『半沢直樹(2020)』が思い出させてくれた「組織論理」と「個人の正義」

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『半沢直樹(2020)』が思い出させてくれた、三菱サラリーマン時代の決意

半沢直樹(2013)の感想記事の結びに、私は以下のように記しました。

後輩に責任を転嫁する「トカゲのしっぽ切り」を見ていて、人として軽蔑しました。

「絶対にああはなりたくない」と思っていました。

その一方で、「ずっとここにいると、自分もそうなってしまうんじゃないか」ともよぎりました。朱に交われば赤くなるからです。

そんなふうに「最初はそうでなかったのに、いつしかそうなってしまった」という人もいると思います。自分や家族を守るために、そうせざるを得ないからと。

作中でも、近藤直弼が実際に家族を守るために「タミヤ電機の重要書類を差し出して、大和田常務の甘言に服従する」という意思決定をしましたね。

そうやって、自分や家族の身を守るためには、ときに「大きなものに巻かれる」ことは、個人の損得勘定や生き残る術としては有効なのでしょう。

しかしそれは自分の正義、信念、道徳に反することになります。

自分の正義、信念、道徳に反する行為をしても平気な人もいるかもしれませんが、正義感が強ければそうもいきません。その後の人生でずっと十字架を背負うことになります。

自分の正義、信念、道徳。そうしたものをきちんと貫ける、自分が納得できる、そうした人生を歩みたい――。

そういう思いも、私がFIREを決断する大きな要因となったことを思い出します。

『半沢直樹』が示唆する「日本の会社組織の宿痾」とは

人としての「誠の道」を説いた作品

半沢直樹(2020)では、

  • 正義、信念、道徳
  • そして人としてどうあるべきか

が通底して描かれた「人としての誠の道」を説いた作品だったように思います。

これから社会に出る方は、見ておいてたほうがよい作品ではないでしょうか。伝統的な日本の大企業で実際に見られる現象が、作中で描かれています(笑)

U-NEXTで見ました。月額料金を払ってでも見る価値があると個人的には思いました。

醜悪な部分がさらけ出される組織

大企業でなくとも、社会に出れば、大なり小なり『半沢直樹』で描かれるような人間の醜悪な部分をいやでも目にするはずです。

とくに一流企業と世間で目される会社に入社した人は、高学歴で、難関を突破してきた人たち。だからこそプライドの高さもチョモランマ。

ゆえに負けん気も強く、

  • 和気あいあいとやっていこう

どころか、

  • 俺が一番や!!

と言わんばかりの鼻息の荒さです。

人のよい人ほど ”トカゲの尻尾” のごとく切られ、狡猾な人ほど世渡りが上手いという残酷な事実も目にするかもしれません。

世間で高偏差値とされる企業でも、中から見ると「(特定の観点で)なんや、こんなもんなんや‥」と思ったものです。

ゆるがぬ信念

そうした組織では、自分のゆるがぬ、絶対にゆずれない強烈な信念がないと、組織論理に飲みこまれてしまうでしょう。

その組織で一生やっていきたいなら、飲みこまれるのも一策です。しかし飲みこまれれば、そこに主体性はない自分の正義や信念を貫ける余地はなくなるのです。

したがって、そうした組織の内部でも自分なりの「道」を突き進みたいなら、ゆるがぬ信念とオスとしての闘う姿勢が最低限必要です。

『半沢直樹』が思い出させてくれたこと

本作を見て、あらためて考えてみました。

仲間とともに正義のために闘い、顧客や人々のために全力を尽くす

それは本当に美しい生き方です。私も胸が熱くなります。

そしてさらに、作中の主人公は、フィクションということもあってか、自分の正義と信念を貫けた。そこが最大のポイントだと思います

  1. 仲間とともに正義のために闘い、顧客や人々のために全力を尽くす
  2. 自分の正義と信念を貫ける

①・②、どちらもそろってこそ、組織で満足のいくはたらきができると私は思います。

①があっても、②が欠けていれば、つまり、自分の正義と信念を貫けず、あまつさえ主体性を失ってしまうぐらいなら、そんな環境に有限の人生の多くの時間を捧げるべきではない。それが私の考えです。

『半沢直樹(2020)』は、そんな当時の気持ちを思い出させてくれる作品でした。

そしていまは、組織論理に決然とあらがう必要もなく、自分の正義と信念を貫けます。「いまの生き方をえらんで、本当によかった」とあらためて思うのです。

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公開日:2023年12月31日