米国株投資か、全世界株投資か。自分なりに選ぶ判断軸とは。
株式投資は、
- 投資信託・ETF
といった初心者の方でも取り組みやすい商品があります。
その中でも、
- 米国株に特化したものもあれば、
- 全世界の株式へ投資するものもあります。
今回は、米国株か、全世界株式か、どちらがよいのかというご質問をいただいています。
はじめまして!穂高さんのブログに出会い投資を始めるきっかけになりました。ありがとうございます。細かく分かりやすく書いててくださり、やたらの本よりも分かりやすくとてもありがたいです。そして今度本も買わさせて頂きます!応援しております!
一点だけ教えて頂けたら大変嬉しいのですが、、、私も夫婦で証券会社にNISA口座を開いてはみたものの・・・。
勉強しているうちに、実際どれがいいのか・・わからなくなってきました。
穂高様のオススメは、米国主体になっておりますが、ブログでもおっしゃられていたとおり分散が基本との事で、世界に分散しなくてよいものなのでしょうか?
例えば、eMAXIS Slim 先進国株式やeMAXIS Slim 全世界株などをオススメしない理由などはありますか?
すみません、言葉足らずかと思いますが・・・。教えてください。
上記ありがとうございます。
米国株か、全世界株式か
結論としては、
- 米国株
- 全世界株式
のどちらも、主要な投資先は同じ米国株です。投資先において決定的な差異は見いだせません。
しいて言うならば、「米国株の将来に懐疑的な方は、全世界株式で」という整理が可能です。
全世界株式とはいえ、約6割は米国株
下図は、全世界株式に投資する投資信託「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」の国別構成比率です。
全世界の中でも、米国株の時価総額は際立ちます。全世界株式とはいえ、過半は米国株です。
以上を踏まえると、以下のような整理が可能です。
まず、全世界株式の約6割は米国株。両者の主要投資先は、同じ米国。
- 米国の将来に賭ける
(「米国が他地域よりも成長する」というシナリオにしっくりくる)
米国株 - 米国の将来に懐疑的、世界全体の成長に賭ける
(「特定の地域への投資は、同地域の成長が滞るリスクあり。一方、世界全体に投資すれば、どこかが衰退しても、ほかのどこかが発展すれば補ってくれる」という考えがしっくりくる)
全世界株式
候補となる投資信託(米国株・全世界株式)
信託報酬に代表される維持コストが安く、長期的に成長が見込める投資対象にすることが鉄則です。具体的には以下4商品が候補です。
米国株
- 楽天・全米株式インデックス・ファンド(楽天VTI)
- eMAXIS Slim 米国株式 S&P500
全世界株式
- 楽天・全世界株式インデックス・ファンド(楽天VT)
- eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
上述4商品は、管理費用0.09~0.21%の低コスト商品です。そして、米国/全世界という今後も全体としての成長を見込みやすい投資対象です。
結局は、「米国の成長性か全世界の成長性のいずれのシナリオに賭けるのか」ということですね。では、次にその成長性の過去傾向を見ていきましょう。
パフォーマンス比較(米国株・全世界株式)
両者の「設定来トータルリターン」を比較します。
- 楽天VTI(楽天・全米株式インデックス・ファンド)
- 楽天VT (楽天・全世界株式インデックス・ファンド)
楽天VTI(全米株式) | 楽天VT(全世界株式) | |
---|---|---|
基準価額 | 16,828 | 14,559 |
※2017年9月29日~2021年4月16日(最初期の基準価額:10,000)
現時点では、米国株の方がリターンが優れる結果となっています。やはり、以下整理が可能です。
米国株優位の傾向が続くと賭ける
- 楽天VTI
米国の将来に懐疑的
- 楽天VT
分散について
穂高様のオススメは、米国主体になっておりますが、ブログでもおっしゃられていたとおり分散が基本との事で、世界に分散しなくてよいものなのでしょうか?
先述のとおり、米国の覇権が揺らぐリスクも考慮したいということであれば、全世界株式のインデックスファンドを購入することが一案ですね。
この辺りは、各人の
- 投資方針・心地よさ
- どういった将来シナリオに賭けるのか
といった要素で変わってきそうですね。
ちなみに、念のため申し添えますと、「分散すればするほどよい」とはかぎらず、優良な投資先に限定した上で分散されていることが理想的ですね。
まとめ:決定的な差異は見いだせない。どちらのシナリオに賭けたいか。
まとめると、以下整理が可能です。
まず、全世界株式の約6割は米国株。両者の主要投資先は米国。
- 米国の将来に賭ける
(「米国が他地域よりも成長する」というシナリオにしっくりくる)
→ 米国株 - 米国の将来に懐疑的、世界全体の成長に賭ける
(「特定の地域への投資は、同地域の成長が滞るリスクあり。一方、世界全体に投資すれば、どこかが衰退しても、ほかのどこかが発展すれば補ってくれる」という考えがしっくりくる)
→ 全世界株式
米国株か全世界、どちらか一方だけに投資しないといけないわけではないので、どちらにも投資するという選択もあると思います。
なにかに偏在させることを嫌う方は、こういった方法で自身を納得させるのも一案ですね。
長期的に何かを続けるには、自身が納得できる投資対象・方針であることもまた、重要です。
ご参考になりましたら幸いです。
Best wishes to everyone!
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