FIREをめざして高配当株ETFを買う際に考えておきたいこと
FIREをめざして高配当株ETFを買う方から、以下ご質問をいただいています。
題名: 投資規模・ペース
メッセージ本文:
お問合せ、失礼いたします。
東京都在住会社員の〇〇といいます(44歳、妻・子供3人、持家・ローン無し、金融資産4,000万円)。
書籍やブログ拝見させていただき、自分もFIRE目指すべく高配当株ETFを購入したいと思い、証券会社口座を開設しました。
取り急ぎ、総額1,500万円くらい運用したいと思いますが、どのくらいのペースで米国株式に投入していくのが望ましいでしょうか。
毎月20-50万円くらいずつを考えていますが、分散の考え方等、もしアドバイスいただけるようでしたら有難いです。
また、金融資産のうちどのくらいの割合を高配当株式に投入するか、何か考え方等あれば、ご教示いただけますと幸いです。
宜しくお願いいたします。
高配当株ETFの買い方と現金比率
ご記載いただいている通り、株式の買い方としてはVYMへのつみたてが一案と思います。「金融資産のうち、どのくらいの割合を高配当株へ投入するか」は、以下がポイントになります。
- どれぐらい近い将来に、どれぐらいの配当金を得たいか
- 現金比率がどの程度あれば、暴落が来ても心理的に平静を保てるか
① どれぐらい近い将来に配当金を得たいかによって、候補となる投資対象は変わることもあります(後述)。高配当株ETFをご希望ですから、VYMが有力と思います。
② たとえば50%の暴落が起きても、ろうばい売りしないように平静を保てるかは重要です。その意味で、4,000万円のうち1,500万円の運用をご予定されており、過度なリスクは取られていないと思います(リスクを取らない分、期待リターンも限定的にはなります)。
結論としては以上になりますが、一般的に考えておきたいのは、以下です。
- 株式の買い方によるメリット・デメリット
- FIRE後の収入源・何年先にFIREをめざすのか
① 株式の購入タイミングによるメリット・デメリット
本記事では、定期つみたてを一案として挙げました。
株式の買い方には、一括投資・タイミング投資・定期つみたて等がありますが、各々のメリット・デメリットについて以下記事もご参考にしていただければと思います。
現金(預金)に偏ったポートフォリオから、給与に依存しない生き方へ。どう転換を図るか。 40代 預金に偏ったポート...購入タイミングまとめ
- 定期つみたて
→ 初心者の方にもおすすめしやすい- 下落時に購入
→ 経験、勘所、運が必要- 最初に一括購入
→ 市場の成長性に賭ける場合、理論上の最適解になり得るが、相場状況に関わらず保有し続けられるメンタル必要。人を選ぶ手法。
② FIREをめざす際のポイント
また、FIREをめざす際のポイントを以下2つ挙げておきますね。
- FIRE後の収入源
- 何年先のFIREをめざすのか
FIRE後の収入源
FIREをめざす際のポイントとして「FIRE後の収入源」が挙げられます。それ次第で、資産運用のアプローチも以下のように大別できます。
- FIRE後の主な収入が、配当以外でまかなえる
→ キャピタルゲイン(値上がり益)に着目も一案 - FIRE後の主な収入が、配当である
→ 配当というフローがFIRE達成度の明確な指標
何年先のFIREをめざすのか
FIREをめざす際のポイントとして「何年先の達成をめざすのか」が挙げられます。それ次第で資産運用のアプローチも変わってきます。
- FIRE後のキャッシュフローを、配当以外でまかなえる/定期売却でまかなう場合
→ 値上がり益(キャピタルゲイン)の積み上げ
FIRE想定達成時期 候補となる投資対象 – VTI・VYM・VIGなど - FIRE後のキャッシュフローを、配当に求める場合
→ 配当というフローがFIRE達成度の明確な指標になる
→ 配当(インカムゲイン)の積み上げ
FIRE想定達成時期 候補となる投資対象 10年後 VYM 20年後 VYM 30年後 VTI・QQQ 上表の導出過程と前提は、以下に詳述しています。
FIREをめざすポイント【①FIRE後の収入・②何年後に達成】 資産運用とは、人生に併走するものであり、資産運用とは、人生そのものを考える...
まとめ
ご質問ありがとうございました。1,500万円を高配当株ETFで運用する場合、分配金は月に3万円ほど入ってくると思います。
いきなりFIREまでいかずとも、実際にそのキャッシュフローが生まれると、資本主義に対する見方・日々の考え方や視点などに変化が生まれると思います。それだけで、のちに振り返ると意義深い観点が備わると思います。
あせらずに、その過程をたのしみながら資産運用による副次的なメリットを見いだすぐらいの心持ちでいけるとよさそうですよね。
ご参考にしていただければ幸いです。不明点あれば遠慮なくご連絡ください。
Best wishes to everyone.
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いきなり完全FIREまでいかずとも、サイドFIREという中間地点もあります。段階を踏んで進むというのもひとつですね。
資産所得を得ると、地理的な自由も得やすくなります。それによる選択が、さらに経済的な余裕度増加を加速させることにもなり得ます。生活コストあたりの満足度が人によっては上がるからです。
VYMについては、以下に記しています。