投資タイミングについて【①一気に入れるか、②暴落が来るまで定期つみたてか】
まず本論に入る前の概論として、株式の購入タイミングは、一般的に以下2案に大別されます。
- 一括投資
- 定期つみたて
※厳密には、定期つみたての中にも、狭義の一括投資があります。(下段青字で示した部分)
【一括購入か、定期つみたてか】は、市場局面によってどちらが有利か変動します。理論的につみたて開始時期から起算して暴落時期が遅いほど、定期つみたてが不利になりやすいです。
とはいえ、市場の動きを読み切るのは困難であり、初心者の方にとってリスク許容度は自分が思うほど高くないことが多いです。
これら背景を考慮すると、一般的に幅広くおすすめできるのは、定期つみたてです。私が行ってきたのも、「定期つみたて」です。
※ただし、厳密にいうと、私は「可処分所得の最大額を即時市場に投入したという意味で、常に一括投資をした」という「狭義の定期つみたて」という解釈も可能。「可能な限り多くの額を市場に置いた」とも換言できます。
つみたて投資の実例を1つ見ておきましょう。
図はリーマンショック直前の株価ピーク時からS&P500へ積み立て始めたケースです。つまり、つみたて投資の威力が見えやすい例です。

出所:JP Morgan Asset Management
下落局面を挟んで上昇したことで、リターンは6年で倍。
調整局面や弱気相場を挟んでから上昇した方が、その時期に安く株やETFを購入できるので、リターン・配当も増えます。
ただし、仮に弱気相場が数十年に渡って続いて投資期間を終えると、当然このシナリオは崩れます。
他方、過去実績からの帰納的な1つの推論として、生涯を終えるほど長期的に株価が反転しないことは過去の傾向からは考えづらいと解釈はできます。(あくまで過去の傾向から導出される1つの推論に過ぎず、現行の近代資本主義や、状況等が変われば方針転換も適時必要。)

S&P500 長期チャート(multiple.com)
以上踏まえた上で、以下はいただいたご質問です。
題名: 投資のご相談
メッセージ本文:
穂高様
初めまして!私は〇〇と申します。
穂高様の最近出されたFIREを読ませて頂き感銘を受け、お礼の
私は現在37才、25才の時から自由な生活(アーリーリタイア)
当時、私の年収400万、金融資産200万でした。
その中で、ど
それから12年、私は不動産投資にて、現在年収1800万、金融
ただ、不動
株式投資を勉強し、不動産投資の感性もあってか?私も高配当米国
3年前から始めたので、お分かりかと思いますが、コロナになるま
上記も加味して、今後株への投資金額を増やして行くべきか??迷
何故かと言うと、株を恐る恐るやっていたので、今、私のポートフ
色々な本を読むと配当と
理論では私もある程度のファイナン
変な話、もう一回大暴落が来て欲しいと願っています。笑
私もお金を使わないことに関しては、誰にも負けないので、年収1
ですが、
- 今、投資額を一気に増やすべきなのか?
- それとも今まで通り
毎月10万ずつ積み立て、暴落が来たら一気に入れるべきなのか ?
どう思われますか??
未来のことなど誰にも分からないと思いますので、穂高様ならどう
長々とメールしてしまい申し訳ございません。どうぞ宜しくお願いします。
上記、ありがとうございます。
「お金をあまり使わない」という点は、最大のポイントと思います。
資産運用は、価値観が多分に影響します。ゆえに、まずポイントは以下と考えます。
- 残り8年でアーリーリタイアを目標にされている
- お金をあまり使わない
この前提条件ですと、現在の現金比率80%を無理に市場に入れる必要性を、私なら感じませんが、どうでしょうか。
程度にもよりますが、お金をあまり使わない性なのであれば、多額の配当はそこまで必要なく、多額の資金もそこまで必要ないと感じるのではないかと推察します。(私も似た価値観なので、かように推察するわけです)
日本にいる限り、健康体であれば、いかようにでも生きていけると私は思います。
実際セミリタイアしてからの実感として、「物欲がない、あるいはお金をあまり使わない質であれば、そこまで多くの資産・配当は要らない」ということです。
ゆえに、セミリタイアをシミュレーションするにあたって、保守的になりすぎるのも考え物と思います。
本当に、「お金は副次的なものでしかない」ということです。
次なるポイント → 積極投資する必要性があるか
さて、毎年800万円を貯金されているのであれば、私なら半分程度を毎月投資にまわす程度でしょうか。
よほど速やかにアーリーリタイアをしたいという願望でもない限りは、焦る必要はないのも事実です。積み立ては続けつつ、世間が暴落とはやし立てる時期まで現金を確保しておくのも中庸的な一案です。
不動産投資をやってらっしゃるのであれば、応分にキャッシュフローが見込めでしょうし、出口戦略が立たない物件でない限り、ポジティブ要素と思います。配当の必要性は、相応に薄れます。
収入の線が多ければ、それだけ1つの線にこだわる必要性は薄れますね。
いずれにしても、現金比率を保守的に確保しておくことは、精神面・資金管理の両面においてポジティブではあります。
そこを、どこまでリスクにさらすのか、その際には「ほかの収入源」「お金をどれぐらい使うのかという価値観」が判断要素として大きくなってきますね。
ご参考になりましたら幸いです。
Best wishes to everyone!
暴落した際の、資金を入れるタイミングについてです。あらかじめシミュレーション、定めておくのもよいと思います。
VIXを見ておくのも1つですね。押し目買いには有効に機能したケースも見られます。ただし、将来はわかりません。
私が実際にやってきた例です。「定期つみたて」×「狭義の一括投資」とでも言えましょうか。