全世界株式(オルカン)が最高値更新「売るべきか、売らぬべきか」どう考えるか
全世界株式(オルカン)は今週も最高値を更新しました。
昨今、以下のような言説も出始めています。
- オルカンはオワコン
- 米国株はITバブルなみに割高
かような状況で、オルカンについて今後の投資方針をどう考えればよいでしょうか。
どう考えるか
将来の株価を精緻に予測することはできないので、「対象に対してどう考えるか」が肝になってくると思います。
- 投資の前提に立ち返る
- 投資している対象を知る
① 投資の前提に立ち返る
そもそも「なぜ自分がオルカンへ投資することにしたのか」を確認してみましょう。
オルカンへ投資している人は、「今後も世界が成長し、株価が上がっていく」という想定に基づいて投資したはずです。価値が下がっていくだろうなぁと思うものにわざわざ誰も投資しないですものね。
であれば、その前提が崩れるような「世界情勢の壊滅的・不可逆的な変化」でもないかぎりは、投資継続というのが元々の投資方針に沿う行動といった論理展開にはなります。
② 投資対象の中身を知る
万事に通じると思いますが、「自分が何をしているか」が客観的に判然とすれば、対策や方針を立てられます。
つまり、この場合は「自分が何に投資しているのか」を明確に知ることです。
オルカンであれば、組入上位10か国は以下の通りです。
- 米国:64%
- 日本:4.9%
- 英国:3.2%
- カナダ:2.8%
- フランス:2.3%
- ドイツ:2.2%
- スイス:2.1%
- 台湾:1.9%
- ケイマン諸島:1.9%
- インド:1.7%
つまり「全世界株式」という名称ですが、実態は6割以上が米国株に偏っています。
米国偏重である理由は、オルカンの原指数であるACWI(All Country World Index)が、「時価総額加重平均」という算出方法で、「時価総額が高い銘柄の比率が自動的に高くなる」からです。その結果、世界で最も時価総額の大きい企業が多い米国株の比率が高くなるのです。
したがって米国株の動向に大きく影響を受けることになります。オルカンは「疑似米国株」ということです。
補足:オルカンと米国株は一蓮托生
なお、時価総額加重平均なので、米国株が値下がりし世界株のなかで時価総額が相対的に小さくなれば、米国偏重はじきに解消されることになるでしょう。
ただし、銘柄入れ替えはあくまで下落後になされタイムラグを伴うため、米国が下落すればやはりオルカンも下がることになります。
また、オルカンは為替の影響を受けます。投資対象経済圏の通貨の影響を受けるので、米ドル円レートの影響を現状6割ほど受けます。
ちなみに2025年8月時点の月報によれば、上図のとおり為替要因(円安)による寄与度が全体の23%を占めています。
③ 主な投資先の米国を知る
では、米国は今どのような状況でしょうか。足もと米国は主に以下のような懸念を抱えています。
また、ITバブル期なみに米国株は割高(過去の傾向と比較して、売上高や利益に対して株価が非常に高い)な状況です。
こうしたリスクを重く見て米国株偏重を避けるならば、リスクを分散する。つまり投資対象を分散させることが対策になり得ます。
- 株式の地域分散(米・欧・日・新興国)
- 貴金属(金、銀、プラチナ)へ分散
- 暗号資産(ビットコイン)へ分散
― 価格変動が大きいので少量にとどめる形が保守的
(ちなみに、本来はここに米国債(中長期債)も候補になりますが、足もと米国の信認低下という事象が起きているので念のため候補から除外しています。米短期債はドル安リスクはあるものの金利上昇によるリスクはほぼなく、中長期債より選択肢になると思います)
とくにコロナ禍以降はインフレ時代の幕開けです。加えて米ドル離れが進む昨今は金(ゴールド)はインフレ時代の分散先として定石になってきます。2023年頃から分散先のひとつとして、ブログでも「お金の相談会」でも提示してきました。
まとめ
「最高値を更新しつつもオワコンとの言説も出るオルカンを売るべきか」を考える視点について以下のようにまとめられます。
- 投資の前提に立ち返る
- 投資している対象を知る
- 主な投資先の米国を知る
- 米国偏重を避けたければ、投資対象を分散する
日米欧・新興国
貴金属(金・銀・プラチナ)
暗号資産(ビットコイン)
関連記事
株式の地域分散(米・欧・日・新興国)をする際には、以下の記事が参考になると思います。
米国株は指標上は割高です。
紛争が起きると、当該国がACWI指数から外されることで価格下落が想定されます。

