【SPYD】配当3.4~9%、近い将来に高配当を得たい人に【米国高配当株ETF】

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【SPYD】SPDR ポートフォリオS&P 500 高配当株式は、近い将来に高配当を得たい際の選択肢

SPYDは、分配利回りが平均して4.5%ほどある米国高配当株ETFです。

100万円投資すると、年間およそ3万円の分配金が得られたことになります。

ETFとは

ETFとは、色んな企業の株式の「詰め合わせセット」です。個別株や投資信託とのちがいは、以下の画像をご覧ください。

ETFへ投資することで、個別株のように1社1社の決算を分析せずとも、「安い手数料で、手間なく、分散投資」ができます。

高配当株ETFとは

SPYDは、ETFのなかでも「分配金を多く出すETF(=高配当株ETF と言います)」です。以下画像をご参考ください。

こんな人に向いています

さて、SPYDについては、以下のようにまとめられます。

こんな人に、おすすめです
  • 今後も米国企業に賭けたい
  • 「近い将来に5%ほどの高配当を得ること」を優先したい
  • 株価の変動は多少大きくてもよい
  • 元本の取り崩しに抵抗あり、配当金を出口戦略にしたい
  • 配当金で生活の足しにしたい、副収入がほしい
  • 税負担の先払いはさほど気にならない

こんな人には、おすすめしづらい
  • 購入タイミングをねらわず、定期つみたてがいい
    →「インデックス投資」なども一案
  • 3%ほどの高配当で、株価・増配の安定感がほしい
    →「VYM」が一案
  • 米国への集中投資は避けたい
    →「全世界株式」が一案
  • 分配金には興味がない
    →「投資信託(分配金なし)」が一案
  • 税負担をできるだけ先送りしたい
    →「投資信託(分配金なし)」が一案

人によって投資目的や好みは千差万別ですね。目的に合わせて「手段」となる投資対象を選んでいくことが肝要かと思います。

ご質問

はじめまして。私は2018年から投資を始めた初心者ですが、米国株投資を始めるにあたり、三菱サラリーマンさんのブログから大いに影響を受けたものです。

特にFXのご経験を基に精神的な面も含めてインカムを積み上げた姿勢には説得力があり、共感しております。

私の投資方針としては、基本的にVYMやVEUなどで、インカムも取れる世界株式で運用したく、VHTなどもいいなぁなどと思っているところです。

ところで最近、ブログなどで、米国ETFのSPYDの記事を目にします。

まだ設定から間がないですが、インカムもかなり取れて、2019年トータルでの成績もVTIなどと遜色なく、不動産セクターも多いのでチェックされているのではないかと勝手に思っておりますが、どう評価されていますか。

お忙しいとは思いますが、お時間あるときにお考えを教えて頂けると参考になります。よろしくお願いします。

過去の傾向

SPYDの特徴は、下表の通りです。

特徴と過去の傾向
① S&P500構成銘柄のうち、配当利回りの高い約80銘柄に均等分散
米国高配当株ETFの中で、最も高い分配利回り
コロナ前はリターン〇コロナ後はリターン△
④ 株価の変動がVYMより大きく、購入タイミングをねらう戦略が一案
設定日が浅く、配当・株価の過去データ少なめ
コロナショックでは、株価は弱かった

それでは、SPYDのポイントを以下の通り見ていきます。

  1. 構成銘柄
  2. セクター比率
  3. 株価
  4. 分配利回り
  5. トータルリターン
  6. 暴落での動き
  7. 分配金

① 構成銘柄:変動が大きい

SPYDは、「S&P500構成銘柄で配当利回りの高い上位約80銘柄に、均等に分散した比率」で構成されます。

そのため、たとえば下表のように、同じような比率で均等に分散されていることが特徴です。

2019年1月 比率 2020年1月 比率
AES Corporation 1.6% Nordstrom Inc. 1.7%
Realty Income Corporation 1.6% AbbVie Inc. 1.6%
Welltower Inc. 1.6% Newell Brands Inc 1.6%
Apartment Investment and Management Company Class A 1.5% Western Union Company 1.6%
HCP Inc. 1.5% Leggett & Platt Incorporated 1.6%
Procter & Gamble Company 1.5% Seagate Technology PLC 1.5%
UDR Inc. 1.5% Campbell Soup Company 1.5%
American Electric Power Company Inc. 1.5% Kellogg Company 1.4%
FirstEnergy Corp. 1.5% AT&T Inc. 1.4%
Exelon Corporation 1.4% Weyerhaeuser Company 1.4%
  • 構成上位銘柄は一変しています。2021年以降も同様に顔ぶれは変わっています。
  • 均等分散であり、上位銘柄は順次変動するため、参考程度

② セクター比率:不動産が多い傾向

2019年1月 比率 2020年1月 比率
不動産 25.5% 不動産 17.6%
公益事業 22.1% 一般消費財 16.9%
一般消費財 10.5% エネルギー 11.9%
生活必需品 8.7% 公益事業 10.6%
エネルギー 8.2% 生活必需品 10.2%
IT 5.9% 金融 9.8%
金融 5.8% 情報技術 6.8%
通信サービス 5.0% 通信サービス 5.4%
ヘルスケア 3.8% 素材 5.3%
資本財 2.3% ヘルスケア 3.0%
素材 2.2% 資本財 2.4%
  • 2019・2020年は不動産が多めでした。2023年も同様の傾向です。
  • 均等分散ゆえにセクター比率も順次変動、参考程度

③ 株価:変動が大きい

構成銘柄の変動が大きいSPYDは、株価の変動も大きい傾向があります。

  • 「株価・分配金・分配利回り」の変動がやや大きいため、購入タイミングによる投資収益への影響が大きくなる傾向があります。

戦略:下げたときに買って、「含み益」と「高配当」をねらう

したがって、SPYDへ投資する場合は、「定期つみたて」よりも「下げたときに買って、値上がり益(含み益)と高配当をねらう」という戦略が一案と思います。

つまり、株価や分配金が比較的安定して右肩上がりであってきたVYMと比べると、(単純な定期つみたてではなく、購入タイミングをねらう必要がある、という意味で)中級者以上向けと言えます。

④ 分配利回り:高配当株ETFのなかで、もっとも高い

分配利回りのレンジ
SPYD 3.4 ~ 8.6%
HDV  3.1 ~ 5.3%
VYM 2.6 ~ 4.5%
  • SPYDは同系統の高配当株ETF「VYM」「HDV」より分配利回りが高い推移。
    この観点からは「SPYDは、配当金(分配金)の近い将来における最大化をめざしやすい」と言えます。
  • ただし、株価や増配の安定感はVYMに軍配。反面、下落に弱い場面で仕込めれば、近い将来に高い分配金と値上がり益をねらえる、と言えます。

平均:4.4%

  • 分配利回り:3.4 ~ 9%で推移
  • 平均値:4.4%

⑤ トータルリターン:コロナ前後で優劣が分かれる

下図は、2015年12月を起点とした、配当込みのトータルリターンです。

  • コロナ前、S&P500を上回る局面みられる
  • 2018年以降、とくにコロナ後はS&P500に劣後

⑥ 暴落局面での動き:コロナショックでは弱かった

SPYDは設定日が2015年であるため、暴落時のデータはコロナショック(2020年)のみです。当時の動きを見てみましょう。

最大下落率(月次) トータルリターン(2020年)
VYM 24.0% – 2.2%
HDV 26.1% – 8.4%
SPYD 36.6% – 15.2%
S&P500 19.6% + 13.8%
  • 高配当株ETFの中で、SPYDは最も弱かった。
  • 2023年もふくめ、下げに弱い傾向がみられます。「配当利回りの高い銘柄を機械的に組み込む設計の場合、下げがきつい結果として配当利回りが高くなった銘柄まで組み込むことになる」と考えられます。

⑦ 分配金推移:変動大きい

  • 分配金:横ばい~漸増
    VYMと比べると、増配率はやや弱い

下表のとおり、「3月・6月・9月・12月の下旬」に分配金が支払われます。

権利落ち日 支払日 分配金
2023 3/17 3/22 $0.39
2022 12/16 12/21 $0.51
9/16 9/21 $0.42
6/17 6/23 $0.41
3/18 3/23 $0.65
2021 12/16 12/22 $0.13
9/17 9/22 $0.39
6/18 6/23 $0.40
3/19 3/24 $0.64
2020 12/17 12/23 $0.61
9/18 9/23 $0.26
6/19 6/24 $0.37
3/20 3/25 $0.40
2019 12/20 12/26 $0.50
9/19 9/25 $0.45
6/21 6/26 $0.46
3/15 3/20 $0.34
2018 12/21 12/27 $0.44
9/21 9/26 $0.45
6/15 6/20 $0.38
3/16 3/21 $0.35
2017 12/15 12/26 $0.40
9/15 9/25 $0.36
6/16 6/26 $0.34
3/17 3/27 $0.32
2016 12/16 12/27 $0.59
9/16 9/26 $0.33
6/17 6/27 $0.33
3/18 3/29 $0.28
2015 12/18 12/29 $0.33

※権利落ち日の前営業日までに購入し、その日のマーケット終了時点で保有していれば、配当金を受け取ることができます。

まとめ

SPYDを一言でいえば、「近い将来に高配当を得たい人にとって、選択肢となる高配当株ETF」でしょう。

コロナショックで「株価変動率が高め」「下げ相場に弱い局面あり」といった特徴が表面化しました。現時点では、高配当ETFではVYMが株価・配当ともに安定しています。一方、底で仕込めれば、近い将来の高い分配金と値上がり益をねらえるとも言えます。表裏一体ですね。

遠い将来に多く配当を得たい場合は、VYM・VTI・VIGなども候補になってくるでしょう。

ご参考になりましたら幸いです。

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公開日:2019年2月2日

コメント

  1. 森林樹 より:

    三菱さんはリタイア後、ブラックロックとか、ヴァンガード、若しくは、sbiと組んでセミナー+書籍出せば、安泰ですね。
    変なアナリストより、プログの内容は全然良いし、普通に配当と同レベルの稼ぎが週一の労働で行けそうですけどねー

  2. 三井サラリーマン より:

    コメントされてる方に全く同感です。こんな貴重な情報が無料?情弱で怠け者の私はついて行くだけです。

    現場監督を何年やってもプロ職人に意見を聞く方が早いし正確。ただ聞く相手と頼む相手を見極める事だけが技です(相手が機嫌よくやってくれる人間関係も大事ですが)いつも有難うございます。