株式投資における時間分散の考え方・メリットとは?
はじめまして。20代前半のサラリーマン(独身)です。
投資をするにあたり時期を分散させることが必要なのは当然だということは理解しております。
そのため毎月定額5万円を投資信託で運用中なのですが、親族の不幸があり約1500万円相続を受けました。
この1500万円で米国株やETF購入を考えておりますが、どのくらいの期間をかけて、購入していけばいいのでしょうか。ご教示いただければ幸いです。
ご質問ありがとうございます。また、この度はご愁傷様です。
時間分散の狙い・メリット
それでは、まず時間分散の考え方を念のためおさらいしておきますと、時間分散の狙い・メリットは以下の通り。
マーケットは常に我々の意志とは無関係に変動するもので、私たちがいくら沈思黙考しようとも市場の価格変動を読むことはできません。
購入タイミングを図ることは難しく、時間対効果は高くない
つまり、購入タイミングを図ることは、それだけ投資家にとって難しいものであります。
尚、購入タイミングに限らずマーケットを予想するのは困難です。
絶好調だったタバコ株が暴落し、鉄壁の配当王という名を欲しいままにしていたジョンソン・エンド・ジョンソンが一時反落し、永遠の不発弾だったIBMが急騰する。
これが想像できるのは、神か、FDA当局者か、各社内関係者か、天才ぐらいでしょう。
まずは「株式市場などあらゆる市場に対して謙虚に向かい合う(=そもそもマーケットを読み解くのは困難と自覚する)ことが投資マインドとして適切」と三菱サラリーマンは考えます。
このマインドは、いわゆる後ろ向きな「努力を放棄した諦め」ではなく、あくまで一定の事実性を有する客観的事象として自分の中で咀嚼しておくことで、マーケットと対峙した時や投資戦略を設定する際に、バランスのとれた精神性で自分を律する効果が期待されます。
確かに200日移動平均線など、参考になるテクニカル指標もあるにはありますが、いわゆる”騙し”になることも全然あるため、必ずしも未来を見通せるものではありません。
なので、タイミングを図ることに時間をかけるのは、多くの投資家にとって時間対効果が高いとは言えません。
自動積立で時間分散し、機械的に積み立てることで高値掴みを避ける
多くの投資家が一度は経験があるかもしれませんが、マーケットが好調な時ほど人間は多くの株式を購入したくなり、下落している時ほど何らかの理由をつけて自分を納得させて購入を渋るものです。
これでは自ら死地に飛び込んでいく可能性が高まるものであり、これこそが損失を招く源泉であり、そしてこの反対の行動を採ることが肝要です。
そのためには、自動積立で毎月一定額を積み立てていく手法は、上述したような心理を排除できるので有効です。
>>関連記事:株式投資のはじめ方|SBI証券で自動積立サービス活用のススメ
1500万円をどのような時間軸で投資していくか
では、以上を踏まえた上でご質問の「1500万円を投資する上で、時間分散の適切な期間」についてです。
機会損失と時間分散のバランスをどう取るかがポイントになってくると思います。
例えば私は「株式に投資していない期間の機会損失」を重くとらえる方なので、1年間ぐらいで1500万円を投じてしまうと思います。
一方、そこまで機会損失に敏感でない方であれば、2~3年かけて1500万円を投じていく形で良いのではないでしょうか。
のんびり5年間かけてゆっくり積み立てていく方法もあろうかと思いますが、5年となるとさすがに機会損失を私なら感じてしまうかもしれません。
このあたりは自分がしっくり来る形で行うのが良いかもしれません。1~5年というのを目処として挙げさせて頂ければと思います。
ご参考になれば幸いです。
Best wishes to everyone!
時間分散については、以下の資産運用まとめ記事にも記載しています。
時間分散だけでなく、セクター分散という方策もあります。
時間分散以外にも、投資対象を分散するという考え方もありますし、私もそうしています。