ソーシャルレンディングは、あくまでサテライト
読者の方からご質問を頂きましたので、以下の点について論じます。
- ソーシャルレンディングの仕組
- ソーシャルレンディングは投資対象になり得るか
いつも愉しく読ませていただいています。
最近は米国株メインで投資しているため大変参考になっており、 ありがとうございます。 ポートフォリオにJリートとソーシャルレンディング入れることは
いかがお考えでしょうか?これらの利回りは6-7% ある銘柄もあり、 リスク的にも米国株とそれほど変わらないと思います。 私には魅力的に見えるのですがご検討されたことはありますでしょ うか?
ご質問、誠にありがとうございます。
結論から申し上げますと、「私ならソーシャルレンディングはあくまで主な投資対象とはしない為、たとえやるとしても運用資金の5%以下程度での少額余裕資金でやる」ということになります。
ソーシャルレンディングの仕組み
それではまず、ソーシャルレンディングの仕組みを確認しましょう。
まず登場人物としては以下3者が存在します。
- 資金の出し手(投資家)
- 仲介会社(投資家と事業者を繋ぐファンド)
- 資金の借り手(事業者)
ソーシャルレンディングは、投資家と事業者を繋ぐファンドの運営会社がインターネット上で想定利回りなどの案件の詳細を掲示し、個人など投資家から資金を集めて、資金の借り手である事業者に貸し付けます。
株式で言えば、「証券取引所や株式市場が仲介機能を果たし、投資家が事業者である株式会社にリスク資金を供給する」と言えます。
ですから、仲介会社を株式市場または証券取引所と読み替え、事業者を株式会社と読み替えれば、わかりやすいかもしれません。
ソーシャルレンディングのメリット・デメリット
まずソーシャルレンディングのメリットで真っ先に挙げられるのはやはり高利回りを謳っている点です。更に、1万円など小口資金からでも投資を始められるので、資金量のハードルは高くありません。
読者の方も仰っている通り、6-7%、ファンドによっては年10%をうたうものもあります。年率10%の投資リターンですと、7年で元本が倍増しますから数値としては非常に魅力的と言えます。
しかしその反面リスクもあるわけで、投資をある程度やっている方であれば、この年10%というのは「相応なリスクを内包していて然るべき数字」と認識するような数字ではないでしょうか。
ソーシャルレンディングは黎明期、情報開示の拡充が必要
私がリスクだと感じる点は、少なくとも2018年7月18日現在では、投資家は資金の借り手である事業者の詳細な情報を入手できません。理由は、資金の借り手である事業者に情報開示が義務付けられていないからです。
これは株式投資に置き換えると至極おかしなことですよね。株式は証券取引所や金融庁による情報開示等のルールが整備されています。
投資家はその情報開示内容に則り、投資対象を選別し、事業会社にとってのリスク資金を供給することで自らもリスクを負い、適切なリターンを求めます。
その情報開示が義務付けられていなかったり、内容に不備があれば、投資どころではありません。借り手優位となってしまいます。株式市場はその歴史は長く、ソーシャルレンディングは未だ制度の整備途上と言えます。
現に、直近ではSBIソーシャルレンディングでは7月9日、運用する7つのファンドで予定した分配金の一部が支払えなくなったと発表。理由は、個人から集めたお金の貸付先(つまり、借り手の事業者)から利息が払い込まれなかったためです。
ソーシャルレンディング大手では、投資家から集めたお金を本来の使途と異なるものに流用したことが発覚し、行政処分となっています。
こういったリスクがある一方で、全てのソーシャルレンディング事業者が悪ではありませんから、当該リスクを考慮の上、あくまでメインの投資対象とはせず、少額の余裕資金程度なら許容できる感じではないでしょうか。
私自身は、引き続き株式やJリートを含むREITに投資をしていきます。
Best wishes to everyone!
ご質問にありましたが、Jリートには私も実際に投資をしています。インカムゲイン創出には株式とリートの両輪で取り組んでも良いぐらいでしょう。
コメント
外国株は配当所得控除が使えないのでは?そのへんはどうなんでしょうか?