明日は給料日。収入の8割をせっせと株式買付にまわす単純な作業。そうして配当収入の綺麗な右肩上がりのグラフが描かれていく。いかに若年期に投下資本を蓄積できるか、もうそれに尽きるんやで。
— 穂高 唯希|Yuiki Hotaka (@FREETONSHA) May 24, 2017
上記も示す通り、私がFIREに至るまで一貫して注力したことの1つは「投資元本の最大化」です。
そう考えた背景・理由について、記します。
株式投資や米国株に対する期待値を高くしすぎると不味。トータルリターンより原資の最大化に注力。
投資手法・投資対象は多々あります。
米国株に限っても、インデックス、個別株、高配当株、連続増配株、無配株、バリュー株、グロース株など多岐にわたります。
各人が自分に合っていると思う投資スタイルを採っていくわけですね。そこには試行錯誤あり、個々人の目標や思いが投資スタイルに注がれ、反映されます。つまり投資に対して「思い入れ」が生じる場合があるのですね。
ただし、「投資」とは、適度な距離をとった方がよいと私は思います。「投資と適度な距離を取る」とはどういうことでしょうか。
それは、「投資にそこまで期待しない」ということです。
株式投資に期待してよいリターンは概して4~5%程度と見積もるのが現実的かつ保守的な値と考えます。私がシミュレーションに使っていた期待リターンは概ね4~5%です(1990~2019年はインフレ分除く実質リターンで7.7%)。
株式投資や人間関係にも共通すると思いますが、期待値を高くする、あるいは多くを求めると、落差が生じると当人に覆いかぶさります。その対象が自分でコントロールできない領域(=株式投資におけるリターン)なら尚のことです。
リターンを追求するも良し。ただ、分水嶺の1つは原資や入金力の大きさ。
それでは、株式投資の期待リターンを4~5%と想定しておくということは、実際にどういうことが導出可能でしょうか。
「トータルリターン」と「入金力」の関係を認識しておく
例えば、毎月入金投資するケースで、以下2パターンを比較してみましょう。
- 23歳から、毎月 3万円(年間賞与20万円)積み立てる人、
- 23歳から、毎月10万円(年間賞与40万円)積み立てる人、
下図は単純化していますが、株式投資を仮に年率5%で続けていくと、両者は40歳でこれだけの資産額の違いが生じます。
- 23歳から毎月3万円(年間賞与20万円)を積み立てる人、
→ 1,648万円 - 23歳から毎月10万円(年間賞与40万円)積み立てる人、
→ 4,708万円
そして、仮に①の人が②の人と同じ資産推移を達成するには年率15%以上のリターンが必要になります。
30年間、年率15%以上のリターンを達成できる人は皆無と言って良く、そこを目指すことに労力をかけるのは微妙です。
- 米国株は手数料が日本株より高いとか、
- 税金が10%現地で徴収されるため手取りの配当金が少なくなるとか、
- トータルリターンがどうとか、
微に入り細に入れば種々あります。しかし私はそれよりも、
「もっともっとインパクトが大きいのは、毎月の資本投下をいかに大きくできるか」
これを最優先事項としていました。
確かに「投資に詳しくなって、リターンを1%でも上げようとする」のはそれはそれでもちろん立派なことです。
しかし、よほど才能がある人以外はリターンを劇的に上げることができる可能性は多寡がしれていると思いますし、そこに再現性はさほど期待できません。
米国株ETF・投資信託を選んだなら、あとは入金力
米国株の中でもVTI・VOO・VYM・HDV・VIGなど、ETFや投資信託はたしかに推せる投資対象です。しかしこれらETFの選択によって生じる差が資産形成の分水嶺になることはかなり稀です。分水嶺になるのはやはり入金力です。
私がFIREを過去に戻ってめざすなら、「毎月のキャッシュフローをいかに大きくするか」。やはりそこに傾注します。
収入の複線化、副収入の構築や、支出の最適化という基本的な方法論ですね。
注力する対象は、その対象が「素直に成果を反映するような、自分のコントロール可能な領域」であればなおさら、如実に差が出ます。
投資を始めると、”最適解”を求める旅に出たくなると思います。しかし私は、「投資に期待しすぎない」という心持ちを同時に勧めます。
投資は、過去からの傾向を語れるに過ぎず、未来は見通せません。数学的帰納法のように、n=1,2,3…で成り立つからn=自然数の時に成り立ちます!とは言えないわけです。抽出する期間によっても異なります。
私が一貫して注力したのは、入金力の最大化と、続けやすい投資の継続です。
これらの考えに至った背景は以下です。
あるブログとの邂逅
私が資産形成を始めた初期に目にしたブログが1つあります。その方の配当収入は税引後で1万ドル以上ありました。
当時それを見た瞬間に、「あぁ、これやなぁ」と思いました。資本主義の多くが凝縮されているような気がしました。
配当収入が税引後で1万ドル以上あるような状態になったら、むしろキャッシュフローを減らすことの方が難しいでしょう。
「おそらくこの方にとっては、リターンが3%であろうが5%であろうが、たいして気にならないんやろうなぁ」と当時思いました。
確かにトータルリターンは1%でも多い方がよいです。一方で、「元本が仮に100万円では1%上げても差異は1万円というのもまた真なり」です。
この事象をどう受け止めるかということです。当時の私はこう受け止めました。
「トータルリターンの最大化よりも、原資(入金力)の最大化に注力しよう」ということです。
これなら成果としてもわかりやすく評価できますし、入金力はある程度自分でコントロールできる領域ですね。
もう1つは、自分を律せるかという点です。その2つがすべてを決めると言っても過言ではないと当時おもいました。
いくら多額の資金があろうと、自分を律せなければ雲散霧消と相成ります。
以上のような観点も踏まえ、株式投資と向き合ってみるのも一案と思います。
Best wishes to everyone.
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一例として、重要な観点です。
CFDはレバレッジがかかったものですから、手練れな方が上手く運用すれば大きな果実を得ることは可能です。しかし、「家族や近しい人に勧められるか」という観点で言えばそれは否です。
「入金力を増やすための支出の最適化」の一例です。