FIREをめざすポイント【①FIRE後の収入・②何年後に達成】

FIREをめざすポイント【①FIRE後の収入・②何年後に達成】

資産運用とは、人生に併走するものであり、資産運用とは、人生そのものを考えることでもあります。

そして、人によって人生観は異なります。そのため、目的・価値観・状況・時間軸・人生ステージなどで、投資スタイルも変わってきますね。

「FIRE」をめざす2つのポイント(ケース別ETF比較)

本記事では、「FIRE」をめざすポイントとして、以下の観点から候補となるETFを考察します。

FIREをめざす際の2つの観点
  1. FIRE後の収入
  2. 何年後に達成したいのか

米国株の主な投資対象

株式投資、なかでも米国株投資において、たとえば以下の通り大別できます。

種別 主なETF
1 インデックス VOO(・VTI)
2 高配当株 VYM・HDV
3 連続増配株 VIG
4 成長株 QQQ

※厳密にはVTIはインデックスではありませんが、便宜上ふくめます

これらETFを、以下の観点からケース別に比較します。

  1. FIRE後の収入
  2. 何年後に達成したいのか

補足

  • 高配当株かつ連続増配株
  • 成長株かつ連続増配株

といったように、種別は重複することもあります。

ご質問

題名: ETFについて

メッセージ本文:
はじめまして、20歳学生、来年から新社会人です。

以前からFIREには興味があり、昨日穂高さんの書籍を購入し読まさせていただきました。

突然ですが、投資対象について迷っています。

つみたてNISA+米国高配当ETFへの投資でFIREを目指したいのですがそれでいいのか、なにかアドバイスをお願いしたいです。

ありがとうございます。

以下の2つの側面から記します。

  • 理論
  • 実践

理論のお話

まず、定量的なデータ・過去の傾向による、理論面のお話です。

ポイント①:FIRE後の収入源

FIREをめざす際のポイントとして、「FIRE後の収入源」がまず挙げられます。

収入源の内容次第で、資産運用のアプローチも以下のように大別できます。

ポイント①:FIRE後の収入源
  1. FIRE後の主な収入源(キャッシュフロー)配当以外でまかなえる場合
    キャピタルゲイン(値上がり益)に着目
  2. FIRE後の主な収入源(キャッシュフロー)配当である場合
    配当というフローがFIRE達成度の明確な指標になる

さらに、深掘りします。以下です。

ポイント②:何年先のFIREをめざすのか

後述する前提条件に基づいた場合、以下のような整理が可能です。

ポイント②:何年先のFIREをめざすのか
  1. FIRE後のキャッシュフローを、配当以外でまかなえる/定期売却でまかなう場合
    値上がり益(キャピタルゲイン)の積み上げをめざす

    FIRE想定達成時期 候補となる投資対象
    VTI・VYM・VIGなど
  2. FIRE後のキャッシュフローを、配当に求める場合
    配当というフローがFIRE達成度の明確な指標になる
    配当(インカムゲイン)の積み上げをめざす

    FIRE想定達成時期 候補となる投資対象
    10年後 VYM
    20年後 VYM
    30年後 VTI・QQQ

つまり、以下の通りです。

  • FIRE後の収入が十分に確保できている場合は、FIRE後のキャッシュフローを配当に求める必要性は相対的に低下します。
  • そのため、配当は求めなくともよいことになります。
  • ゆえに、値上がり益に焦点を当てて積み上げていくことが一案です。

  • FIRE後の収入が確保できていない場合は、FIRE後のキャッシュフローを配当に求める必要性が相対的に生じます。
  • そのため、配当を積み上げていくことが一案です。

なお、シミュレーションの前提となるのは、以下の過去増配率です。

過去10年の増配率(VTI・VYM・QQQ)
2010年 2019年 分配金成長 直近分配利回り 10年後分配利回り
VTI 1.148 2.905 2.5倍 1.5% 3.9%
VYM 1.091 2.842 2.6倍 3.2% 8.3%
QQQ 0.361 1.582 4.4倍 0.5% 2.3%

補足

  1. 直近分配利回りは、「2020年11月26日終値を直近4回分配金の総和で除して」算出
  2. 増配率は、2020年11月現在で年間分配金が算出可能な直近期間である2010~2019年を参照
  3. 高配当株ETFは、10年超のデータ期間が抽出可能なVYMを採用
  4. あくまで過去傾向から推算される理論値であることに注意
    (2010年代は、株式市場が全体的に好調。今後も同じ傾向とは限らない)
  5. この手のデータは、抽出期間によって変動するため、絶対視せずにあくまで参考値の1つとしてとらえるのが無難(ハイテクも高配当も、期間によって波あり)

なお、VYMは、リーマンショックで2009・2010年は減配しており、発射台が低くなっている可能性が考えられます。よって、中立を期すべく、VYMの増配率を減配前の2008年の高値をベースとして控え目に見てみましょう。

【改】過去10年の増配率(VTI・VYM・QQQ)
2010年 2019年 分配金成長 直近分配利回り 10年後分配利回り
VTI 1.148 2.905 2.5倍 1.5% 3.9%
VYM 1.443 2.842 1.97倍 3.1% 6.3%
QQQ 0.361 1.582 4.4倍 0.5% 2.3%

では、以上の算出方法で、10年後・20年後・30年後の分配利回り(理論値)を算出してみましょう。

10年後・20年後・30年後の分配利回り(理論値)
10年後 20年後 30年後
VTI 3.9% 9.8% 24.8%
VYM 6.3% 12.3% 24.3%
QQQ 2.3% 10.0% 43.8%

将来の分配利回りシミュレーションまとめ

上表から、以下の整理が可能です。

将来の分配利回りシミュレーションまとめ
  • 10年後:VYM > VTI > QQQ
  • 20年後:VYM > QQQ ≒ VTI
  • 30年後:QQQ > VTI ≒ VYM

以上の前提条件によるシミュレーションの場合、以下のような整理が可能です。

  • VTI・QQQの高配当化は、時間を要する
  • 高配当化を論じる上で「分配金成長率に顕著な差がないと、直近の配当利回りの彼我の差を埋めるには相当の時間を要する」配当成長によほど大きな差がないと、高配当化には時間がかかるのです)
  • FIRE後のキャッシュフローを配当に求める場合、10年・20年後はVYMが一案、30年後はQQQが一案

もちろん、資産運用は配当というフローだけで語られるものではなく、配当+株価成長というトータルリターンも重要です。

ただし、もし配当を担保としてセミリタイア・FIREをめざす際は、配当は達成度合いや人生の決断に踏み切る材料として可視化できますから、非常に重要な要素になってきます。

以下、再掲します。

ポイント①:FIRE後の収入源
  1. FIRE後の主な収入源(キャッシュフロー)が配当以外でまかなえる場合
    値上がり益に着目
  2. FIRE後の主な収入源(キャッシュフロー)が配当である場合
    配当に着目

ちなみに

冒頭で上記のように述べた通り、「配当を担保とせずとも、セミリタイア・FIREをできる状態(たとえば、不動産投資による賃料収入や、労働・事業など、継続的に得られると思しき収入がある)ならば、極端な話、無配株でもフローの観点からは問題ないという整理が可能です。

実践のお話

はい、ここまでは数字と理論のお話でした。ここからは実践のお話です。

以上の数字と理論を踏まえた上で、実際にやってみてどう感じるかを自分で確かめた方がよいと思います。

たとえば、どちらも積み立て、どう感じるのかを客観視することです。

  1. ダイエットすると決めたら、根気強くひたすらやり切れる人
  2. たまにデザートがあるからこそ、ダイエットをがんばれる人

いろいろな人がいますね。投資も同じで、ひとつの投資手法を徹頭徹尾つらぬく人の方が稀かもしれません。

人生のステージ・好み・精神性とも密接に関わるのが投資手法なので、「理論・数字は前段の通り、実際のところは自身で選択する」というのが、私なりの回答になります。

やっていくと、理論通りに動けないこともあると思います。でもそれは別に悪いことでもないし、正しくないことでもないし、そういった感情の起伏や自身との対話も含めて人生に併走するのが投資なのですよね。

まとめ

以下、再掲しておきます。

ポイント②:何年先のFIREをめざすのか
  1. FIRE後のキャッシュフローを、配当以外でまかなえる/定期売却でまかなう場合
    値上がり益(キャピタルゲイン)の積み上げをめざす

    FIRE想定達成時期 候補となる投資対象
    VTI・VYM・VIGなど
  2. FIRE後のキャッシュフローを、配当に求める場合
    配当というフローがFIRE達成度の明確な指標になる
    配当(インカムゲイン)の積み上げをめざす

    FIRE想定達成時期 候補となる投資対象
    10年後 VYM
    20年後 VYM
    30年後 VTI・QQQ
  • VTI・QQQの高配当化は、時間を要する
  • 高配当化を論じる上で「分配金成長率に顕著な差がないと、直近の配当利回りの彼我の差を埋めるには相当の時間を要する」配当成長によほど大きな差がないと、高配当化には時間がかかるのです)
  • FIRE後のキャッシュフローを配当に求める場合、10年・20年後はVYMが一案、30年後はQQQが一案

※先述の通り、あくまで前提条件を付した上での整理です。あくまで過去の傾向からの推論であり、絶対視せずにあくまでご自身の思考を深める参考値の1つとしてとらえることが中立的であること、申し添えておきます。

ご参考になれば幸いです。

Best wishes to everyone!

以下記事は、また少し別の角度から記しています。

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公開日:2021年2月21日