【上場インデックスファンド豪州リート】オーストラリアのリートを買うなら現状このETFか
上場インデックスファンド豪州リートは、日興アセットマネジメントが組成する「円換算したS&P/ASX200 A-REIT指数の変動率に一致させることをめざす上場投資信託(ETF)」です。
豪州の商業施設・産業施設・オフィスリートなど19銘柄を組入れています。
まず豪州という点について。
豪州と米国には「先進国で、人口成長が続いている国」という共通点があります。
加えて、豪州は経済が安定しています。
信託報酬は0.48%ということで、米ブラックロックが組成する【IYR】米国不動産ETFの0.47%と同水準です。
後述しますが分配金利回りは概ね3.5%程度で、価格推移は安定的です。分配金は偶数月の18日前後に出ます。
【上場インデックスファンド豪州リート】安定した基準価額、堅調な分配金推移
当該ETFの分配金推移を見てみましょう。
下表の通り、基準価額もここ数年安定的な推移を見せています。まったりした値動きを望むなら好適になり得るETFです。
2011年の設定日以来、7年間で基準価額は1.6倍、分配金を加えれば2倍近くと十分でしょう。
分配金利回りは概して3.0~3.6%。4.0%台に乗せる局面があれば多めに買いたいところです。
【上場インデックスファンド豪州リート】豪州経済の俯瞰、個人的には好きなETF
オーストラリアは先進国の中では相対的に財政状況は良好、資源市況や中国経済に左右されるものの、依然BHPビリトンやリオ・ティントなどブラジルのヴァーレと並んで寡占状態の資源メジャーも擁し、経済的には比較的安定しています。
豪州メジャー勢は石炭アセットを売却し、優良鉄鉱石案件に絞り始めていましたね。
豪州経済は中国との結びつきが深く、その鉄鉱石の輸入規模が圧倒的に大きいのも中国、その後に日本や韓国が続きます。
中国の宝山鋼鉄・鞍山鋼鉄・首都鋼鉄・馬鞍山鋼鉄などの中国製鉄会社、そして日本の新日鉄住金・JFE、韓国のポスコが、豪州資源メジャーのBHPやリオティント・FMG(フォーテスキュー)にとっての大口の需要家です。
お国柄という点では、自国の生態系や独自ルールも重視するお国柄と言えます。
貿易においては害虫対策として燻蒸対応が厳しかったり、寄港する船舶に対する品質基準も厳しいです。農業国ならではの1つの性質とも言えるかもしれませんね。
中国からの移住先としても人気の高い国の1つです。英語圏で、土地も広く、既に移住している中国移民も多く、自然豊かということで北京大学の友人で豪州へ移住した人もいました。
現状、オーストラリアの不動産セクターへの投資手法としては、このETFぐらいしか有力なものはないという認識ですので、直接投資をする以外には当該ETFが代替手段になり得ます。
直近1年間の分配金基準ですと、利回りは3.6%程度、豪州REITということを踏まえますと少し物足りない水準に見えますが、基準価額が堅調ですので過度に分配利回りを気にする必要はないかもしれません。
現在は円安も進んでおり、基準価額も上昇傾向にあるので、利回りが4%程度になれば買い増しを検討しても良い水準です。
Best wishes to everyone!
米国不動産ETF【IYR】です。豪州と同じく価格推移は堅調で分配金水準も高いです。
リートは中国にもあります。香港株として上場しているスプリングリート(春泉信託)で、買い時が良ければ素晴らしい投資対象です。
豪州にはウエストパック銀行という豪州四大銀行の一角を占める高配当株もあります。配当利回りが7%程度まで高まっています。