
米国高配当株ETFの投資にあたり、以下リスクに関するご質問を頂きましたので、下段に回答申し上げます。
- 暴落・減配リスク
- 個別株のような倒産によるETFの無価値化リスク
- ETFへの集中投資の是非
米国高配当株ETFの投資にあたり、留意したいこと【ETFのリスクとは】
題名: 米国高配当株ETFのリスクについて
メッセージ本文:
三菱サラリーマン様、はじめまして。
私は転職を機にうつ病になり、それでも会社を辞めることが出来ず今日まで10年間漫然と生きてきた38歳の会社員です。
つい数週間前、貴殿のブログを初めて拝見し、物事の考え方や行動力にとても心を動かされました。
長年悩み、あらゆることへの意欲をなくしていましたが、自分に適さない環境は自分で如何様にも対処出来るということ、そんな単純な事に三菱サラリーマンさんのお陰で気付くことが出来ました。
ようやく前を向いて進むことが出来そうです。本当にありがとうございます。
そして早期退職という目標を立て、それに向けて動き始めました。そこでいくつか質問させてください。
現在は高配当の米国ETFを主軸にするべく、購入に向けて準備を進めている所です。
(国内の高配当個別株も少し持っていますので、それらも銘柄を厳選して増やしていくつもりです。)
①ETFのリスクについて
どのようなリスクがどの程度の頻度で考えられるのでしょうか?
著しく分配金が減ったり、上場廃止や個別株でいう倒産により株券が紙切れになるというような状態はありえるのでしょうか?
またETFは1銘柄に集中投資しても良いのでしょうか?ETFも数銘柄に分散すべき?
②ETFへの資金の投入について
現在の資金
- 普通預金 300万円
- 会社積立 1650万円(税引前1%ペイオフなし)
- 国内株 300万円
元々手取り給与の6割程度を貯金していたのでその分をほぼETF購入に切り替える予定です。
それに関しては特に抵抗はないのですが、上記の会社積立1650万円をETF購入に使うことに抵抗があります。
早期退職という目標のため、この資金を投入しない手はないと頭ではわかってはいますが、今まで投資ではなく貯蓄しかしてこなかった弊害なのか、なかなか踏ん切りがつかない状態です。
②はちょっと質問になっていませんが、三菱サラリーマンさんの考え方などを教えていただければ幸甚です。
末筆ではございますが、三菱サラリーマンさんのブログに勇気づけられたり、そんな考え方もあったのかと感銘を受けたのは私だけではないと思います。
これからもブログの更新、楽しみにしております
有難いお言葉をいただき、ありがとうございます。ブログをやっていてよかったと思える瞬間です。
さて、ETFの以下3リスクについて、青字で付記申し上げます。
- 大減配・暴落リスク
VYMのリーマンショック時における減配・暴落が参考になります。
株価:53%下落、分配金:31%下落
- 個別株のような倒産によるETFの無価値化リスク
0とは言い切れないものの、よほど特殊な状況。当該シナリオを精査するには、事がやや大いか。
- ETFへの集中投資の是非
上述減配・暴落例を認識することが大前提と思います。精神衛生上は、複数への投資が好ましそうです。
①ETFの暴落・大幅な減配リスク
2009年3月5日にVYMは、22.93ドルまで下落。直近高値は2008年4月3日の48.62ドルですから、下落率は53%です。分散されたETFでもS&P500指数全体が暴落すれば、やはり連れて暴落します。

分配金も直近四半期配当4回合計ベースで高値の1.56から1.08まで31%の減配となりました。
コロナショックを経ても、高配当株ETFの中で、リーマンショック時におけるVYMの下落率が最大となっています。(当時HDV・SPYDは、そもそも未設定)
下落頻度は以下記事が参考になると思いますので、ご参考に供します。
過去リセッションで株価は何%下落したか【リセッションと株価の相関性】
②個別株のような倒産によるETFの無価値化リスク
0とは言い切れませんが、当該シナリオを精査するには、事がやや大きそうです。
たとえば、VYM・HDV・SPYDなどの米国高配当株ETFは、構成銘柄の数十~数百社が軒並み倒産すれば、ETFの価値も原理的には0になり得るでしょうが、そのような事態が起これば、そもそも株式投資どころではない状況と思います。
仮にそのような事態が起きれば、恐らく日本企業も、皆さんがお勤めする企業も、通常の企業活動は継続できていないであろう未曾有の事態であり、もはや個人がどうこうできる状態ではありません。
ですから、そのような超常的な事態を想定するのは現実的でなく、そこに時間を割く必要性は大きくないと考えます。
③ETFへの集中投資リスク
上述減配・暴落例を認識の上で投資することが、大前提と思います。
運用会社倒産リスクという観点からも、例え資産運用会社が倒産しても顧客の資産は別勘定で管理されます。
一定程度の分散が図られたETFであっても、保守的にVYM・HDV・SPYDなど複数へ投資した方が精神衛生上は好ましそうです。精神面への配慮は、やはり重要と思います。自分が思ってるほど、リスク許容度は概して高くないからです。
各々資産運用会社が異なり、バンガード・ブラックロック・ステートストリートの3社です。
また、ETFへの集中投資をする上で、運用会社の倒産・ETFに十分な資金が集まらない等のリスクが挙げられます。
A)運用会社の倒産リスク
運用会社の倒産におけるリスクについては、米国株はDTC(Depository Trust Corporation)と言う形で顧客の資産は運用会社とは別に保全される方法が採られている、とされています。
FXでいう信託保全と同様ですね。FX業者が破綻しても顧客資産は別勘定で保全される性質のものです。
B)ETFに十分な資金が集まらず、上場廃止となるリスク
この点も上述3社であれば、その規模と優位性から現時点では考えづらく、現実的に対策を考えるレベルのものではないと考えます。
C)流動性リスク
ETFの性質上、流動性は結局構成銘柄の流動性次第です。
ゆえにETF特有のリスクというよりは、個別銘柄と同じ性質のものになります。
ETFへの投資タイミングについて
ご質問文にある「会社積立」というのは、いわゆる社内預金/財形貯蓄に類するものと理解しました。
この現金同等物をETF購入に充てる件ですが、こちらは一般的には長すぎず短すぎもしない3年ほどかけて時間分散する形が、中庸的な一案としては挙げられます。以下もご参考に供します。
投資タイミングについて【①一気に入れるか、②暴落が来るまで定期つみたてか】
まとめ
- 大減配・暴落リスク
VYMのリーマンショック時における減配・暴落が参考になります。
株価:53%下落、分配金:31%下落
- 個別株のような倒産によるETFの無価値化リスク
0とは言い切れないものの、よほど特殊な状況。当該シナリオを精査するには、事がやや大いか。
- ETFへの集中投資の是非
上述減配・暴落例を認識することが大前提と思います。精神衛生上は、複数への投資が好ましそうです。
ETFは手軽に分散が図れる優れた商品です。ただし、市場全体が下落するときは、やはり連れて下落します。株価が半分以下になるリスクも認識の上で、株式投資は行うものですが、ETFも例外ではありません。
また、連続増配株と異なり、ETFでは多くの銘柄が組み込まれている分、減配リスクは比較的高頻度で見られます。これらに留意の上、ETFの投資を行うことが望ましいと思います。
末筆になりますが、有難いお言葉を頂き、重ねて御礼申し上げます。
ご参考になりましたら幸いです。
Best wishes to everyone!