【FIREを達成すべく】SPYD+HDVで50%を占めるポートフォリオを考える
拙著にも詳述の通り、セミリタイア・FIREを達成する投資方法として、大きく分けて以下2つがあります。
- S&P500連動型の投資信託・ETFで口数を積み上げて、のちに取り崩し or 「配当金>支出」の状態に
- 高配当株ETFなどで配当金を積み上げて、「配当金>支出」の状態に
どちらかに徹しなければいけないわけでもなく、両者どちらも50%ずつで、二刀流とするのも一案ですね。
両者ともに一長一短あります。(私は②の方法でセミリタイア・FIREに至っています)
上記を踏まえた上で、以下ご質問です。
ご質問
以下は、FIREという概念を知り、13年後に達成すべく資産額・配当金に目標額を設定された方からのご質問です。
題名: 【質問/再送信】投資方針についてアドバイス頂けると幸いです。
メッセージ本文:
三菱サラリーマン様
はじめまして、ペンネーム星宮大河と申します。著書、ブログ共に
当方、サラリーマン10年目の34歳です。貴殿の著書の冒頭にも
目標は13年後までに金融資産5,000万を作り、目標税引後配
本格的に株式投資を始めたのは今年に入ってからであり、投資経験
著書にもありましたが、配当金は実現利益であること、配当金とい
ただしポートフォリオについては、いわゆるコア+サテライト戦略
そこで質問なのですが、
個別銘柄の保有数について
SPYD、HDV高配当ETFは管理が不要なメリットを重視し
後述する基礎条
実際にやってみないとなんともわ
資金の投下ペースについて
現在、手持ちの投資に使える余剰資金500万があり、次の方法
→ 13年後に4%複利で5,000万を積み立てるためには毎月の
基礎条件
以下、私の基礎条件になります。
- 支出最適化済
- 家族構成は私34歳、妻30歳、子0歳
- 共働きで、世帯年収は約900万円
- 地方在住、新築をしたばかりで、住宅ローンが2,000万円あ
り - 配当金は再投資する
- 毎月の給与が入り次第投資を実行することで長期・積立・分散の
基本を守ることとする - 月々の入金力の見込みは約25万円
- 現在の投資額は約200万で、日本株が中心
長文申し訳ありません。大きな方向性を間違えたくないので、どう
上記、詳細にありがとうございます。以下に回答いたします。
直近の配当最大化 or 将来の高配当化(VYM・HDV・SPYD・VIG・VTI)
高配当株ETFについては、端的に述べると以下の通りです。(直近の詳細は拙著をご覧になっているので不要とは思いますが、後段の関連記事も一応載せておきます)
- VYMは、分散度合いが高く、現時点で値動きや分配金に安定感が見られます。
- HDVは、「財務健全な銘柄で構成」とされるETFであり、ある程度のスクリーニングがなされていることが特徴です。
- SPYDは、特に景気後退期など減配が見られるにせよ、直近の配当最大化がしやすい特徴があります。ボラティリティが高め、良くも悪くも購入タイミングで大きく変わります。
さて、【SPYD】+【HDV】を核とするポートフォリオですが、特に上記SPYDの購入タイミングによる影響をどう判断するか、が1つ焦点になりそうです。
直近の価格は冴えませんが、コロナ前にS&P500をアウトパフォームしていたことも踏まえて中立を期すと、①「現在は仕込み時期」との解釈、②「今後も継続的に価格がさえない可能性」との解釈も可能です。(どちらが正しいかは未来の事象なので不明ながら)
コアに据えるということは、前者①のシナリオに賭けることと近しく同義ですから、それを考慮の上で、ということになろうかと思います。
念のため申し添えますと、13年後の年間配当200万円を目標にしてらっしゃるということであれば、ある程度の期間を投資できることから、将来の高配当化を前提として【VIG】も選択肢に入ってきます。
こちらの過去傾向も、併せてご参照いただければと思います。
税引後の配当利回り4%は、時期を選ばないと難しい
税引後の配当利回り4%を「すぐに」or「定期つみたて」で実現しようとすると、配当利回りが極端に高い投資対象に限定されてしまうため困難であり、その点については積極的におすすめしづらいところです。
よって、将来的に(13年後時点で)めざす形が無難と思います。つまり、現在は低配当であっても連続増配によって達成を期す【VIG】の形も一案です。拙著で案内の通り【VTI】なども選択肢に入ってきます。
個別銘柄の分散について
個別銘柄の分散について、1銘柄の占める割合が2%程度ということですから、セクター等に偏りがなければ、概して大勢に影響しづらい分散数と思います。
資金の投下ペースについて
「定期つみたて」ということで、中庸的な方法と思います。私が行ってきたのも、同様の手法です。
まとめ
SPYD・HDVも含めたいずれのETFも、冒頭のFIREに至る道も、一長一短・特徴があります。そして、購入タイミング次第でいかようにでも活かせる投資対象ばかりです。
そして、市場環境・セクター循環によって、ETFの優劣・リターンを得る難易度も期間ごとに差異も生じます。
ただし、ご質問者さまのように「配当を積み上げる」方針を決めておられるのであれば、高配当株ETFなり連続増配株ETFなりを淡々と積み上げていくことが一案になってきます。(そして、ETFもインデックス系以外では1つに絞らずある程度は分散させた方が無難ではあります。)
あとはどれだけ自分で腹落ちして、投資対象を信じられるのか、という精神面での作用も大きな影響を与えるのが株式投資と思います。
また、冒頭の通り、2つのうち1つを選ぶ必要は必ずしもなく、両方の選択肢を混ぜてもよいわけですね。
このあたりは実際にやっていく中で、適時ご自身が腑に落ちる方法を模索しながらでもよいと思います。もちろん、その時にまたご連絡いただいても大丈夫です。
ご参考になりましたら幸いです。
Best wishes to everyone!
VYMは、高配当株ETFの中でも最も安定感が垣間見えます。
SPYDは、コロナ前まで好調も、以降は冴えず、景気変動・市況の影響を受けやすい傾向が見られています。買値次第も高配当とキャピタルの両取りはVYM同様に可能です。
VTIは、市場平均的な動きであり、良くも悪くも、平均に回帰する大きく外しにくい対象と思います。冒頭①の手法で選択肢となるETFです。