FXは家族にはとても勧められない
先日、姉から
「資産運用をやるにあたって、どのような金融商品や銘柄がオススメか」
と聞かれました。
その時思ったのは、「やっぱり、FXは万人には勧められないなぁ・・・」ということです。
私自身14歳からFXを約10年間やっていて思ったことは、まぁその頃若かったのと夢中になりすぎると没頭してしまう性ゆえか、
- レバレッジの魔力(人間の欲望)
- 値動きが気になり、結果睡眠の質が落ちる
- 週末ポジション持ち越すと、窓開けが気になる
というように、日常生活に好ましくない影響が出ていました。
この現象は「自身のリスク許容度を超える額」を常に動かしていたから起こったのでしょう。
今なら確かに、自信を持って「外貨預金より手数料が安いレバレッジ1倍で運用♪」というようにレバレッジ1倍にあくまで調整することは全然可能でしょう。
しかし、「資産運用もやったことない人に、それをオススメできるか」という問いに対しては、なかなか首を縦に振ることはできません。
自分自身、レバレッジの魅力というか、魔力を体験しているからです。特に
- 資金が少ないゆえに、一発逆転を狙っていたり、
- 自身のリスク許容度が判別つかず、
- 値動きが気になる、
といったような要素が当てはまるのであれば、尚更FXはリスキーになり得る金融商品です。
そもそもマイナスサムゲームのFXは資産運用と呼べるのか
ちなみに私自身、こう言うと、ややもすると過去10年間やっていた自分を否定するように聞こえるかもしれませんが、FXは、「広義の資産運用」と幾歩か譲って言えたとしても、「狭義の資産運用」には含め難いと思っています。
(ちなみに、過去自分がやっていたことが後に振り返ってベストな選択でなかったとしても、実際は過去の1つ1つの経験が現在の自身を形作っているので、否定することにはなりませんし、そんな風に思う必要はありません。)
なぜなら、為替市場はゼロサムゲーム、というか手数料を短資会社やFX会社に取られるので実質マイナスサムゲームだからです。
高金利通貨でスワップを受け取る手法、これはやりようによっては利益は確かに上げることはできます。
しかし、高金利通貨には結構大きな落とし穴があり得ることは以下記事で詳述した通りです。
確かに、FXで資産を10倍にした人もいます。億万長者になったという人もいます。(FXをする人を否定するつもりも、それを勧める人を否定するつもりも毛頭ないことは申し添えておきます。)
しかし、
- そこに再現性はあるのか、
- その文言に魅了されて始めた結果、自分もそうなれるか、
というのは、これは別問題ですよね。
そういう意味では、私は10年間遠回りしたと言えなくもありません。しかし、14歳から株式投資を始めていたとしても、その時果たして今と同じ投資スタイルになっているかは定かではありません。人間万事塞翁が馬、ということですね。
これは自身にとってかけがえのない、重要な経験だったと今でも断言できます。
対して株式投資、特に米国株は過去データから帰納的に結論を下すならば、これは明瞭にプラスサムゲームと言えます。
以下は米国株式市場の指数であるS&P500の過去150年長期チャートです。
あくまで過去から帰納的に結論を下すという前提、つまり今まで右肩上がりだったため、これからも右肩上がりになる可能性が高い、と。これならば、人様にも勧められますよね。
FXは「万人に勧められる金融商品ではない」というのが正直なところです。
簡明な字句、簡明な結果、簡明な手法
多くの人は概して、
「簡明な字句、簡明な結果、簡明な手法」を求め、そして動かされます。
それが最も心を揺さぶられるものであり、自身の将来に希望が持てるからです。
誰もが希望を持ちたい。
「毎日仕事をして、好きでもないことをして、でもそれをやらないと生活が成り立たない、家に帰ればこれもあれもしないといけない、自分の時間があまり取れない」
そんな人は現代社会においては少なからずいらっしゃるのではないでしょうか。
そのような隙間に簡明な字句は入り込みます。
「私はこの方法で、資産を10倍にしました」
脳が疲れている状態では難しいかもしれませんが、やはり情報はしっかり取捨選択しなければなりません。
- 人気銘柄に飛びつく
- 世間の流行に飛びつく
- 周囲がそうしてるから自分もそうする
こういった、ややもすると即応的な行動を取る際には、少し立ち止まって考えてみることも一案ですよね。
Best wishes to everyone!
自分の姉に勧めるならば、リスク許容度に応じてVYMやAGGあたりでしょう。
今後は更に資産運用が担う役割は大きくなるのではないでしょうか。
高金利通貨は魅力的ですし、スワップもチャリンチャリン入ってきて良いですよね。でも、それなりにというか、結構なリスクはありますよ、というお話です。