三菱商事(8058)の過去PER・PBRレンジから株価下落余地を探る
三菱商事の株価は軟調が続いています。
有名投資家ウォーレン・バフェット氏が日本の五大商社をバルク買いした、いわゆるバフェット効果が現れて以降、商社株は大きく上昇しました。
原油は軟調に推移しているものの商品先物指数(CRB)を見ると商品市況全体としては足もと悪くありません。しかし商社株は軟調が続いており、単純にバフェット効果によってバリュエーションが上昇したものの、適正な値に収れん、つまりは以前のPER・PBRレンジに回帰する可能性も考えられます。
そうした状況をふまえ、本記事では過去のPER・PBRレンジから株価下落余地を探ります。
予想PERレンジ:5.5~8倍 → 株価25%の下落余地
ご覧の通り、バフェット効果(バフェットが五大商社をバルク買い)前となる2022~2023年4月頃までにおいては、PERレンジは5.5~8倍程度です。
これに予想EPS234.8円を乗じると、理論株価は1,291~1,878円になります。
つまりもし仮にバフェット効果前の市場評価に今後回帰する場合、足もと株価は2,500円なので、(さすがにPER5倍台に戻る可能性は低いとして)以前のPERレンジ上限付近とすると、25%ほどの株価下落余地が机上の計算上はあることになります。
PBRレンジ:0.8~1.1倍 → 株価はすでにレンジ上限まで下落
同様にPBRで見ると、バフェット効果前の三菱商事のPBRは、0.8~1.1倍で推移しています。バフェット効果以降は一時1.7倍をつけ、現在1.07倍。
つまり、バフェット効果前のレンジ上限まですでに株価は下落していることになります。
まとめ
ということで、今後の変数を除いて過去に依拠した机上の計算で、かつPERレンジがバフェット効果前の上限までの下落にとどまるという前提条件を付した場合、株価の下落めどは現在の2,500円~1,900円程度という結論が導出されました。
なお、商事は非資源分野よりも資源分野(天然ガスや金属など)から稼いでいるため、資源価格に利益が左右されるため、単純なバリュエーションだけでなく、実際は資源価格やその他国際情勢や金融市況が変数として存在します。
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