最近、事あるごとに配当金という収入があって本当に良かったと心から思います。もう1つの生き方が出来る、いつでも今のムラ社会から脱却できる、そう考えるハードルを著しく下げてくれる本当に心強い存在です。4年かけて積み上げてきて、本当に良かった。配当金の積み上げは、やはり良いと思います。
— 穂高 唯希|Yuiki Hotaka (@FREETONSHA) July 18, 2019
サラリーマン時代に、給与のうちできるだけ多くの額で日米の高配当株・連続増配株を購入し続けることで、「配当金収入>生活費」の状態を実現することができました。
そんな私が感じる、配当金の魅力を紹介いたします。
配当金生活で実感する、配当金のメリット・魅力8つ、注意点
配当金、そして配当金を積み上げる投資の魅力を最近あらためて感じます。魅力と注意点は以下の通りです。
- 手間がかからない
- 再現性が高い
- 不労所得の可視化になり、経済的自由の達成度が明瞭
- 右肩上がり、モチベーション維持になる
- モチベーション維持により、長期投資を可能に
- ほかの生き方をするハードルが下がる
- セミリタイアとの高い親和性
- 配当利回りが一定の下落クッションになることもある
- 配当は、株主資本から株主への移動
- 配当に対する課税
- あくまで配当の主たる源泉は、利益であり業績
配当金の魅力①:手間がかからない
配当金は何せ手間がかかりません。
一度株式を保有しさえすれば、企業活動の継続により利潤が創出され、その利潤が株主に還元される限り、企業の株主資本部分から株主へ資本の移転(配当金の払い出し)が行われます。
そして自動的に証券口座に税が引かれて入金されます。
配当金の注意点①:株主資本から株主への移動
ただ留意しておきたいのは、配当金というのは打ち出の小槌ではなく、あくまで企業の株主資本部分から株主へ資本が移転するだけです。
理論上は配当金が吐き出される分、企業の株主資本が減るため、理論株価も同程度下がることになり、湯水のように新しい価値として配当金が湧き出てくるわけではありません。
ここは、高配当株投資をする際に、おさえておきたいポイントです。
いずれにしても、配当金が振り込まれることで定期的にキャッシュフローが生まれるわけですが、本当に手間がかかりません。
人生の時間は有限ですから、人生の時間というリソースを多大に割かずともキャッシュフローが創出されるのは、魅力です。
配当金の魅力②:再現性が高い
デイトレードなどの短期取引やスイングトレードと比べ、配当金を積み上げること自体の再現性は高いです。
私の配当収入推移でも示している通り、金額増加分の多寡の違いはあれど、毎月給与から一定額を株式購入にあてれば、配当収入は、軒並み保有銘柄の大幅な減配がない限り、着実に積み上がっていきます。(※ただし個別株は銘柄選別など、マニア・趣味化している人向けです)
VYM・HDVなど高配当株ETFであれば、銘柄選定の手間も不要なので、あまり株式投資に馴染みのない人にも取り組みやすいと思います。(ただし、高配当株ETFと言えど、一定の減配リスク・デメリットはあります。詳細は以下関連記事をご参照ください)
配当金の魅力③:不労所得を可視化、経済的自由達成具合が明瞭
配当金という不労所得の可視化により、生活費の何%が配当金でまかなえるのかを明確に把握できます。
つまり、経済的自由達成度が測れるわけですね。
- 配当金が月10万円
- 生活費が月20万円
ならば、経済的自由の達成具合は50%です。
配当金というのは、含み益などの未実現利益とは異なり、確定利益・実現利益です。配当を吐き出す形で、都度現金化され、ある種の利益確定になります。そのため、老後を迎えるまでは「いつ売却して現金化するのか」という出口戦略もさほど考える必要はありません。
「自分の目指す目標が生活費の何%で、現在何%なのかという道のり・達成度を把握できる」という意味で、モチベーションと今後の方向性を把握できます。
配当金という不労所得が月々の生活費を上回れば、語義上の経済的自由は達成されます。
ちなみに
「配当金>生活費」という図式が成立すれば、余剰分でさらに株式を購入することで、配当金を持続的に増やすことが可能になります。
この循環を作り出せば、自己増殖的に配当金が増える段階に入ります。この段階にいつ到達するのかが、資本主義を生きる人々にとって1つの分岐点と言えるかもしれません。
配当金の魅力④:右肩上がりのグラフを描き、モチベーション維持になる
人間がモチベーションを維持し続ける際に好適なのは、日々成長を感じることです。
- 「今日より明日、明日より明後日が良くなる」
このような確信や自信を持てる日々というのは、生活に彩りを与えます。
日々成長を感じるには、定量的なデータで以て対象を可視化することが好適ですね。
相場好調期には忘れがちですが、資産がただ減っていくのを見ているのは思ってる以上にキツいです。落ちていく株価をただ眺めているのは好ましい精神状態をもたらしません。
配当金は、それ自体が「下落局面でも買い増しする原資」になります。
「株価が上がれば資産額が増えてうれしい。株価が下がれば安く買うことで配当金を多く増やせるのでうれしい。」と思える点は、心理面でも、次なる上昇相場への布石という意味でも、一定の意義が感じられると思います。
資産を増やすために資産運用をやっているわけで、資産を増やすことは言うまでもなく大事です。
他方、着目対象としても精神的にも見える成果としても好適なのは、「日々変動する株価や資産」よりはむしろ、「株式の購入が増えれば、そのぶん増えていく配当金」を積み上げていくという考えもできます。また、理論と実践は別ですね。
明日は給料日。収入の8割をせっせと株式買付にまわす単純な作業。そうして配当収入の綺麗な右肩上がりのグラフが描かれていく。いかに若年期に投下資本を蓄積できるか、もうそれに尽きるんやで。
— 穂高 唯希|Yuiki Hotaka (@FREETONSHA) May 24, 2017
配当金の魅力⑤:そのモチベーションが市場に長く居座り続けるという長期投資を可能にさせる
株式投資はFXなどのゼロサムゲームと違い、プラスサムゲームであってきました。
投資期間が長いほど、複利効果に加え、
- 元本割れのリスクが下がり、
- リターンがプラスに収れんする、
という過去の傾向を、以下記事で確認できます。
ですから、「長期投資のモチベーション維持の仕組みづくりとして好適」な配当金は、長期投資にも好適である、という論理展開は可能です。
配当金の注意点②:配当に対する課税の存在
一方で、配当金には税制上のメリット・デメリットがあります。メリットは分離課税・配当控除を利用できること、デメリットは配当に課税されることです。
配当に都度課税されると、理論上は配当を出すたびにリターンを押し下げる要素にもなり得ます。(ただし、あくまで配当控除を無視した場合、および事業への再投資が効率的であるという場合に限るので、必ずしもそうとは限らないことに注意)
長期投資を続けられる仕組みを採るか、理論を採るか、そういう観点も1つの形です。
配当金の魅力⑥:ほかの生き方をする選択肢が増え、そのハードルが下がる
冒頭でのツイートの通り、特に会社員時代に事あるごとに感じたのが、この魅力です。
仮にこの配当金がなかったら、と思うと…。
生活費を上回る配当金があることで、会社に経済的に依存していないことを意味し、いつでも別の生き方ができることも意味します。
あとはタイミングの問題だけという状況であったこと、本当によかった。本当に。
配当金の魅力⑦:セミリタイア・FIREとの親和性が高い
セミリタイア後に実感しますが、配当金という定期的なキャッシュフローは、セミリタイアというに適しています。なぜなら、配当金という月々のキャッシュフローが読みやすいからです。
リーマンショックやITバブルでも減配しなかった連続増配株は米国企業に数多く存在します。それら株式からの配当金は、比較的確度を持って今後のキャッシュフローを見込めます。
私は年末が近づくと、翌年の配当収入の見込みを算出していましたが、ブレは少ないです。月々の収入を算出しやすいと、生活設計もしやすくなります。
ゆえに、サラリーマンからの給与収入がなくなっても、計算できる収入が配当金という形で存在します。
配当金の魅力⑧:配当利回りが一定の下落クッションになる局面があった
常にそうなるとは限りませんが、たとえば5%を超える水準で反発目安になるなど、実際に株価下落のクッション的存在を果たすことも局面・銘柄によってはありました。
実際に、2017・2018年の下落局面では、中でも公益株がその特長を顕著に発揮したことは記憶に新しいです。
また、配当利回りが反発目安になるケースも局面によってはあることから、押し目買い前提に限れば、買い時が比較的わかりやすいという側面になる局面もあります。
もちろん、常にそうなるとは限らないので、依拠しすぎるのは危険であることも申し添えます。
配当金の注意点③:あくまで配当の主たる源泉は利益であり業績
ただし、配当を多く出す銘柄であれば何でも良いわけでは当然ありません。堅調な業績・キャッシュフローがあってはじめて、配当持続性の担保要因になります。
ですから、配当の源泉はあくまで堅調な利益・キャッシュフローであることには留意が必要です。
配当金の魅力・注意点まとめ
以上まとめますと、配当金の魅力・メリットおよび注意点は以下の通り。
- 手間がかからない
- 再現性が比較的高い
- 不労所得の可視化となり、経済的自由の達成具合が明瞭
- 右肩上がりのグラフを描き、モチベーション維持になる
- そのモチベーションが市場に長く居座り続けるという長期投資を可能にさせる
- ほかの生き方をする選択肢が増え、そのハードルが著しく下がる
- セミリタイアとの親和性が極めて高い
- 配当利回りが一定のクッションになることもある
- 配当は、株主資本から株主への移動
- 配当に対する課税の存在
- あくまで配当の主たる源泉は利益であり業績、「配当を多く出す=良い投資先」とはかぎらない
以上、総合的に勘案して、各人に適した投資を探っていくことが一案になります。
なお、自らの経験上、配当金が人生の選択肢を増やしたことは、間違いありません。そしてFIREに至るまでは配当金を増やし続けてたことは本当に良かったと思います。これは実感として断言できます。
以上、ご参考になりましたら幸いです。
Best wishes to everyone!
逆に、高配当株(・配当金)の注意点・デメリットをまとめたものは、以下の通りです。