現金(預金)に偏ったポートフォリオから、給与に依存しない生き方へ。どう転換を図るか。
40代
というご質問をいただきました。以下回答いたします。
現金に偏っていると、リスク分散されていないことにもなります。
なにか1つの対象に依存すると、その対象がなくなったときに脆弱ですね。
そうならないためには、複数の選択肢を持っておくことが方策になります。
収入でいえば、たとえば
- 給与所得
- 事業所得
- 配当所得
- 譲渡所得
を複数持っておけば、どれか1つが突然なくなっても、打たれ強い収入ポートフォリオになります。
いわば、リスク分散ということですね。つまり、
- 株式投資をするということは、リスクが増えるという考え方もできますが、むしろリスクを分散させることになる
とも考えられます。
今回は、「③ 配当所得」を得たい、という方からのご質問です。
ご質問
題名: 現金(預金)に偏ったポートフォリオの今後
メッセージ本文:
穂高様
いつもブログを楽しみに拝見しております。
穂高様のブログを拝見し、恥ずかしながらFIREの存在を知りま
元々サラリーマンだった穂高様の考え方や、投資方針を影響を受け
今回、ご相談したいのは現在のポートフォリオの変更についてです
昨今のコロナ渦や、当方は現在42歳になりますが今後の給与昇給
ポートフォリオ
現在のポートフォリオは以下のとおりです。
- 現金(預金)
2100万 - 特定口座
アパレル現物株:評価額7万(-80% 塩漬) - NISA口座
VYM、SPYD:120万 - つみたてNISA口座(休止)
86万 - iDeCo
300万(月額2.3万円)
ご相談したいのは、①、②です。
①現金
現在、かなり現金に偏っておりますが、手元に近い将来の結婚
残りはVYM,ETFを買い増そうと思っております。仮に10
おそらく毎月の定期購入となろうかと思いますが、月100万単位
②株
5年ほど前に購入したものですが、多忙の日々の中放置しておりま
投資歴自体はそこそこありますが、多額の元本での投資は初心者の
株式投資でキャッシュフローを増やす方法
40代
ということですから、まず、以下を記しておきますね。
株式投資でキャッシュフローを増やすには、以下2つの方法に大別できます。
- 株式を保有し、配当金を得る
- 株式を保有し、定期的に売却する
収入源(キャッシュフロー)を増やす際に、有用な手段の1つとなるのが、①の配当金です。
そして、その配当金を多めに得たい際、有力な選択肢となるのが、以下の米国高配当株ETFです。
- VYM
- HDV
- SPYD
理由は、「成長性が高い傾向であってきた米国株式市場のうち、配当が比較的多く得られる株式に簡便に分散投資できるから」です。
3つのETFについては、以下が詳細記事です。
回答
以上を踏まえた上で、以下2点、お答えします。
- 1,000万円をVYM・SPYDで購入する場合のタイミング・購入割合
- 塩漬け株の損失を確定し、VYMに回した方がよいか
① VYM・SPYDを購入する場合のタイミング・購入割合
40代
ということですね。
まず、購入する方法として、以下3案に大別できます。
- 定期つみたて
- 下落時に購入
- 最初期に一括購入
株式を購入する方法・タイミングによるメリット・デメリット
それぞれのメリット・デメリットは、下表の通りです。
メリット | デメリット | |
定期 つみたて |
|
|
下落時に 購入 |
|
|
最初に 一括購入 |
|
|
上表から、以下の整理が可能です。
- 定期つみたて
→ 初心者の方にもおすすめしやすい - 下落時に購入
→ 経験、勘所、運が必要 - 最初に一括購入
→ 市場の成長性に賭ける場合、理論上の最適解になり得るが、相場状況に関わらず保有し続けられるメンタル必要。人を選ぶ手法。
以上をご理解の上で、お決めになるとよいかと思いますが、いかがでしょうか。
つまり、判断材料として「リスク許容度・投資可能期間・どこまでリスクを負ってリターンを求めるか・裁量性をどこまで持たせるか」といった点に帰着します。
ご質問者さまの場合は、多額の運用は未経験で、現金1,000万円(多額)を投じるわけですから、いきなり一括購入はリスク許容度を超えやすいと想像します。
投資可能期間を長くとるのであれば、あせる必要はないので、下落時にねらうのも一案ですし、「定期つみたてをしつつ、下落局面で多く買う」といったハイブリッド戦略も一案ですね。
この形は、「ある程度の資金を市場において、リスクをとってリターンをねらいつつ、下落時にさらなる効率性をねらう」といった戦略になります。
VYM・SPYDの特徴
では次に、
40代
ということですね。
「両者の現時点における傾向は、下表の通りです。
VYM | SPYD | |
特徴 |
|
|
分配 利回り |
2.6~4.5% | 3.4~8.6% |
つまり、現時点では「安定感・着実性の優先をめざすなら、VYMを多めに。分配利回りの最大化をめざすなら、SPYDを多めに。」といった整理が可能です。
「VYMよりSPYDの方が、経験者向き」といった整理も可能です。一般的におすすめしやすいのは、SPYDよりVYMでしょうか。
② 少額の塩漬け株の損失を確定し、VYMに回した方がよいか
2つ目のご質問として、少額の塩漬け株を売ってVYMに回した方がよいか、ということですね。
私ならば、そうします。
- 少額なので、そもそもインパクトが大きくないことに加え、
- 5年間も塩漬けということは、今後長期的に成長し続ける公算は高くない
という判断に、一定の合理性が感じられるからです。こういう判断は、先行きが読めない以上は、どれだけ自分で納得性を感じられるかも大事だと思います。
まとめ
「株式の買い方・タイミング」と「VYM・SPYDの購入割合」は、上段で紹介した以下要素からお決めになりやすいかと思います。
- 定期的に分配金を得る有力な方法
- 株式を購入する方法・タイミングによるメリット・デメリット
- VYM・SPYDの特徴
よかったら、ご参考にしていただければ幸いです。
Best wishes to everyone.
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高配当株ETFの中でも、安定感・着実性が際立つのがVYMです。
分配利回りは一番高いですが、値動きは大きめです。底で仕込めればインカムの増加に寄与しやすいETFです。
「一括投資」×「定期買い付け」というケースについて、詳述しています。自動買付にして、半ば忘れるぐらいでもちょうどよいですね。