つみたて投資は、「合理性」と「精神面への配慮」のバランスを取った手法
株式投資に重要な要素として、以下2点が挙げられます。
- 合理性
- 精神面への配慮
投資には、過去の傾向から導き出した「理論上の合理的な手法」というものがありますね。
投資タイミングにおいては、その「理論上の合理的な手法」というのは「一括投資」になります。
一方で、投資には合理性とならんで「精神面への配慮」も重要です。モチベーションや心地よさがなければ、人間は継続することが難しくなるからです。定期つみたては、精神面に配慮された手法です。
ご質問
以下ご質問をいただいています。
題名: 米ドルの使い途について
メッセージ本文:
はじめまして、〇〇〇といいます。
最近テレビで貴方のことを知り、ご連絡させていただきました。
ブログの内容は一通り拝見させていただき、書籍も拝読させていただいた上での質問ですが、当方海外駐在をしており、給与は米ドルで受け取っています。
結構まとまった米ドルが手元にあり、いままでは定期預金で高い金利を享受していましたが、昨今の事情による金利低下から、米ETF投資を考えている次第です(その中で貴方のお考えは大変参考になりました、ありがとうございます)。
その際の分散投資の考え方ですが、手持ち米ドルのおよそ10%ずつ、およそ10ヶ月にわたって投資しようと考えています。
なお、円貨でも個別に株式投資は行なっており、現在の総資産における米ドル比率はおよそ20%程度ですので、手持ち米ドルは全額運用するつもりです。
分散投資の比率、期間についてご意見頂戴したいのと、その他全く違う視点で何かこんなの面白いのでは、などございましたら、ぜひご指導いただきたくお願いします。宜しくお願いします。
ありがとうございます。大変恐縮です。
回答
まず、購入タイミングによるメリット・デメリットを下表の通りおさらいしておきましょう。
メリット | デメリット | |
定期 つみたて |
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最初に 一括購入 |
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また、下図のように、市場が右肩上がりの際は一括投資が理論上の最適解になります。
以上から、以下の整理が可能です。
- 定期つみたて
→ 初心者の方にもおすすめしやすい - 最初に一括購入
→ 市場の成長性に賭ける場合、理論上の最適解になり得る。ただし、相場状況に関わらず保有し続けられるメンタルが必要など、”人を選ぶ” 手法。
合理性・精神面への配慮
では次に、冒頭で述べた通り、以下2つの要素をバランスよく続けることが重要と思います。
- 合理性
- 精神面への配慮
10か月というつみたて期間は、合理性と精神面への配慮のどちらかに極端に偏ったものではないと思います。
さらに重要な要素として、海外駐在されているということで、10か月後も定期的に給与というキャッシュフローが得られるものと思います。
であれば、10か月の定期つみたてを終えた後でも、買付余力は充填されると推察します。であれば、よいと思いますよ。
仮に定期つみたてを終えた10か月後に買付余力がゼロとなるようであれば、買付額を減らすかつみたて期間を延ばすことで買付余力を保持するといった対案が考えられます。これは、より精神面に配慮された形です。
買付余力が切れた状態で暴落・下落を迎えると精神的に好ましくないことが想像されますね。買付余力は切らさないことが、一般的にメンタルに寄与します。
ご参考になりましたら幸いです。不明点あれば遠慮なくご連絡くださいね。
Best wishes to everyone.
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購入タイミングについては、以下もご参考に供します。