三菱商事、注目の2020年。増配により累進配当を維持の見通し。
累進配当を謳っている日本株の代表格ともいえる商事。
コロナショック発生の2019年度・2020年度見通しにおいて、日本株の累進配当を謳った結果、どういったプレスリリースとなるのか注目に値する点でした。
結果的には、2019年度は予定通り増配、2020年度も増配見通しということで「中期経営戦略2021」で掲げた累進配当の面目を保った格好。
三菱商事の基礎データ(2019年度)
コロナショック以前の三菱商事の配当関連のデータにおける傾向は、以下4点でした。
- 高配当
- 高増配
- 低い配当性向
- 低いバリュエーション(PER・PBR)
連続増配年数 | 5年 |
直近3年増配率(累計) | 65% |
配当支払月 | 6, 12 |
1株配当(DPS) | 132円 |
配当性向 | 37% |
(2019年度時点)
昨今の三菱商事を特徴づけるトピックの1つは、以下でしょう。
- 中期経営戦略2021で掲げる「累進配当政策」
三菱商事が掲げる「累進配当政策」(2019年時点)
三菱商事は以下のように「減配せずに利益成長に合わせて増配していく」”累進配当政策”を掲げています。

出所:中期経営戦略2021
資本政策については、財務規律を維持することを前提とし、配当は、現在の「累進配当」を継続し、更に、配当性向を現在の30%の水準から将来的に35%に向けて一段と引き上げることを目指します。
出所:三菱商事 中期経営戦略2021
2021年度の利益目標を9,000億円とし、累進配当を継続していくこととしました。仮に配当性向を35%とすれば1株当たりの配当は200円となります。
出所:三菱商事 中期経営戦略2021
三菱商事が掲げる「累進配当政策」(2020年時点)
「2020年度は、134円に2円増配の見通し。累進配当を継続。」ということで、さすがに2019年時点で例示した1株配当200円(2021年度)は絵に描いた餅となりそうですが、累進配当は維持した格好。
「景気敏感株とされる商社は、累進配当を謳いつつもどうなるのか」は注目に値するところでした。
累進配当の注意点
ちなみに、留意すべきは「累進配当」を謳っているのはあくまで2021年度までの中期経営計画であり、その後は不明です。
更に配当情報にも当然ながら、以下の通り注記がなされています。あくまで見通しである点も注意。
(注)上記の予想は、現時点で入手された情報に基づき合理的と判断した予想であり、潜在的なリスクや不確実性その他の要因が内包されています。
従いまして、実際の業績や配当は、見通しと大きく異なる結果となる可能性があります。
累進配当と謳っていても、将来的にはあっけなく減配されるリスクにはやはり留意しておくことが望ましいですね。
この手の情報や見通しにはあまり依拠せず、投資判断や計画を立てる形が吉と思います。
投資の見通しはあくまで保守的に立てておくぐらいでちょうど良いということ、従前よりの繰り返しになりますが再度強調しておきたいと思います。
Best wishes to everyone!
「マーケットはなんでも起こり得る」ため、セミリタイアをめざす方は、なにかに依存しないように平時から保守的に計画を立てておく方が無難と思います。
コロナショック後ということで、こちらもご参考に供します。