祖父母から孫へ、子供2人に1000万円ずつの遺産相続をどう運用すべきか
三菱さん、いつもすごいなぁ、、と参考にしています。
私は保育園児を2人抱えたシングルマザーです。うちの親から孫である私の子供たちに1000万円ずつの遺産相続がありました。
もし三菱さんならどのように運用されますか?
まとまったお金なのでどうしようかと思っています。
ご質問ありがとうございます。大きな意味を持つ相続になりそうですね。
遺産相続ということなので、①子供名義で、②お子さん2人が各1000万円の合計2000万円を受け取り、③お子さんのために運用する、との理解で進めさせて頂きます。
まず、私が親の立場でこういう状況になったら、
- 子供が成人するか働き始めるまでこの2000万円の話は徹底的に伏せるか、
- あるいは運用状況を逐一細やかに説明するか
のどちらかかなと思います。
①2000万円の話は伏せる
「お金に余裕がある環境で育った子供は、お金の機能・有用性について、(良くも悪くも)気づきにくい傾向がある」と個人的には考えています。
自分はお金に苦労しないと幼い頃からわかると、教育上うーんちょっとリスクありというか、それが子供を良い方向に進ませるなら良いのですが、その逆の方が可能性として高い気がします。
なので、2000万円の話は成人や社会人などの節目を迎える時までは、敢えて伏せておくかもしれません。
②運用状況を細やかに説明
逆に運用状況を事細かに説明するかもしれません。この1000万円は資本主義の側面を示唆する際に良い材料になり得るからです。
あとは例えば10万円ぐらいは、ある時期においてお子様に運用させてみるのも一案とおもいます。自分で資産運用をしてみて、お金とはなにか、について実感してみて欲しいですね。
更に言えば、中学生になるぐらいの時に、お子さん2人に各々金融商品を選ばせてみるのも良いかもしれません。そして、2人で違う金融商品や銘柄を選んでもらえば、全く異なるパフォーマンスを見せるかもしれません。
そうなれば、「なぜそうなったのか」を考えるに至れば、なお考察を深め、観点を増やすきっかけとなります。金融や投資に興味を持つかもしれませんね。
「なぜそうなるか」と考えるのは、興味を持つ際の第一歩ですから、そのようなきっかけを親として贈れれば素敵ですよね。
2000万円の運用方法
さて2000万円の運用方法に話を戻しますが、自身のセミリタイア目的や配当金生活のためのお金ではないので、無理にリスクを取る必要もなく、米国株ETF(VTI・VOO・VYM・HDV・SPYDあたり)を5~10年かけてゆっくり積み立てると思います。
「さすがにこの2019年という景気拡大期が長らく続いてきたこのタイミングで、5~10年かけて積み立てれば、弱気相場も確実に1つはあるでしょう。その時こそしっかり積立効果がはっきり出てくる頃合いでもありますね。」と記載していたとおり、まさにコロナショックで低迷しました。今こそしっかり積み立てたいところですね。
その上で、子供に運用成績・なぜこのETFにしたか等を詳しく説明するのはやはり一案です。そして、ETFはできれば売らずに、分配金については自由と。
つまり、「分配金は再投資するのかパーっと使ってしまうのかは本人に委ねつつも、株数は売って減らさないように」という条件ですね。
ただ、条件で縛るというのは独創性を削ぐことにもなりかねないので、あまりやりたくないところです。なので、私なら一度このような条件を設定してみて、お子様との議論の土台やきっかけにするかもしれません。
運用は運用として考えつつ、運用過程・運用状況や今後の運用方針などを、実際にお子さんがある程度の年になった時には一緒に考え、「どのような運用にしていきたいか」「どのように人生に役立てたいか」などを一緒に話し合うきっかけとなり、ひいてはそれが金融の側面を伝えるところにまで繋げることが出来れば良いですよね。
単に「〇〇万円の遺産を相続する」という字面上の金額上の相続だけに留まらず、運用知識や考察・観点まで一緒に ”相続する” ことを目指したいところです。お金という数字だけを追い求めるお子さんになるのは、少し考え物ですものね。
ご参考になりましたら幸いです。
Best wishes to everyone!
VTI・VOOを比較したものです。どちらも素晴らしい米国株ETFですね。
VYM・HDVを比較したものです。これも素晴らしい米国高配当株ETFです。三菱サラリーマン的推しETFです。
お子様のためなら、かなり長期の投資が可能ですね。