株価に一喜一憂しないことがなぜ重要なのか

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以下、長期投資を志向する方において、株価に一喜一憂するリスクと対策について、あらためて挙げておきます。

株価に一喜一憂しすぎると、高値掴み・狼狽売りに繋がりかねない

株式投資を行う上で避けたい行動の1つは、高値での購入、安値での狼狽売りと思います。

私も以前FXで値動きを追っていた経験からも、値動きに一喜一憂していると「値の調子がよい時(=高値)に購入し、値の調子がわるい時(安値)に売ってしまう」という好ましからぬ行動に繋がりがちです。

株式市場の下落局面・暴落局面では、「自身のポートフォリオの評価額が毀損されることに耐えられず、ついつい安値で手放してしまった挙句、結局それが底値だった」ということも、ままあるお話だと思います。

ただこれは人間の心理上、非常に陥りやすい行動であり、特に投資を始めたばかりの方々が頭ではわかっていてもついしてしまう行動かもしれません。

なぜなら、株価が上昇している時は

  • 「これだけ上がってきたのだから、もっと上がるかも」
  • 「もっと早く買っておけばこれだけの利益が上がっていたのに、買わなかったからその機会を逃した。今からでも買わないと」

などと往々にして思いがち、そして購入に至るパターンがありますよね。

そして、株価が下落している時は

  • 「こんなに下がるなんて…、どんどん資産が減っていく。このまま保有していると、更に減って最悪資産がほとんどなくなるかもしれない…」
  • 「今ここで売っておけば、更に下がった時に買い戻すことで、利益も狙える」

などと往々にして思いがち、そして売却に至るパターンがあります。

もちろん、それが結果的に良いこともあり得ますが、再現性は見いだしづらいです。むしろ結果的に良かったことが1度あると、味を占めて同じリスクを冒す危険性が高まります。

そしてそういったリスクは、レバレッジをかけている時など場合によっては一発退場や、再起不能なほどに損失を確定させてしまうこともありますから、わざわざ冒す必要性は高くないでしょう。

株価に一喜一憂しないための3つの方法

株価に踊らされないためには、慣れることが一番有効な対策ではあります。暴落も暴騰も経験すれば、未経験の時よりも冷静でいやすくはなると思います。

もっと根本的に言えば、ある程度の資産を築くなどして、金銭そのものに対する執着が薄れれば一喜一憂のしようがなくなりますね。

しかしこれは精神論になってしまいますので、その「慣れること」が難しいんだよ、と思う方もいらっしゃると思います。

それでは具体的な対策としては以下3つが主に挙げられます。

  1. 現金比率を高め、自分が耐えられる程度の資産運用額を探っておく
  2. しっかり分散を図る
  3. 過激な情報とは意図的に距離を置く

①現金比率を高めるなど、自身の心地よい運用額を探っておく

  • 債券ETF(AGGやBND、LQD)への投資
  • 現金比率を高める

ことで下落局面でポートフォリオの変動を抑えることができます。運用額や資産変動が大きくなければ、一喜一憂する可能性は相応に下がることが期待できます。

しかし、AGGやBNDなどの債券ETFは「利上げ局面やインフレ局面ではリターンは低調」な傾向あり、留意が必要です。さらに、現金比率や債券比率を高めると、「資産全体としてのリターンは長期では株式に劣後する傾向」という結果が過去統計上あり、その点もおさえておきたいですね。

②しっかり分散を図る

株式市場の下落局面で市場平均を上回る傾向があったようなディフェンシブと思しき銘柄やETF、インフラファンド等に分散する形もひとつです。

あくまで一例ながら、2018年10月の下落局面では、FANGなどに代表されるハイテク株から資金が流出し、逆に電力・生活必需品・ヘルスケアセクター・Jリートなどの銘柄群は上昇しました。

一方で2017年のようなハイテク株主導の相場ですと、ディフェンシブ株に資金は流入せず、株価は低空飛行が続くことには注意が必要です(さらに、過去ディフェンシブであっても局面や産業構造の変化によってはその限りでなくなることも)

結局は資産運用でなにを重視するのか、ということになりますね。

③過激な情報とは意図的に距離を置く

人間は、環境から影響を受ける傾向にあります。

情報のインプットそれ自体は有用ながら、無意識下で影響を受けがちです。影響されがちな方は意図的にメディアや情報源と少し距離を置くことも一案です。

メディアは基本的に下落を率で表さず下げ幅で表現するなど、ヘッドラインは煽情的になりがちです。営利企業ですからそれは詮無き一面かもしれません。

またSNSは、時に過激な情報や文言・主張が飛び交います。投資を続けていく際に重要なのは、過激な情報ではなく、冷静かつ客観的な情報です。

心穏やかに投資を続けたければ、これら情報源と意図的にすこし距離を置くことも一案になってきます。また、あまり投資に熱をあげすぎないことです。

私たちには日常生活があり、お金より大事なこともある、これもまた1つの側面であり事実ですね。

株価に一喜一憂するリスクと対策まとめ

株価に一喜一憂していると、往々にして狼狽売りに繋がりがちです。ですから、一喜一憂しにくいポートフォリオ・仕組みが重要と思います。

そのためには、

  1. 現金比率を高め、自分が耐えられる程度の資産運用額にする
  2. しっかり分散を図る
  3. 過激な情報とは意図的に距離を置く

②は考え方次第ながら、①ほどリターンを大きく毀損することなく、ある程度計算できるキャッシュフローが見込め、それは下落時の買い増し原資にもなるので、長期投資を行う上で一案と感じます。

資産運用や株式投資は人生の選択肢を増やす可能性を秘めたものです。それ自体が目的にならないよう、株価にあまり踊らされず、自分の状況に応じて適度な距離で続けていきたいものですよね。

Best wishes to everyone!

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公開日:2018年11月5日