米国株でCFD取引・信用取引についてどう考えるか

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個人的に信用取引を積極的にはおすすめできない

昨今の良好な相場環境に追い風も受け、色々なご意見があるでしょうが、よほど手練れの方でもない限りCFD取引・信用取引、つまりレバレッジをかけた取引というのはやはりリスクがあると考えますが、みなさまどうでしょうか。

以下ご質問を頂きましたので、「私がCFDで株式(ここでは米国個別株)を購入しない理由」を述べます。

三菱サラリーマン様

初めましてtoyotoyoと申します。

ブログを読ませて頂き、大変勉強になり感謝致します。

AT&Tの買い増しは、現物と解釈致しました。

そこで質問なのですが、CFDでAT&Tを買わない理由は何かあるのですか?

私も最近、米国株の配当に興味があり、まだ少額ですがCFDで7銘柄ほど購入してきました。

ご教示頂ければ幸いです。

ご質問頂き、ありがとうございます。

信用取引によるリスクの取りすぎは回避すべき

結論から申し上げますと、「外国為替証拠金取引(FX)でレバレッジをかけて取引してきた身としては、個人的にレバレッジをかけた信用取引全般に対して及び腰」というのがCFDをやらない理由になろうかと思います。

もちろん、資産運用は個々人に適したやり方がありますし、家族環境・経済環境・マクロ環境など様々な要素が入り込む世界です。

ですから、万人に共通する完成度の高い「単一の最適解」というのは中々ありませんので、信用取引それ自体を否定するつもりはありません。(あくまで個人的に及び腰というだけで、CFDは使いようによっては利を大きく伸ばせるものでもありますよね。)

ただ、あくまで個人的にですが、FXの経験から信用取引は好ましい投資対象・手法にはなり得ません。

自分でいかに意志が強いと思っていても、例えば地政学的リスクの顕在化のように大きな外的ショックがあると、相場同様に投資方針も予想外に脆いこともあり得ます。

FXでいかに「レバレッジを低めにして、着実に利益を上げよう」と思っていても、利が乗ってきて資産も増えてくると功を焦ることはあるものです。

その結果、ピラミッディング(相場上昇時に1取引目に5単位、2取引目に3単位、3取引目に1単位というように投資額を徐々に減らしていくこと)ならまだしも、トレンドに乗れている時はポジションを積み上げていき、リスクを取りがちになってしまうこともあるものです。

1回目ならまだ耐えうるでしょう。しかしこれが2回目・3回目を耐えたとして、いずれも「もっとポジションを持っていれば、もっと利益が出ていた」という結果になっていたらどうでしょう。

人間の心理としては、4回目は誘惑に負けていても不思議ではありません。これはやはり、人間は「どうせなら早くお金持ちになりたい」という心理が働いているからではないでしょうか。

相場好調時ほど、リスクを抑えられるのか

「勝って兜の緒を締めよ」とはその通りで、調子が良い時ほど人間は調子に乗りやすく、リスクも取りがちになります。

学生時代の話ですが、そういう調子の良いときに限って地政学的リスクが顕在化し、ユーロドルでロスカットをくらってそれまでの利益が一瞬にして雲散霧消したこともあります。「まさかここまで下落しないだろう」というところまで下落するのが相場というものです

良い意味で自分をあまり信用しないことも重要かもしれません。相場において自身が想定できることには限界があるのです。ただ、これもバランスが大切で及び腰になりすぎてもいけないし、過度にリスクを取り過ぎても不味。

調子が良い時ほどリスクを取りがちになるのは、FXやCFD取引・信用取引でなくとも言えることです。株式投資の現物投資でも同じですね。

リスク許容度は個々人の事情で異なる

よって、CFD取引に限らず、リスク管理はした上で個々人の事情に鑑みて投資方針を決める必要があります。

例えばリスク許容度については、以下のようなケーススタディが考えられます。

ケース1.もし自分が若年期に完全リタイアをしていて副収入がない状態であれば、現金比率は今よりかなり上げると思います。なぜなら、暴落した際に買い増せないからです。
ケース2.もしセミリタイアをして副収入があるのであれば、ケース1よりは現金比率を落とします。
ケース3.本業なり副収入が相当あれば、現金はほとんど持たないと思います。なぜなら毎月相当額のキャッシュ充填が見込まれ、暴落しても買い増しできるからです。
ケース4.既に資産ならびに配当収入が相当額あれば、買い増し原資は配当金収入で賄えますから、現金はやはりあまり持たないことも考えられます。あるいは過度にリスクを取る必要もないので債券比率を上げることも考えられます。

あくまで一例ですが、個人の環境によってリスク許容度は千差万別です。

更に、現金比率・債券比率以外にも、高配当株投資をしているか、グロース株投資をしているかという投資方針によっても変わってきますね。

ご参考になりましたら幸いです。

Best wishes to everyone!

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公開日:2018年7月30日