【VIG】配当1.2~3.4%、下落に強く、市場平均より高リターン傾向【連続増配株ETF】
VIGとは、2006年4月に設定された「バンガード・米国増配株式ETF」であり、その名の通り
- 連続増配10年以上の米国株で構成
されるETFです。
VIGが選択肢となるのは、どんなケースか
VIGは、以下のような目的の場合、選択肢になると思います。
- 下落局面での底堅さを期待したい
- インカム(配当)・キャピタル(値上がり益)両方を狙う
- 近い将来というより、10年後以降に配当が欲しい
- 近い将来というより、10年後以降にFIRE・セミリタイア・配当金生活をめざしたい
最大の特長3つ、そして構成銘柄・セクター・増配率などを紹介します。
VIG特長①:下落に強かった傾向
下図は、「VIG・S&P500のトータルリターン推移(2007~2020年)」です。リーマンショック・コロナショックの両局面で、市場平均より下落率が小さかったことが、VIGの特長です。
リーマンショック時

トータルリターン推移(リーマンショック時)
青:VIG 赤:S&P500
コロナショック時

トータルリターン推移(コロナショック時)
青:VIG 赤:S&P500
VIG | S&P500 | |
リーマンショック(2009) | -41.1% | -51.0% |
コロナショック(2020) | -17.2% | -19.6% |
下落に強いと、以下の精神面的なメリットが下落局面で期待できます。
- 「ろうばい売りしにくく、心地よく投資を続けやすい」
「近代資本主義という現行社会システムが継続する」という前提下では、株式という資産は「投資期間が長いほど、リターンがプラスとなる傾向」が、過去において認められます。
つまり、投資を継続できれば、プラスのリターンを得られる可能性が高くなると言えます。
VIG特長②:トータルリターンが市場平均より高かった傾向

累計リターン推移(2007~2020年)

年率リターン推移(2007~2020年)
青:VIG、赤:S&P500
- 過去、概してS&P500を上回る傾向
- 年率リターンは、上昇時も下落時も市場平均より変動率が低い傾向
ただし、市場平均ではなくVGTやQQQといった「今をときめくセクター」より直近トータルリターンは劣ります。
ただし、直近ハイテクに劣る
市場平均を上回っているとはいえ、QQQ・VGTといったハイテク系ETFにはトータルリターンで劣っています。
- ITセクターが今後も隆盛をきわめるシナリオに賭け、
- ①の前提条件が満たされた上でのトータルリターンに今後も賭けたい人
などは、【QQQ】【VGT】を検討されるとよいと思います。
結局、「どういったシナリオに賭け、投資において何を重視(インカム?キャピタル?両方?いつ欲しい?)するのか」という結論に帰着します。
VIG特長③:継続的な増配傾向
- リーマンショックで減配あるも、概して増配傾向
- 設定来13年間で3.3倍
ただし、増配率がとても高いわけではない
ただし、直近10年間の増配率はVYMに年率で約2%劣るなど、連続増配株で構成されるETFながら必ずしも増配率が高いわけではありません。(詳細な数値は後述)
構成銘柄
- MSFT、WMT、V、HD、UNH、DISなど、低配当・高増配系が上位を占めます。
構成セクター
- 消費サービス・資本財・ヘルスケア・ハイテクが、上位
- ハイテクが多すぎないことが、VTIとの主な違い
株価・分配利回り推移
2020年12月18日時点
分配利回り | 時点 | |
最大値 | 3.4% | 2009年3月9日 |
平均値 | 2.0% | |
最小値 | 1.2% | 2007年6月1日 |
分配金推移
年4回、分配金が支払われます。
年間分配金・増配率
年間分配金 | 増配率 | |
2020年 | 2.30 | 7.6% |
2019年 | 2.13 | 4.7% |
2018年 | 2.04 | 6.2% |
2017年 | 1.92 | 5.1% |
2016年 | 1.83 | 0.4% |
2015年 | 1.82 | 14.8% |
2014年 | 1.59 | 14.2% |
2013年 | 1.39 | -1.6% |
2012年 | 1.41 | 20.5% |
2011年 | 1.17 | 11.4% |
- 2013年のみ減配、ほか増配
- 分配金は10年で2倍
増配率比較(VTI・VYM・VIG)
VTI・VYMと増配率を比較してみましょう(2011~2020年)
VIG | VYM | VTI | ||||
分配金 | 増配率 | 分配金 | 増配率 | 分配金 | 増配率 | |
2020年 | 2.30 | 7.6% | 2.91 | 2.3% | 2.77 | -4.7% |
2019年 | 2.13 | 4.7% | 2.84 | 7.3% | 2.91 | 11.5% |
2018年 | 2.04 | 6.2% | 2.65 | 10.3% | 2.61 | 11.2% |
2017年 | 1.92 | 5.1% | 2.40 | 8.8% | 2.34 | 5.8% |
2016年 | 1.83 | 0.4% | 2.21 | 2.7% | 2.22 | 7.2% |
2015年 | 1.82 | 14.8% | 2.15 | 12.6% | 2.07 | 10.6% |
2014年 | 1.59 | 14.2% | 1.91 | 9.1% | 1.87 | 11.7% |
2013年 | 1.39 | -1.6% | 1.75 | 9.8% | 1.67 | 7.0% |
2012年 | 1.41 | 20.5% | 1.59 | 20.0% | 1.56 | 26.8% |
2011年 | 1.17 | 11.4% | 1.33 | 21.6% | 1.23 | 7.4% |
平均増配率 | 8.3% | 10.5% | 9.4% |
- 減配:VIG(2013年)、VTI(2020年)
- 増配率:VYM > VTI > VIG
- 前述の通り、VIGの増配率は必ずしも高いわけではありません。
四半期分配
権利落ち日 | 支払基準日 | 支払開始日 | 分配金 |
2020/12/21 | 2020/12/22 | 2020/12/24 | $ 0.6644 |
2020/09/29 | 2020/09/30 | 2020/10/02 | $ 0.5575 |
2020/06/29 | 2020/06/30 | 2020/07/02 | $ 0.6006 |
2020/03/26 | 2020/03/27 | 2020/03/31 | $ 0.4740 |
2019/12/18 | 2019/12/19 | 2019/12/23 | $ 0.5985 |
2019/09/24 | 2019/09/25 | 2019/09/27 | $ 0.5523 |
2019/06/17 | 2019/06/18 | 2019/06/20 | $ 0.4734 |
2019/03/28 | 2019/03/29 | 2019/04/02 | $ 0.5097 |
2018/12/17 | 2018/12/18 | 2018/12/20 | $ 0.5772 |
2018/09/26 | 2018/09/27 | 2018/10/01 | $ 0.4981 |
2018/06/28 | 2018/06/29 | 2018/07/03 | $ 0.5657 |
2018/03/26 | 2018/03/27 | 2018/03/29 | $ 0.3967 |
2017/12/21 | 2017/12/22 | 2017/12/27 | $ 0.5461 |
2017/09/20 | 2017/09/21 | 2017/09/25 | $ 0.4300 |
2017/06/21 | 2017/06/23 | 2017/06/27 | $ 0.5180 |
2017/03/29 | 2017/03/31 | 2017/04/04 | $ 0.4250 |
2016/12/22 | 2016/12/27 | 2016/12/29 | $ 0.5770 |
2016/09/13 | 2016/09/15 | 2016/09/19 | $ 0.3930 |
2016/06/21 | 2016/06/23 | 2016/06/27 | $ 0.4460 |
2016/03/21 | 2016/03/23 | 2016/03/28 | $ 0.4100 |
2015/12/23 | 2015/12/28 | 2015/12/30 | $ 0.4750 |
2015/09/23 | 2015/09/25 | 2015/09/29 | $ 0.4430 |
2015/06/26 | 2015/06/30 | 2015/07/02 | $ 0.4420 |
2015/03/23 | 2015/03/25 | 2015/03/27 | $ 0.4590 |
2014/12/18 | 2014/12/22 | 2014/12/24 | $ 0.4580 |
2014/09/22 | 2014/09/24 | 2014/09/26 | $ 0.3900 |
2014/06/23 | 2014/06/25 | 2014/06/27 | $ 0.4080 |
2014/03/24 | 2014/03/26 | 2014/03/28 | $ 0.3290 |
2013/12/20 | 2013/12/24 | 2013/12/27 | $ 0.3980 |
2013/09/23 | 2013/09/25 | 2013/09/27 | $ 0.3570 |
2013/06/24 | 2013/06/26 | 2013/06/28 | $ 0.3450 |
2013/03/22 | 2013/03/26 | 2013/03/28 | $ 0.2880 |
2012/12/20 | 2012/12/24 | 2012/12/27 | $ 0.4980 |
2012/09/24 | 2012/09/26 | 2012/09/28 | $ 0.3230 |
2012/06/25 | 2012/06/27 | 2012/06/29 | $ 0.3170 |
2012/03/26 | 2012/03/28 | 2012/03/30 | $ 0.2720 |
2011/12/21 | 2011/12/23 | 2011/12/28 | $ 0.3320 |
2011/09/23 | 2011/09/27 | 2011/09/29 | $ 0.2850 |
2011/06/24 | 2011/06/28 | 2011/06/30 | $ 0.2830 |
2011/03/25 | 2011/03/29 | 2011/03/31 | $ 0.2720 |
2010/12/22 | 2010/12/27 | 2010/12/29 | $ 0.3060 |
まとめ
まとめると、以下の通りです。
特徴 | |
株価 | S&P500より、下落に強い傾向 |
トータルリターン | S&P500より、やや高い傾向 |
分配金 | 10年で2倍(2011~2020年) |
増配率 | VTI・VYMに劣後 |
セクター | VTIよりハイテク少ない |
連続増配株ETFですが、増配率が高いわけではないものの、リターン・株価は堅調な推移を見せています。
なお、こちらが私のFIRE後のポートフォリオに加わっています。近い将来にキャッシュフロー(配当)をそこまで必要ない方には、選択肢になると思います。

連続増配株、頼りにしてるで~
ご参考になりましたら幸いです。
Best wishes to everyone!
高配当株ETFには、VYM・HDV・SPYDがあります。
ナスダック連動のQQQも、直近では人気ですね。
コメント
三菱サラリーマン様
こんにちは。
いつも楽しく拝読しています。
さて、FIRE後の生活シュミレーションが楽しくて仕方なく趣味化してきているのですが、私もデュアルライフがやはり良いかなと思っております。
私は家の購入を全く考えておらず、夫婦2人と犬1匹で夏と冬で生活場所を変えるつもりです。
長期の別荘借りやアドレスといったサブスクサービスを色々見てはいるのですが、いまいち惹かれるものがありません。
穂高様の場合、住環境はどのように整えられているのでしょうか。
もしお時間あればお返事をお願いしたいです。
来年も更新を楽しみにしております!
良いお年をお迎えください!