「機械的に定期的にETFなどを積み立てることで時間をかけず、ゆったりと資産形成をしたい」方々もいる一方で、「なるべく株価が安い時に買い、少ない原資で少しでも多く配当金をもらいたい」という方々もいらっしゃると思います。
そこで、米国高配当株ETFの押し目買いの目安を考えてみます。
米国高配当株ETF【VYM・HDV・SPYD】の購入タイミング・買い目安の基準とは
高配当株ETFの上昇相場での押し目買いの目安として、以下2つの観点が1つの参考材料にはなります。あくまで目安に過ぎないので、注意点も後述します。
1)配当利回り
2)VIX
更に分解すると、以下4つのタイミングに分けられます。
1-1)配当利回りが平均値を超えた時
1-2)配当利回りが一定値を超えた時
2-1)VIXが20を超えた時
2-2)VIXが30を超えた時
配当利回りから見る買い時の目安【VYM・HDV・SPYD】
以下はあくまで、過去の特定期間において機能した目安です。
そのため、今後も機能するとは限らないことにご留意ください。
VYM
VYMにおける配当利回りから見た参考値は以下の通りです。
1-1)配当利回りが平均値を超えた時
→ 配当利回りが少なくとも3.13%を超えた時
1-2)配当利回りが一定値を超えた時
→ 配当利回りが3.5%を超えた時
下図はVYM設定来の株価推移と配当利回りの推移です。
配当利回りは、2009年3月5日と3月9日に過去最高の6.29%を記録。2011年2月18日と3月3日に配当利回りは過去最低の2.45%を記録。
設定来から2019年4月に至るまでの平均分配利回りは3.13%(上図赤線)。これが買い水準の目安です。また過去10年間では配当利回りが3.5%近傍まで達すると反発した傾向から、この水準も目安にはなり得ます。
平均配当利回りである3.13%を超えた時期を上図ピンク色の枠で囲っています。配当利回りが3.13%を超えた時期はいずれも株価の良い押し目になっていたことがわかります。
ただし、もちろん過去の傾向でしかなく、今後のトレンド次第では機能しなくなる可能性もあるためご注意ください。
HDV
HDVにおける配当利回りから見た買い時の目安は以下の通りです。
1-1)配当利回りが平均値を超えた時
→ 配当利回りが少なくとも3.4%を超えた時
1-2)配当利回りが一定値を超えた時
→ 配当利回りが3.8%を超えた時
下図はHDV設定来の株価推移と配当利回りの推移です。
HDVの配当利回り平均値は3.4%ですので、この値が1つの目安になります。更に上図過去推移に鑑みると、3.8%が一応の更なる目安となるでしょう。
SPYD
SPYDにおける配当利回りから見た買い時の目安は以下の通りです。
1-1)配当利回りが平均値を超えた時
→ 配当利回りが少なくとも4.15%を超えた時
1-2)配当利回りが一定値を超えた時
→ 配当利回りが5%を超えた時
下図はSPYD設定来の株価推移と配当利回りの推移です。
設定来から2019年8月4日における配当利回りの平均値は4.15%です。少なくとも配当利回りが4.15%を上回っている局面で狙いたいところです。
また、2018年末の下落局面では12月24日に配当利回りが5.0%に達しています。
ただし、こちらも暴落局面では配当利回りは目安にもならず機能しないため、ご注意ください。
VIX指数から見る買い時の目安【SPYD・VYM・HDV】
これら高配当株ETFを買い付ける際には、VIX指数も参考になります。
VIX指数とは、S&P500のオプション取引の値動きを元に算出される数値で、別名「恐怖指数」とも呼ばれ、投資家心理を示す数値として利用されています。
冒頭でも述べた通り、過去10年に限ったVIX指数から見る押し目買いの基準となったのは以下の通りです。
- VIXが20を超えた時
- VIXが30を超えた時
下図は、①VYMとVIXの関係、②HDVとVIXの関係、③SPYDとVIXの関係を示したものです。
これらを見ると、買いタイミングとしては少なくともVIX指数が20を上回った時を照準に定めたいところです。特にVIX指数が30を超えた時は同期間では買い場であったことがわかります。
VYMとVIXの相関性
HDVとVIXの相関性
SPYDとVIXの相関性
米国高配当株ETF【VYM・HDV・SPYD】の買うタイミング・目安まとめ
執筆時点における期間にかぎりますが、まとめると以下の通り。
1-1)配当利回りが平均値を超えた時
→ 配当利回りが少なくとも3.13%を超えた時
1-2)配当利回りが一定値を超えた時
→ 配当利回りが3.5%を超えた時
1-1)配当利回りが平均値を超えた時
→ 配当利回りが少なくとも3.4%を超えた時
1-2)配当利回りが一定値を超えた時
→ 配当利回りが3.8%を超えた時
1-1)配当利回りが平均値を超えた時
→ 配当利回りが少なくとも4.15%を超えた時
1-2)配当利回りが一定値を超えた時
→ 配当利回りが5%を超えた時
・VIXが20を超えた時
・VIXが30を超えた時
ただ、リーマンショック級の暴落となると、上述した目安は効力が低減しますし、押し目買い狙いである以上、長期的に右肩上がりであることが前提条件になります。
配当利回りはかつてない数値まで高まる可能性もありますし、VIXもリーマンショック時は80まで上昇しましたから、30を大きく超える可能性もあります。
よって、基本的に上で挙げた数値というのは、上昇トレンドの押し目買いに適するであろう数値と言えます。
よかったら参考にしてみてください。私もセミリタイア後は、ある程度タイミングを狙っていくつもりです。
Best wishes to everyone.
米国高配当株ETFのリスクについて論じたものです。
遠い将来の配当を得たい場合は、VTIやVIGも選択肢になります。
配当金の魅力については、以下の通りです。
コメント
穂高様
先日情報セブンディズで拝見し、穂高様がメディアにも出ていくようになり更に応援しております。
それも一重に丁寧なブログ・読者に対してのきちんとした対応でファンが増えていると確信しております!
本も購入致しましてとても参考になりありがとうございました!
さて、初心者で大変失礼な質問ですがどうしても分からず・・・質問させてください。
定期買付けでは、なくできればタイミングを見て(資金がまとまりしだい)SPYDやVYMを購入したいと考えております。
昨年SPYDが配当を大幅に下げるなど後から情報を得たのですが、米国ETFはどのタイミングで配当(年間配当額?)が公表されるのでしょうか?
また、穂高様のこの投稿のように配当利回りが平均を超えた時に買い付けをすると書かれてありますが、、
VIX含め 詳しくどのようにして調べれば(計算すれば)よいのでしょうか?
本当に初心者の質問で大変失礼を承知ながら質問致しました。どうかお許しください。
そしてお手すきの際にご返信頂けたら大変嬉しいです。
今後ともブログ共に応援しております!
[…] + 詳細はこちら […]