20年後の「FIRE」を見据え、資産形成を考える

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20年後の「FIRE」を見据え、資産形成を考える

以下ご質問をいただいています。

ご質問

題名: ご相談

メッセージ本文:
穂高 唯希 様
「本気でFIREをめざす人のための資産形成入門」を購入し、拝読させて頂きました。
耳よりの情報ばかりで、大変役に立ちました。ありがとうございました。

私も現在夫婦共働き(共に30代前半)ですが、3年前から積立NISA等を利用し、毎月積立をコツコツ行っております。できれば、あと20年程でFIREできないものかと考えております。

以下が今のポートフォリオです。

  • 積立NISA
    ひふみ 毎月3万積立
  • IDECO
    emaxis slim 先進国インデックス 毎月6千円積立
    〃    新興国  〃      〃
  • 妻積立NISA
    emaxis slim 全世界インデックス 毎月2万積立
    〃   新興国   〃   毎月1万積立
  • 共同で積立
    emaxis slim米国株式S&P500インデックス 毎月2万積立
  • ワンタップバイにて毎月5万円以下の8つから一番割合の低いものを購入
    AT&T、IBM、アルトリア、エクソンモービル、コカコーラ、ファイザー
    P&G、マクドナルド

そこで、2つ相談があります。

  1. 現在のポートフォリオでなにか問題はないか?
    すなわち、穂高様の本で言及されているETFの積立を行っていないため、上のどれかを辞めて積立を行った方が良いか?
  2. ワンタップバイは、私どものように毎月5万円しか個別株のための投資資金がない者には、小数点以下の端数まで株が購入できるため大変便利と考えておりましたが、手数料の安い楽天証券やマネックスで購入した方がいいでしょうか?
    大手証券会社だと米国株が、1株単位でしか買えないため、変更を躊躇しております。

以上、長くなりましたが、ご教示頂ければありがたいです。

P.S.
本に書かれた「人生二度なし、悔いなく生きよ」の言葉が私にはとても心に響き、メールを書かせて頂きました。この本はFIREするための方法論だけでなく、私の人生観を変える1冊になったと思います。本当にありがとうございました。

うれしいお言葉、誠にありがとうございます。執筆した甲斐がございます。

自身にとって、どの投資対象が無理なく続けられそうなのかを探る

さて、ポートフォリオについてです。

拙著に配当金のメリット・デメリット、そして理論と実践を記載しております。

それら要素を天秤にかけた上で、「ご自身にとってS&P500に連動する(または市場全体に投資する)ETF(例:VOOやVTI、楽天VTIなど)か高配当株ETF(例:VYM)のいずれが続けやすいのかを探る」のが、1つの方法と思います。

とはいえ「どちらが良いのかよくわからない」場合は、

  • どちらも積み立ててみる
  • どちらか一方を積み立ててみる

となるわけですが、前提としてタイミングや期間によってリターンの優劣は変わるため、どの投資対象を選ぶとしても、「不確実性に賭ける」という要素を排除することはできません。

つまり、「特段多くの配当を得ることにこだわりがなければ、VTIや楽天VTIが一案。配当の特徴を知った上で好意的に感じるのであれば、VYM・HDV・SPYDを選ぶ」という整理が可能です。

こだわりがあるなら別ですが、ネット証券大手の最低手数料は撤廃されていますし、ネット証券大手で問題ないかと思います。

ETFが無難ではあります

また、個別株を挙げていただいております。

もし投資に時間をかけたり、特段のこだわりがなければ、個別株よりETFを一般的には推します。簡便に分散を図れるからです。

「特定のセクター・個社の盛衰は予測しづらい」という前提に立ち、分散するということですね。

「自身がしっくりくる、あるいは将来を比較的信じられる投資対象を選ぶこと」が長く続ける上で肝要と思います。

既に積み立てている投信がある

すでに共同で「emaxis S&P500」を積み立ててらっしゃるので、投信やETFを多く保有する必要性は見いだしづらいです(‥※)。

そのため、私でしたら既存のemaxis S&P500にそのまま5万円を追加的に回すのも一案と考えます。

※「すでに既存の投資対象で広く分散されており、保有する金融商品が多くなると管理が煩雑というデメリットのみが考えられるため」との意味です。

まとめ、そして出口戦略

まとめると、以下の通りです。

  1. 「配当にこだわりがなければ、VTIや楽天VTIも一案。配当の特徴を知った上で配当を好意的に感じるならVYM・HDV・SPYDを選ぶ」という整理が可能
  2. ETFであれば簡便に分散を図れる
  3. 既存のemaxis S&P500にそのまま5万円を追加的に回すのも一案

こうなるんですが、、とはいえ出口戦略も考えておく必要があります。

つまり、FIRE後の資産取り崩し期です(ただし、20年後を資産取り崩し期として、その際に現行近代資本主義が継続し、さらに資本市場が同様に成長・継続するという大前提が裏にあることに留意)。

仮にFIRE後に資産を取り崩す場合、人によっては取り崩しは心理的に、とっつきにくいことも考えられます(一方、20年後ならVYMほどではないにせよ、増配によって高配当化する可能性もあり)。

  • 特に下落局面では株価下落により同じ額を取り崩す際には、保有口数の減少が大きくなります。よって、株価が下がったときに取り崩すのは、心理的な抵抗が予想されます(抵抗ない方は、その点問題ないです)。
  • また、配当控除を考慮すれば、税金面でも配当の方が譲渡益よりもメリットが大きくなる場合があります。

これらの面では「高配当株ETF」なり「VIGといった連続増配株ETF」から、将来的に相当程度の配当を自動的にもらう方が心理的には気楽という考え方もできますね。

投資では、よく過去傾向からの理論にのみ基づき、心理面が置き去りにされていることもありますから、意識しておきたい点です。

理論と実践、心理面への配慮

心理面への配慮は重要だと思います。

「理論や過去傾向を知り、実践を重ねていく中で、自分にしっくりくる投資手法を探る」ということが一案と思います。

ちなみに、以前オンラインでご相談いただいた方で「インデックス投信の積み立てで、まったく普段値動きが気にならない」という方もいらっしゃいました。結局は、人によります。

そういう方にとっては、楽天VTIやemaxisを、毎月機械的に自動積立するのも本当にストレスフリーな手法なのだと思います。

まずは少額からやってみる、そして自分の心地よい塩梅を探る、というかたちもひとつですね。

ご参考になりましたら幸いです。

Best wishes to everyone!

配当金のメリット・デメリット・考察等については、以下をご参考いただければと思います。

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公開日:2020年7月16日