「投資が初めての初心者でも可能な米国株ETF投資の方法を教えて欲しい」というご質問がありましたので回答申し上げます。
結論から申し上げますと、初めての方にもおすすめできる投資法・スキームとしては、以下通りです。
1.住信SBIネット銀行で定期的にドルを購入
2.SBI証券でETFを定期買付
証券会社はネット証券3社(SBI・楽天・マネックス)であれば大差なく、後述の通り3社3様の強みがあります。
ただ、SBI証券には、投資にあまり慣れない方に好適な「ETFの自動積立サービス」があることから、SBI証券を推します。更に、為替手数料の安さは住信SBIネット銀行が頭1つ抜けています。
投資初心者でも出来る米国株ETF投資のスキームとは
初心者向けの米国株ETF投資のポイント
初心者でもできる米国株ETF投資におけるポイントは、投資初心者の場合、出来るだけ自分の意志を意思決定に介在させずに機械的に積み立てることです。
人間は心理的に損失に過敏に反応し、収益を得ると過度な楽観に陥りやすいです。この心理メカニズムは、投資結果に悪影響を及ぼすことが多いです。三菱サラリーマンも10年以上に及ぶ為替取引で実際にそう感じました。
この悪影響を防ぐために、ドルの購入もETFの購入も定期的に買い付けることが良案になり得ます。時間分散によるリスク平準化を図ることで、平均点を狙う投資方針ですね。
余程投資が趣味化している人でない限り、平均点を狙う方策で十分です。というか、結果的にその方が個別株にこだわるよりリターンが高まる可能性も高いでしょう。
上述2点のポイントを1つずつ以下見ていきます。
1.住信SBI銀行で定期的(例えば毎月25日など特定の日)にドルを購入
なぜ住信SBI銀行?
→円でドルを購入する際の為替手数料が安い
なぜ定期的にドルを購入?
→上述の通り、機械的に定期買付とすることでリスクを平準化
住信SBIネット銀行は基本的に米ドルの為替手数料は4銭と安いのでおすすめです。キャンペーン中なら0銭から2銭の時期も多々あり、私もドル転は住信SBIネット銀行を利用しています。
尚、マネックス証券・楽天証券は為替手数料は25銭です。(現在マネックスは期間限定 2019年7月8日~2020年1月7日約定分に限り無料)
2.SBI証券でETFを定期買付
なぜSBI証券?
→定期自動積立サービスがあるから
なぜ定期買付?
→上述の通り、機械的に定期買付とすることでリスク平準化
ネット証券会社は手数料が軒並み安く、楽天ならば楽天ポイントによる投資、マネックスなら指値期間が長く、SBI証券なら自動積立サービスがある等、それぞれ特徴があります。尚、手数料は3社とも同水準です。
機械的に定期自動積立したい場合は、SBI証券の一手でしょう。同証券の自動積立サービスは、最初に月中の積立日・積立金額等を設定しておけば自動的に買い付けてくれるので好適です。
それでは次に以下ご質問者さんの不安な点について回答申し上げます。
題名: 米国ETF投資について
メッセージ本文:
こんにちは!いつもブロクを拝見させて頂き勉強をさせて頂いてお
本日は、尊敬する三菱サラリ-マンさんに今後の投資についてご指
当初、インデックス投資で十分と考えておりましたが、物足りなく思い始め、プラスαの投資を行いと考える様になりまし
日米問わず、個別株は正直怖いので、やはり投資信託かETFが最
そこでご相談ですが、米国ETF投資を始めるに当たって、投資初
不安な点は下記の通りとなります。
①「円」ではなく「ドル」での資産購入になると思いますが、為替の関係やドル転時の注意点
②実際にドルにてETFを購入する際の点、(指値や成行・買い付
③特定口座での運用になると思いますので税金はどうなるのか特に外国税控除はやるべきなのか
④今後、ETFを積み上げて行き、資産が増えた時に為替が大幅に乱れた場合は資産にどんな影響があるのか
⑤トータルリタ-ンは企業型DCやつみたてNISAで求め、ET
配当金を求めた方が賢明なのか
⑥債券ETFは必要なのか
⑦ETF投資の出口戦略はどうすればよいか
以上となります。
投資信託は円で外国資産が買えるので解りやすいのですが、ETF
案ずるより産むが易しというのは十分解っておりますが、大先輩たる三菱サラリ-マンさんのアドバイスを頂戴出来れば幸い
大変恐縮なお願いで申し訳ありませんが、何卒、宜しくお願い致し
ではご質問者さんの不安な点を1つずつ回答申し上げます。
1.為替の関係やドル転時の注意点
まず為替は読むことは困難です。
大まかなレンジや方向性を購買力平価や金利平価説から推測できたとしても、為替を正確に読むことはまず困難です。
為替を正確に読める人が仮にいたら、それは類稀なる超能力者か特殊技能か中央銀行関係者か商材屋さんの可能性も。。
まず「為替は読めない」という前提に立って取引しましょう。私も14歳から為替チャートとにらめっこしてきましたが、正確に読むのは無理です。そこに時間を割くのは非効率と積極的な諦観をしましょう。
2.ドルでETFを購入する際の注意点
SBI証券では円で直接米国株・ETFを購入可能です。しかしこの場合、円貨で購入すると、自動的に為替手数料が25銭となるため、住信SBIネット銀行の4銭より損です。
なので、円で直接買い付けず、必ず以下手順を踏むようにしましょう。
1.住信SBIネット銀行でドル購入
2.外貨入金でSBI証券に入金
3.SBI証券で円貨購入ではなく外貨購入
3.税金はどうなるか。外国税控除は適用すべきか。
米国株の場合、一部株式(フィリップ・モリス)やADR銘柄など一部の銘柄以外には、10%の米国の源泉徴収税が課されますから、日本株やJリートと比べると源泉徴収される額が大きくなります。が、その他の収入にもよりますが、一部確定申告で返戻されます。
外国税控除は当人の収入如何にもよるので、こちらは税務署で確定申告の際に直接確認することをおすすめします。
4.為替が乱れた場合どのような影響があるか
米ドル安・円高となった場合、円建て資産は減少します。
米ドル高・円安となった場合、円建て資産は増加します。
特に直近の金融危機であるリーマンショックでは、ドル円が大幅に下落した上に、米国株も大幅に下落した為、株式自体の評価額の下落のみならず、円高による円建て資産の目減りというダブルパンチで資産が減少することになります。
ドル円が50%下落し、米国株も50%下落すると、円建て資産価値は一気に1/4になりますから、そのようなことはあり得ると心に留めておいた方が良いです。
株式投資をするということは、このようなリスクに常に面しているということですね。この点は認識しておく必要があります。
5.ETFでは配当金を求めた方が良いか
これは個々人の嗜好によります。三菱サラリーマンは断然配当金を求める派です。理由は以下記事に詳述していますので、よろしければご参照ください。
関連記事:配当金が不労所得を可視化し、長期投資を可能にする【自動利益確定装置】
関連記事:【配当金のメリット】配当金という不労所得があって本当によかった【魅力】
6.債券ETFは必要か
債券ETFはポートフォリオの保守性を高めるには有力な選択肢になり得ます。また、利上げ打ち止め期近傍(債券価格が相対的に低い時期)に購入できれば尚良いですね。
ただし、伝統的に債券は株式よりリターンが劣後することが判明しています。よって、リターンは毀損するものの、リスクも限定的という性質であるのが債券であり、その集合体の債券ETFです。
おすすめできる債券ETFは以下記事で詳述しているAGG・BNDです。ご参考に供します。
関連記事:【おすすめ低リスク運用】AGGとBND、米国債券ETFはどちらが良いか
7.ETF投資の出口戦略はどうすれば良いか
人生設計やまとまったお金が必要な時期に手元資金などでは足りない場合、ETFを現金化する必要が出てきます。
また、老後を間近に控えている場合、長期的に上昇を描いてきた米国株といえど10年以上にわたって低迷した時期もあったので、老後までには一部売却して債券ETFに移すなどの施策も人によっては必要になってきます。
しかしそのような場合を除けば、特に若年期においては基本的に売らずに長期保有が理想的です。(ただしこの論は、30年などの長期低迷がなく、右肩上がりが前提)
過去右肩上がりであってきた米国株が今後も右肩上がりを描くことを自分に納得させられるだけのファクトがあるか、あるいは信じることが出来るか、このあたりが出口戦略を決める要素にもなってきます。
よほどの新常態がない限り、今後も長期的には堅調な推移が期待できるという前提に立って、私も投資をしてきました。なんなら横ばいでも配当をしっかり吐き出してくれれば御の字というスタンスです。
「いかに勝つか」というより、「いかに負けないか」。これがFXから移行する時に考えたことです。この心持ちは良い循環をもたらしていると思います。
初めての方におすすめの米国株ETF投資まとめ
以上、初心者にもおすすめできるETF投資のポイントと注意点を述べました。
1.住信SBI銀行で定期的にドルを購入
2.SBI証券でETFを定期買付
ポイントは、投資にあまり馴染みがない場合、出来るだけ自分の意志を意思決定プロセスに介在させないことです。
それが最も平均点をとれる手法であり、むしろ必死こいて銘柄研究した個別株よりリターンが高くなる可能性も十二分にあります。
そして何より自動積立サービスを利用することで、人生の有限な時間をあまり割かずに継続できる点も魅力でしょう。
ご参考になりましたら幸いです。
Best wishes to everyone!
高配当株・連続増配株マニアである三菱サラリーマンが感じる、配当金の素晴らしさです。
最も好みのETFは、高配当株ETFです。
自動積立ではなく、購入タイミングを図りたい方は、以下をご参照ください。
コメント
いつも楽しく拝見しております。
今回の記事参考になりました。私はSBI証券のFXでドルを買い付け、現引きすることで証券口座に入金して米国株を買い付けておりました。
今回の記事で、SBIネット銀行が4銭と安価であることが確認でき、まだまだ自分の不勉強さ、情報収集能力の無さを感じております。
(SBIのFXのスプレッドは5銭です。)
今後も有用な記事を期待しておりますので引き続きよろしくお願い致します。