いま金融市場で何が起きているのか
米国株も日本株も急反発しています。ブラジル株は最高値をとっていますし、ドイツ株もほぼ最高値です。
ちなみにドイツ株は、ドイツが財政規律を緩め、戦時体制かのように軍需産業に財政出動していることが主因として挙げられます。
私たちは、この株高を素直に喜んで良いのでしょうか。この数十年「下げれば買う」ことで奏功してきた成功体験をもとに、これからも「下がれば買い」という条件反射のような投資行動で良いのでしょうか。
株高なのに、金利高
ひとつ言えるのは、「米債券市場で金利高が慢性化している」ということです。これは債券が売られていることを意味します。

米国債10年物の利回りは、4.5%程度であり、2007年以来の数字です。
米国の債務膨張
ただし2007年と大きく違うのは、当時より米国の財政赤字は大きく拡大しているということです。

年度別 米財政赤字(出所:米財務省)
米政府の借金が増えたということですね。金利が上がると、借金(新発国債)の利払いが増えるので、いまトランプ政権は今夏に控える大量の米国債の借り換えを低金利での実施を期しているとみられます。
米政権の急所:債券市場
トランプ政権は株安を招いてまで金利安に導こうとした(通常、株安局面では債券に資金が流入)とみられますが、その過程で予想外に米国債が売られ、逆に金利が高まったことによって、債券市場を落ち着かせるために関税政策の撤廃や軟化を示してきたといえます。
その傍証として、ベッセント財務長官は長期金利が4.5%を上回ってくるたびに債券市場を落ち着かせるような発言をしています。
トランプ政権が重視してるのは、株式市場ではなく債券市場とみられます。なぜなら、債券市場は米国の新発国債の利払い額に直接影響を与えるからです。
連邦政府債務は36兆ドルで、利払い負担は年1兆ドルと国防予算(約9,000億ドル)を上回り、米財務省は「持続不可能」と表現しています。
米国債、米ドルへの信認低下

4月以降、株高が続いているわけですが、気になるのは上図のとおり長期金利が高止まりしているということです。
通常、金利高は株安を誘発するわけですが、現在は金利高・株高となっています。金利が一段高となれば株高を正当化しにくくなりますから、この点は認識しておきたいところです。
2007年も長期金利は4.5%程度あったわけですが、ちょうどその頃に起こったリーマンショック以降、米国の中央銀行に相当するFRBは大規模な金融緩和を続けてきました。
既存通貨への信認
日本も同じく大量の国債を中央銀行が買うという禁じ手(通貨価値の毀損を招く)を行ってきました。すでにMMTまがいのことをしています。
日米ともに政府債務が膨張し続けており、いずれは中央銀行が最後の買い手とならざるを得ない時期が来るかと思います。しかしその行動が意味するところは、財政ファイナンス、つまり通貨価値の毀損。
私たちは今、そのような不確実性の高い時代を生きていると認識しています。いたずらに不安を煽るつもりはありませんが、この点は非常に重要で認識しておく必要があるということです。
「株は下がったら買い」とパブロフの犬のような条件反射をずっと続けていてよい時代もあれば、そうでない時代も過去にはあります(トランプショックでは買ってますけども笑)。
まとめ:既存通貨とゴールド
言えるのは、
- 日米両政府の債務が膨張している
- 両国の中央銀行ともに国債の重要な買い手となっている
- 歴史を振り返れば、インフレや戦争によって債務を減免してきた事実
これらを念頭に置く必要があると思います。
これらの事象から導き出される帰結は、日本円と米ドルの将来的な価値毀損であり、その代替として価値が出てくるのは、伝統的にはゴールドということになります。
お金の相談会で、私が分散先のひとつとして提示してきたのがゴールドでもあります。
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2年前の記事と要旨はさほど変わりません。