30代から準備、60歳で月5万円のインカムを得る
収入が高くないため、月に積み立てられる額は限られており、一方で国家財政・年金財政が不安で自分で老後の副収入を構築しておきたいという方もおられると思います。
月1万円をiDeCoで積み立て、現在37歳で60歳で月5万円の不労所得を得たい方から、質問箱”peing”経由で以下ご質問を頂きました。
37歳の男性です。諸事情があり、体が弱く稼ぐ力があまりありません。将来、収入を補いたく60歳ぐらいにインカムが月に5万円程度はいればと思っています。
収入は月の手取りが16万円ほどです。都内一人暮らしです。
現状は預金300万円、VT・VYMに50万円ずつ投資しています。イデコにてインデックス投信に月に1万円つみたてています。
ストレスに弱く浪費してしまうときがあります。三菱サラリーマンさんであれば、私の状況でどのように考えて行動されますか?
どうぞよろしくお願い致します。
ご質問、誠にありがとうございます。
私でしたら、60歳のインカム5万円を至上命題とするのであれば、あくまで健康第一とした上で、つみたてる金額を1万円から2万円に増やせるよう捻出に努めます。
30代から準備すれば、月5万円はそこまで難しくない
まず頂いた条件から考えますと、今から23年後の60歳に月5万円の不労所得(株式の配当収入)を得るのは、株式の過去リターンから少し控えめに見積もっても、そこまで難しくはありません。
現在の資産が400万円、内訳は現金300万円、米国ETF100万円ですので、便宜的に37歳時点の資産運用1年目の投資資金を400万円とします。(37歳のある時点で、現有預金で一括でETFを購入、あるいは現金を複数回に分けて米国ETFに投資という前提)
期待リターンは年5%とします。米国株の過去リターンは年7%程度とされています。また、GPIFが開示しているリターンによれば、株式100%(国内40%・外国60%)のポートフォリオではリターンは年6%です。したがって、幾分控えめにここでは年5%と設定します。
月1万円を積み立てたケース
前提条件をまとめると以下の通りです。
シミュレーションの前提条件
積立金額 : 月1万円
期待リターン: 5%
年齢 : 37~60歳
資産推移シミュレーション
年齢別の資産額は以下の通りとなりました。
50歳 : 967万円
60歳 : 1726万円
60歳で月5万円の配当収入を得るには、原資が1726万円の場合、税引き後の配当利回りが3.5%あれば達成できます。
税引き後3.5%の配当利回りを得るには、ある程度銘柄やETFを選別する必要があります。例えば日本株のJTは条件を満たします。一方、米国ETFのPFFなら条件を満たしますが、その性質上、少しリスクがあるかもしれません。
そこで、つみたて金額を月2万円にしたケースも考えてみましょう。このケースならば、銘柄選別のハードル・難易度は下がります。
月2万円を積み立てたケース
シミュレーションの前提条件
積立金額 : 月1万円
期待リターン: 5%
年齢 : 37~60歳
資産推移シミュレーション
当該ケースでは、60歳時点で2223万円という結果になりました。
つまり、60歳で月5万円の配当収入を得るには、税引後の配当利回りが2.7%必要になります。(日本株:税引前3.5%、米国株:税引前3.75%)
この水準の配当利回りであれば、日米の個別株・米国の配当貴族銘柄でも全然ありますし、時期によってはHDV・VYMなどの米国株ETFも射程圏内に入ってきます。
既にインデックス投信で運用されているとのことですから、インデックス投資自体に抵抗はないと思慮いたします。既にご存知かと思いますが、信託報酬はインデックスならば少なくとも0.2%以下のものが望ましいですよね。
私であればインデックスの中でも、外国株式の比率が高いものにします。日本株の日経平均などの指数は日銀やGPIFに相当買い上げられた結果、今の水準となっています。
日銀が出口戦略を講じる際には、国債よりも更に特別な償却ができる手立ては考えにくいですから、基本的に売り圧力がかかると考えておいた方が良いでしょう。その局面では株価の下落圧力が高まります。
とはいえ、「長期つみたて」により時間分散を図れば、ある程度均されるでしょうから、いずれにしましても市場でしっかり積み立てていくことが肝要ではないかと推察します。
尚、「ストレスに弱く浪費してしまう」との記載がありましたので、その部分については別途、以下記事で私見を添えさせて頂きました。
Best wishes to everyone!
連続増配年数が25年以上の配当貴族と呼ばれる銘柄群です。配当性向の高い銘柄は減配リスクへの注意が必要ですね。
債券ETFは分配利回りが低いものの、非常に堅実な運用が見込まれます。減らしたくない資産運用ならば、これも一案ですね。
60歳で月10万円の配当収入を得る方法です。こちらも30代の方からのご質問でした。