コロナショック後のいま、高配当株ポートフォリオを作るなら、どう作るか。

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金融・経済の観点に限って述べると、コロナウイルスの拡大によって株価が下げたことから配当利回りは概して上昇。

よって、高配当株ポートフォリオは個別株をトッピングせずともETFだけでも非常に作りやすくなっています

そのような現下において、「どのような高配当株ポートフォリオを作るか」というご質問について、以下回答申し上げます。

コロナショック後のいま、高配当株ポートフォリオを作るなら

ご質問

いつもブログの執筆ありがとうございます。
Twitter経由で当ブログに辿り着き、夢中になって拝読しております。

特に本投稿(高配当株ポートフォリオの作り方【税引後配当利回り4%、外国株+日本株】)が今の自分の目指す姿に近く、何度も読み直しました。

お忙しい中かとは思うのですが、仮に2020年4月7日を起点とし、同じ3,000万円を原資に高配当株ポートフォリオを作るとしても本投稿に記載の通りのポートフォリオを形成するか、もし異なるとすればどういったポートフォリオにするのか、ご意見を願えませんでしょうか?

(特に直近の下落においてSPYDに弱気な意見も散見されるため、お伺いさせていただきました。私も既にSPYDを700株程度保有しており買い増しを予定しておりますが、弱気な自分がいることも事実なため是非ご意見をお伺いしたいです。)

ありがとうございます。高配当株のポートフォリオを志向されているということなので、その方針に沿って以下進めさせていただきますね。

目下、高配当株ETFだけでも十分な配当利回りは確保可能

現在、コロナショックで株価が落ち込んでいるおかげで、個別株に手を出さずとも米国高配当株ETFで十分な配当利回りを確保できます(為替リスクが気になれば日本株を入れてもよいです)。そのため、目下局面ではETFを推します。

下表は高配当株ETF「VYM・HDV・SPYD」の以下2点を示したものです。

  1. 配当利回り(税引前・後)
  2. MAXドローダウン(コロナショック期:2020年初~3月末)
4/6時点 配当利回り(税前) 配当利回り(税後) MAXドローダウン
VYM 3.8% 2.7% -24.0%
HDV 4.4% 3.1% -26.1%
SPYD 7.3% 5.5% -36.6%

MAXドローダウンを参考とする

今回のコロナショックによる下落局面で弱気な自分がいる」と仰るぐらいですから、下落時の心理面への配慮を重視した方がよいと思います。

下落時の心理面への配慮をする上で参考になる1つの指標が、MAXドローダウンです。ドローダウンとは、一定期間における累積利益の下落幅です。

2020年初来で最も下落率が低かった高配当株ETFは、上表の通り、以下順です。

  1. VYM
  2. HDV
  3. SPYD

ちなみに…

なお、ここで認識しておきたいのは、当該期間でもって「下落率が大きい=ダメ」と結論付けるのは性急です。

下落率が大きいものは、上昇率が高いことも往々にしてあります。そのため「もう少し長い時間軸で見てから1つの傾向として捉える形」が最も中立的です(現に最近はSPYDの上昇率が最も高い)。

更に、「下落率が大きい=今後の上昇余地大きい」という解釈も一方で可能です。ゆえに、なおさら短期的な値動きに着目しすぎることはおすすめしません

MAXドローダウンが小さかったのは、VYM

話を戻しまして、下落時の心理面への配慮に適していて、「過去から未来を見通す」という前提の場合、おすすめできるのはVYMということになります。

  • 配当利回り4%が欲しい
    → ①「VYM+SPYD」、②「HDV+SPYD」
  • 配当利回り4%にこだわらない且つ下落時の心理的配慮を優先する
    → ①「VYM」、②「VYM+HDV」

税引後で配当利回り4%が欲しい場合、SPYDのトッピングが適しています。

逆に4%にこだわらない場合は、MAXドローダウンが小さかったVYMが適しています。

高配当株ポートフォリオの作り方、まとめ

いずれにしても、今は投資を始めたり、株式を購入する水準としては悪くない水準だと思います(ちょっと最近は政策的かつ人為的な上昇が目立っていますが)。

そして、弊ブログで強調してきたように、下落局面における心理面への配慮はやはり重要です。その際に参考になる指標は「MAXドローダウン」や「株価下落率」です。

なぜなら、株価が下がりにくい方が特に投資になじみのない方にとっては、心理的に楽になる要素だからですね。

そのような観点を持ちつつ、投資を進めていくことが良いのではないかと思います。まだお若いですし、じっくり焦らず投資と向き合っていくことをおすすめします。

また、「SPYDの弱気な意見も散見される」と記載いただいていることから察するに、情報を取る際は、その裏(ポジショントークの濃淡)まで見通すことも必要です。人が発信する投資情報は概してポジショントークが入りがちです。そのため、中立的な観点で情報を選別することを日頃から養う意識を持たれると、なお今後に資するかと思います。

ちなみに「弱気な意見」が増えれば増えるほど、投資妙味があるということは、よくありますね。

ご参考になりましたら幸いです。

Best wishes to everyone!

セクターごとの下落率も「自分にとって心地よいポートフォリオ」を作る際に参考になると思います。

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公開日:2020年4月10日