「長期投資で失敗しないための、投資情報との接し方」に関するご質問に、回答します。
特に相場が大きく動くときなどは、意識しておきたい点もあるかもしれません。
長期投資で失敗なきよう、投資情報との接し方とは。
題名: 投資情報との距離の取り方について
メッセージ本文:
三菱サラリーマンさま
いつもブログの更新がされるのを楽しみにしています。
今回、コロナショックで相場が大きく動きましたが、初の暴落体験で、色々な投資家やメディアから投資の情報収集を積極的にしていたのですが、情報の波に飲み込まれてしまいそうになる時がありました。
特に、色々な投資情報に接すれば接するほど、一喜一憂してしまう自分や咀嚼しきれない自分がいて、果たしてこれで良いのか、と思う時もありました。
投資を長期的に続けて失敗しないために、投資関連の情報との接し方について三菱サラリーマンさまの目線でなにかご教示を頂けますとありがたく思います。
曖昧な質問で申し訳ありません。何卒よろしくお願い申し上げます。
ありがとうございます。
長期投資をするにあたって、投資情報のインプットはほどほどでよいと思います。ポイントは以下の通りです。
- 「日々、株価が上がった・下がった理由」を意識する必要性は見いだせない
- 「各投資家によって目線が異なる」という大前提を認識しておきたい
株価がなぜ上がった?下がった? ← 時間もったいないです。
これはほぼ言い切ってもよいのではないでしょうか。
長期投資、つまり長期の成長に賭け続ける以上は、短中期的な事象を知る必要性は見いだしづらいことになります。
長期投資の目的とは、主に以下と思います。
- 長期で資産を形成する
- 頻繁な売買による手数料の損失を避ける
- 長期投資のメリット(リターンがプラスに収れんしてきた)を期待する
こういった目的であれば、日々の株価上下理由を細かく知る必要性は高くないでしょう。
投資を始めた当初は気になると思います。なんとなく気分がよいからかもしれません。10代の頃、そうだったと記憶しています。
経済通になったような、新たに探究する世界を発見したような、そんな悦に浸っている側面もあるかもしれません。もちろん、これ自体に経験としての意義がないわけではありません。
しかし、長期の成長に賭け続ける場合は、日々の株価はさほど気にする必要はないと思います。むしろ気にすると、特に始めたての方は売買したくなりかねず、当初の目的から外れることになりかねません。
投資家の目線は、多様
投資家と一括りに言っても、主義や方針など多岐にわたります。
最たるものとして、米国株に投資する人もいれば、日本株に投資する人もいて、新興国に投資する人もいます。
しかし、そもそもそれ以前に投資目的や目線が全く異なる投資家も当然いらっしゃいます。
- レバレッジの有無
- 投資対象
- 長期投資
- 短期投資
- モメンタム投資
- バリュー投資
- 順張り
- 逆張り
- 余剰資金でやっているのか否か
- 切迫度合
など様々です。特に逆張りの投資家は、見ている目線がまったく異なります。
良い悪いということではなく、それぞれ異なっていて当然です。
ただその際に1点留意しておいた方が良いこととして、各々の投資家で、見ているものが大きく異なるということです。
時間軸・着目対象という大きな違い
特に以下項目ですよね。
- 見ている時間軸(短期・中期・長期)
- 着目対象(資産・配当金・信用倍率など)
- 投資対象(国・セクター・ETF・個別)
上記要素によって、同じ相場状況であっても、やはり受け止め方が異なってきます。見ている部分が異なるからです。
たとえば、
- 1年後に現金化が必要な人と、
- 10年後に現金化が必要な人では、
方針や投資行動・受け止め方から相場に対する見解まで当然異なってきます。
見ている時間軸が違うからですね。ですから、そういう意味ではもちろん年齢も1つの要素になってきます。
そのため、無作為に「投資家」というカテゴリだけで、人々の受け止め方を見た場合、投資にあまりなじみのない方は特に、右往左往しがちなのではないかと思います。
ですから、こういった背景を踏まえて情報と接する必要があります。そして、情報にはポジショントークもふくまれます。これも意識しておきたいところです。
雑食的に見るより、的を絞る形も一案
以上、そもそもの前提として、特に相場が大きく動くときは、雑食的に情報を取るというよりは、ある程度は的を絞って情報を入れていく、インプットをしていく、ということは、ご質問者さまのような方には一案と思います。
そして、インプットもやりすぎると、特に投資になじみのない方々は多分わけがわからなくなるのではないかと思います。記載されている通り、情報過多で飲み込まれるような形です。ゆえに、情報媒体とある程度の距離を自分なりに取っておくということも一案になってきます。
環境は外的要因から形成されますが、一方で自分なりに整えられる範囲で整えていくことも、これまた重要であります。
これも1つの経験ですよね。けっして無駄ではないと思います。
一方、本記事はあくまで「原理主義的に長期の成長に賭け続けるスタンスの投資家」を対象とした記事です。
- 短中期で資産増をねらう、
- 長期的に資産をリスクにさらすことを避けたい、
- または長期投資でありつつもスタイルを柔軟に変化させることをいとわない
といった投資家の場合、情勢は刻々と変わりますから、主体的に情報を取捨選択しつつ、相場観をアップデートした方がよいと思います。
ご参考になりましたら幸いです。
Best wishes to everyone.
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