今をもっと豊かにしたい若者こそ、配当金は好適

株式投資を始めようと思っているが、今を豊かにしたい」という20代後半の方からご質問を頂きましたので、以下回答申し上げます。

確かにそのような価値観もありますよね。

株式に長期投資し、再投資を続けていくということは、いわば将来に対して種を蒔いているわけです。私は20代は種まきの時期と位置づけ、実際にそうしてきました。

一方で、20代を種まきの時期と位置付けるよりかは、金銭的にも目一杯使いたいという方もおられると思います。これは価値観の問題なのでどちらが良い悪いという類のものでは勿論ありません。

そこでおすすめできる手法としては、「高配当株を購入し、配当金を気前よく全て使ってしまう」という形です。

将来に対して種を蒔きつつも、「今」倹約せずに、配当金を気前よく使うことで、消費と投資のバランスを取るという戦略が挙げられます。

株式投資で「老後ではなく、今」を豊かにする方法とは

20代後半の方からのご質問

遅ればせながら今から投資を始めようと思っています。20代後半です。定年後の資金もそうですが、どちらかというと今をもっと豊かにしたいです。

まずなにから始めたらいいでしょうか。株の口座は開設済です。

ご質問頂き、ありがとうございます。

そうですよね、老後にお金が沢山あるのはそれはそれで好ましいことですが、若い時にあれば尚望ましいですよね。

「遅ればせながら」と記載なさっていますが、そんなことはありません。思い立ったが吉日、何事も遅すぎることはありません。

さて、

  1. 証券口座は開設済
  2. 今を豊かにしたい

ということなので、株式投資をベースに話を進めます。

結論的には、「米国高配当株式ETFである「SPYD」を、毎月給与から生活費を差し引いて貯蓄できる額を淡々と機械的に積み立て、受取配当金を全額気前よく使う」のが良案になり得る1つの解と思いますが、どうでしょうか。

SPYDの詳細はこちら

株式というのは、保有していると配当を受け取ることができます。

企業と個人の関係で言えば、配当とは、企業が事業で得た利益を、企業のポケットから株式を保有する個人(=株主)のポケットに移す行為のことを言います。

企業が倒産すれば株券は無価値になり、紙くずになります。一義的にはその「無価値化リスクを負って株式を購入し、企業にリスク資金を提供する対価として、企業が事業で得た利益の一部を配当として還元してもらう」わけですね。

リスク資金を提供すると言っても、厳密には既に流通しているものの所有者が移転するだけということにはなります。

受取配当金を全額使ってしまえば良い

今を豊かにする方法、それは、その「配当を受け取り、全額使っちゃう」。

例えば、300万円を投資(SPYD)に回せば、税引後年間で約10万円の配当金を受け取れます。

10万円あれば結構色んなことできますよ。

10万円あれば、2000円の高級ランチに週に約1回(年間50回)いけます。

湯河原の超高級旅館に1泊できます。

自分の財布からとなると気が引けますが、あくまで会社の財布(とはいえ株主資本)から自分の財布に移転してきたものが配当金ですから、そんなに気負う必要もありません。

配当金とは、自分で労働力を投下して得たものとは異なります。

企業が、事業運営を行うことで利潤を得て、それを原資として(会計論的に言えば)株主資本の1つである利益剰余金という勘定科目から配当金という形で株主に分配するのです。

自分が働いて得たお金とは別に、もう1つお財布ができるわけです。これなら、遠慮なく使いやすいかもしれません。

もし将来の資産やキャッシュフローを最大化したいのではなく、「今を豊かにしたい」のであれば、この配当金を再投資せず、使ってしまうことが一案です。

臨時収入というご褒美として配当金を捉えるわけですね。

とはいえ、あくまで果実(配当金)のなる幹は残す

もちろん、株式投資をせずに給与を全額消費してしまえば、近視眼的には物質主義・刹那主義的な人にとっては「今を豊かにする」ということにはなるのでしょう。

しかしそれではいつまで経っても

  • 稼ぐ→使う→稼ぐ→使う→・・・

といつまでもお金を稼ぐために労働を続けなければならず、終わりが見えづらいです。

せっかく給与という形で「将来の果実を生み出す可能性のある樹木の種子」をもらっているのに、それを目先の消費という形でその権利を放棄してしまうようなものです。

対して、株式投資を続けていれば、近視眼的には使えるお金は少なくなるものの、配当金という果実は生まれ、それを「今を豊かにしたい」という願望によって消費に回しても、果実の大本となる幹を切り倒すことにはならず、果実をぱくっと食べるだけです。

幹はそのまま残り、また明くる年に配当金という果実が幹から零れます。

つまり、将来に対して種を蒔きつつも、過度に「今」倹約せずに、配当金を気前よく使うことで、消費と投資のバランスを取るという戦略です。

こびと株さんなんかは、まさにそのタイプと思います。

今を豊かにするのか、将来を豊かにするのか

資産運用以外にも言えることですが、世の中にはよく「トレードオフ」という関係が存在しますよね。

一方を優先させると一方は成り立たない、つまり両立はできないことです。

例えば、今回のご質問で言えば、「いまを豊かにしたい」ことと「将来を豊かにしたい」ことはよほど原資がない限り、同時に達成するのは難しいですよね。

いまを豊かにしたいなら、配当金は全額使っちゃうのも一案ですし、先の将来を豊かにしたいなら、配当金は再投資して、更に果実を大きくするのが良案と思います。

いずれにしても、ご自身の価値観に沿って、投資戦略ならびに配当金の扱いも柔軟に決めていくこと、肝要と思います。

Best wishes to everyone!

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公開日:2018年11月22日