インフレ懸念が再燃する指標が相次ぐ
昨今、以下に挙げる米国の経済指標はすべて市場予想を上回っています。
発表値 | 市場予想 | |
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2月総合PMI | 50.2 | 47.5 |
1月雇用統計 | 51.7万人増 | 18.5万人増 |
1月CPI | ↑6.4% | ↑6.2% |
1月小売売上高 | ↑3.0% | ↑1.8% |
昨夜はこれらに加え、FRBメンバーがインフレ指標を見るうえで重要視している「PCE物価」も、市場予想を上回りました。下表に示します。
発表値 | 市場予想 | |
---|---|---|
1月PCE物価(総合) | ↑5.4% | ↑4.9% |
1月PCE物価(コア) | ↑4.7% | ↑4.3% |
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インフレ再燃シナリオ→株安・ドル高
つまり、2023年2月に入ったあたりから、以下のような流れです。
- 以前
弱い経済指標 → インフレ鈍化 → 年内利下げ予想 → 金利の先安観 →株高・ドル安 - 昨今
強い経済指標 → インフレ懸念が再燃 → 年内利下げ観測修正・利上げ長期化懸念 → 金利の先高観 → 株安・ドル高
株式は簡略化していえば、業績と金利に影響されるため、金利に先安観が生じると株価には支援的です。反対に、金利に先高観が生じると、株価には悪材料です。
S&P500のチャートを見てみましょう。2月に入って金利の先高観が生じてから、米国株は反落しています。
今まで年内の利下げ観測があり、投資家心理も楽観的という状態でした。その状態でこうして高金利継続リスクが表面化したことで、投資家心理は悪化し、株安という流れです。
今後、インフレ鈍化指標が連続的に出てこない場合、株式の上昇スピードはいったんは鈍化または反落というシナリオを引き続き想定し、一部空売りヘッジとドルが上昇したところでドル売り(つまり為替ヘッジ)を現時点では継続予定です。ただし、繰り返しながらあくまで短中期目線です。
空売りは、基本的に、利益は「最大で投資額以下に限定される」のに対し、損失は無限大という性質があります。そのため、一般的に広くおすすめできる投資手法ではないこと、繰り返しながら申し添えておきます。またレバレッジをかける商品は、時を追うごとに徐々に減価する性質であることも併記しておきますね。
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