【増配率比較】VTIも高配当化するが、VYMの方がさらに高配当化している
本記事は、以下のような方に向けて記しています。
- セミリタイア・FIRE・配当金生活を、近い将来 or 遠い将来にめざしたい
- そのためにインカムを多く得たいが、どういったETFを選べばよいか考えている
VTI | バンガード・トータル・ストック・マーケットETF |
VYM | バンガード・米国高配当株式ETF |
VIG | バンガード・米国増配株式ETF |
上記3つのETFの分配金(2020年)が出そろいました。そこで、増配率を算出。
結果は、下表・グラフの通りです。
年間分配金と増配率の推移(VTI・VYM・VIG)
VIG | VYM | VTI | ||||
分配金 | 増配率 | 分配金 | 増配率 | 分配金 | 増配率 | |
2020年 | 2.30 | 7.6% | 2.91 | 2.3% | 2.77 | -4.7% |
2019年 | 2.13 | 4.7% | 2.84 | 7.3% | 2.91 | 11.5% |
2018年 | 2.04 | 6.2% | 2.65 | 10.3% | 2.61 | 11.2% |
2017年 | 1.92 | 5.1% | 2.40 | 8.8% | 2.34 | 5.8% |
2016年 | 1.83 | 0.4% | 2.21 | 2.7% | 2.22 | 7.2% |
2015年 | 1.82 | 14.8% | 2.15 | 12.6% | 2.07 | 10.6% |
2014年 | 1.59 | 14.2% | 1.91 | 9.1% | 1.87 | 11.7% |
2013年 | 1.39 | -1.6% | 1.75 | 9.8% | 1.67 | 7.0% |
2012年 | 1.41 | 20.5% | 1.59 | 20.0% | 1.56 | 26.8% |
2011年 | 1.17 | 11.4% | 1.33 | 21.6% | 1.23 | 7.4% |
平均増配率 | 8.3% | 10.5% | 9.4% |
- 減配:VIG(2013年)、VTI(2020年)
- 増配率:VYM > VTI > VIG
なお、直近分配利回りは、「VYM 3.2%、VTI 1.4%」です。
この傾向が仮に今後も続くとすると、以下整理が可能です。
- 足もと分配利回りは、VYM(3.2%)>VTI(1.4%)
増配率がたとえ「VYM 10%、VTI 15%」でも、20年後の分配利回り「VYM>VTI」のまま - 10年後・20年後であっても、インカムを多く得るにはVYMの方がVTIより適している
10年前より、分配利回りの差は開いている
ちなみに、2011年始にVYM・VTIを購入していた場合、買値に対する分配利回りは、下表の通りです。
買値 | 分配金 | 買値に対する分配利回り | |
VYM | 42.5 | 1.33(2011年) 2.91(2020年) |
3.1%(2011年) 6.8%(2020年) |
VTI | 65.6 | 1.23(2011年) 2.77(2020年) |
1.9%(2011年) 4.2%(2020年) |
VYM(3.1% → 6.8%)、VTI(1.9% → 4.2%)とそれぞれ高配当化しています。これが長期投資の威力ですね。ただし、VYM・VTIの分配利回りの差は開いています。
原因は以下の通りです。
- 元々の分配利回りがVYMの方が高い
- 増配率がVYMの方がやや高い
ちなみにトータルリターンはどうか
ちなみに、2018年まで「VYMは、市場平均並みのトータルリターン」でした(下図)。
ところが、2018年以降、変化が生じます(緑枠)。
趨勢を変えたのは、GAFAMです。Game Changeと言ってよいほどの変化。
直近の値動きの印象が強まりがちですが、この新常態が続くと見るか、以前の傾向に戻ると見るか、ここもポイントですね。
まとめ
ポイントを再掲します。
- 足もと分配利回りは、VYM(3.2%)>VTI(1.4%)
増配率がたとえ「VYM 10%、VTI 15%」でも、20年後の分配利回り「VYM>VTI」のまま - 10年後・20年後であっても、インカムを多く得るにはVYMの方がVTIより適している
つまり、FIRE・セミリタイア後のキャッシュフローを配当に求める場合、高配当株ETF【VYM】はやはり有力な選択肢になるということです。
なぜなら、この10年の傾向が今後も続くとすると、
- VYMとVTIの分配利回りは足もとでもVYMの方が高いのに、
- 増配率までVYMの方が高ければ、
- 両者の分配利回りの差は開く一方、
だからです。
とはいえ、過去の傾向に依拠しすぎるのも考えものですから、バランスは常に重要ですね。
なお、申し添えますと、キャピタル最優先でねらう場合は、増配率は気にする必要は特にありません。
ご参考になりましたら幸いです。
Best wishes to everyone!
ご紹介した3つのETFの詳細は、以下の通りです。