三菱商事(8058)の株価、テクニカルと過去PER・PBRから現状を確認
三菱商事(8058)の株価について、以下の視点で最新の状況を確認します。
- テクニカル(日足、週足)
- 過去PER・PBRレンジ(おさらい)
日足
4月25日(金)終値時点のチャートです。
上値抵抗線を突破してから戻りが早かったですね。トランプ関税発表前の高値まで早々に戻りました。
商事株は2,700円で一部利確し、トランプショックの底値付近で買えた未売却の銘柄・玉の現引きに充てました。
短中長期MAの1点収束を終え、引き続きストキャス、RCIもすべて上向き。長期MAは上向きに転じ、中期MAは下げ角度がややゆるやかになりました。テクニカル的には引き続き形は良化してきています。目先の節目は直近高値2,710円。
トランプ政権の関税政策は債券市場の騒乱によって当初の思惑(株式から債券へ資金を流し、新発米債の利回り低下)通りに行かず、頓挫の様相が色濃くなってきているでしょうか。
米債が売られれば利払い負担増→米財政悪化要因になるので国益を損ね、さすがに今後は債券市場に配慮せざるを得ないでしょうから、表面的に攻勢を強めることはできても実際の行動に移すには今後はハードルが高まると想定します。
とはいえ金融市場が落ち着いてきた今、また強気の発言や姿勢をとる可能性に配慮し、いったん買付余力を高めるかたち。
週足
今週明確に上値抵抗線を超え、上ヒゲの短い大陽線で引けました。騰勢の強さを意識させる動きです。
ストキャスは急角度でのゴールデンクロス。RCIは短期切り返し。
3週目の高値を超えてきました。次なる上方向の節目は直近高値の2,840円付近。逆に下方向は2,441円付近。
PER・PBRレンジの観点:下落めど1,900~2,500円程度
なお、おさらいとして、バフェット効果切れを考慮したPER・PBRレンジの観点から見た下落余地は、以下のように整理することは可能です。
今後の変数を除いて過去に依拠した机上の計算で、かつPERレンジがバフェット効果前の上限までの下落にとどまるという前提条件を付した場合、株価の下落めどは2,500円~1,900円程度という結論が導出されました。
三菱商事(8058)の過去PER・PBRレンジから株価下落余地を探る 三菱商事の株価は軟調が続いています。 有名投資家ウォー...
まとめ
以下のようにまとめられます。
- 日足:トランプショック前の水準まで一気に回復、テクニカル的には悪くない形を維持、目先の節目は2,710円付近
- 週足:節目としていた上値抵抗線を明確に上抜け、大陽線で強い騰勢
- バフェット効果切れを考慮したPER・PBRレンジから機械的に算出される下値めどは「1,900~2,500円」という値に着地
景気敏感株の戻りが鈍いものの日経平均株価はひきつづき下値を切り上げ、連日窓を空けての戻り高値を更新。日本株全体としてもよい動きが続いています。
関税動向や米債券市場(長期金利)に振られる展開が続きそうですが、上段に記したとおりここから底値割れへ向かうには相当新たな視点の材料がないかぎりないのではと見えます。
とはいえかなり戻してきましたのでいったんリスク量をやや落として、押し目が来ても一部買えるようにしたかたちです。
なおテクニカル分析は、経済指標やイベント等による大きな流れが生じると効かなくなることもありますし、あくまで傾向として意識される可能性がある、といった位置づけと言えようかと思います。大前提として将来の株価はわかりません。
いわば「暗中模索、五里霧中という株式相場のなかで、暗闇をほのかに照らす懐中電灯にはなる可能性がある」といった塩梅。
一方、昨今はAIによる売買が隆盛を極めており、その売買判断にはテクニカルが用いられていると思われ、以前よりは有用性が高まっているのではないかと個人的には想像しています。ただし、いずれにしても特定の売買を推奨するものではありません。
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