老後を控え、どのように株式の利益を確定し、配当金収入に切り替えていくか

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老後を控え、どのように利益を確定し、配当金収入に切り替えていくか

含み益というのは、未実現利益ですね。人生の最期を迎えるまで含み益を持ち続けていては、子女に遺産を残せても、自身の人生で活用することはできません。

老後を迎え、いずれは利益確定を考えていく際の、利益確定タイミングについて以下ご質問をいただいています。

ご質問

いつも楽しみに拝見しています。以下ご相談したくよろしくお願いします。

主に国内株を中心に20年以上株式投資をしています。当時購入したITベンチャー株(2銘柄)が、偶々ですが大きく値を上げ、当時投資した150万円がラッキーにも3000万円を超えるまでになりました。

しかし配当金としてはそれらは年間30万円にも至りません。その他若干の米国複数の銘柄を含めて年間配当は税抜きで100万円に近づいているものの、まだまだであります。

三菱サラリーマンさんであれば、含み益を抱えた銘柄は一旦は利確して、高配当の米国株にシフトして配当金を積むことをされますか

含み益を持つ株はまだ上がるのではとの期待もあるのですが、配当金を早く積みたいとも思い悩ましく思っております。

私の属性としては、定年まであと5年を切る状態であります。5年までに年間配当金は200万円弱までは積み上げたく思います。三菱サラリーマンさんの手法を学び、恐らくは実現できる見通しはあります。

しかし今含み益を持つ株を活用すれば、直ぐにでも実現できるとは思っていますが、決断ができずにいます。もし私の状況であればどう決断されますか?

以上

150万円が3000万円以上になるとは、凄いですね。長く市場に居続けるとそういうこともあることを示すような事例です。長期投資のメリットを最大限に生かせた成功例と思います。

テンバガーは、ウォール街の業界用語(スラング)に由来するもので、10倍株(大化け株)のことをいいます。

これは、元々は野球用語で、1試合で10塁打と驚異的な数字をあげることを意味し、それが転じて、株式用語では、株価が10倍になるくらい爆発的に上昇する銘柄(または上昇しそうな銘柄)のことを意味します。(出所:iFinance)

私なら

「利益確定して高配当米国株にシフトして配当金を積み増すか否か」という点に関して、私ならどうするか、ということですね。私なら利益確定します。

なぜなら、ご質問者さまがあと5年で定年を迎え、配当金をじぶん年金とするお考えだからです。

含み益というのはその名の通り未実現利益でしかないため、何らかの事象で急落することもあり得るのが個別株ですね。

なので、仮に残り5年間の定年を迎えるまでの段階で急落するようなことが起こると5年後に200万円という配当金の目算が狂ってしまいます。ご自身の運用目的やお好みを考えますと、避けたいところですね。

もちろんそれは同時に「更なる含み益拡大の可能性」を捨てることにもなりますが、目的が「老後で安定したインカムを得ること」であれば優先順位の問題になってきますね。

  1. 含み益が減るリスクを負って、リターンのさらなる増大に賭けるのか
  2. そうしないのか

というリスク・リターンをどう天秤にかけるかの二択でもありますね。

また、定年まであと5年で老後を迎えますと、高配当株の中でも出来るだけリスクを抑えた形で運用する方が無難ではあります(投資歴20年にて釈迦に説法と存じますが)。

リスク分散という点では、高配当株ETFや、資産保全の観点からは債券ETFやゴールドを混ぜるのも選択肢になってきます。ただし債券は、利上げ局面では債券価格が落ちます。

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株価で大きく資産が変動する老後をお望みでない限りは、

  1. 債券ETF(AGG・BND・LQD等)
  2. 短期国債ETF(VGSH
  3. 為替リスクを回避したければ、個人向け国債(変動・10年)
  4. ゴールド

などもお好みでトッピングした余裕を持ったポートフォリオを組むのも一案と思います。

ただし先述の通り利上げ局面では債券は弱い傾向があるため、現金やゴールドが代替分散先の選択肢になりそうですね。利上げ局面ならば、米ドルMMFの金利も上がるので一案です。

また、年齢を重ねるにしたがって、ポートフォリオは保守的なほうが安心ではありますね。

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ご参考になりましたら幸いです。

Best wishes to everyone.

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公開日:2019年3月8日