配当株ETFへ転じるのはどうか」というご質問も別途ほかの方からいただいています。別記事で改めてご紹介しますね。
まとめ
最終的には、投資対象は「好みや価値観」にも多分に左右されるので、自分が心地よい投資対象に投じることになりますが、個人的には「PFFを減らして、VYMをもう1本の柱にする」と思います。そして、資産運用の根幹である入金力の最大化に努める形です。
>株式で資産運用するには、投資元本・運用資金を増やすことをまず意識したい
また、財形は財形で積み立てておく形が、やはり無難と思います。今回のコロナショックが象徴的だったように、相場はいつ何が起こるかわからないので、特定のものを信奉・BETしすぎることはリスクにもなり得ます。やはり分散は引続き肝要です。
セミリタイア・FIREを実現させ、ご自身の思い描いた生活を実現されることを、祈念しております。
FIRE達成には、支出水準も極めて大きな要素となるので、支出の最適化・価値観も意識してみていただければ、一助になるかと思います。
目標に向かって邁進する方の、ご参考になれば幸いです。
Best wishes to everyone!
以下、関連記事を再掲しておきますね。
ご参考:【高配当ETF】PFFへ投資して、実際に感じる4つの特徴・注意点
SPXL:レバレッジ型ETFの長期積立を検討する際、認識したい3つの注意点