50代、貯金で1億円あり。夫婦の老後に向けてリスク分散をどう図るか。

50代、貯金で1億円あり。夫婦の老後に向けてリスク分散をどう図るか。

50代 女性

投資は全くせず、貯金が1億円。人生の晩年にさしかかり、リスク分散をどう図ればよいか。

といった方からのご質問に、以下回答申し上げます。

ご質問

題名: 老後にむけてのリスク分散につきご助言お願いいたします。

メッセージ本文:

穂高様、はじめまして。

投資を全くせず、いわゆる貯金だけでやってきたアラカン夫婦です

人生の晩年にさしかかり、退職後の資金設計を考えるようになりましたが、現在の資産状況でよいのかどうか悩んでおります。リスク分散という観点から、お暇なときにでもご助言いただけますと幸いです。

若いころはカツカツの生活でしたが、現在は世帯年収が2000万円ほどあり、海外旅行以外に大きな出費をすることがほぼないため、年間400万円もあれば、かなり自由度の多い生活ができています。毎月のサラリーの残りをひたすら貯金してきた結果、貯金1億ほどになりました。

内容は、まさにほぼ「貯金」で、金利の安い国内大手銀行および少しマシなネット銀行の定期預金ばかりです。自宅は住宅ローンが夫の退職時で終了するように組んでおります。

夫が後2年で完全退職となります。私の完全退職までは後8年ほどありますが、コロナが終息した際には、早期退職して海外旅行三昧を夢見ております。

今回のコロナ生活の中で、世界的な状況の変化や日本円の信用度等、これから先の不確定要素に対し、このままの資産状況でよいのか?と考えるようになりました。

しかし年齢や残る就業期間等考えると、どのようにリスク分散することが良いのか、もしくはこのままの貯金状態でなるようになると信じ生活していくのか、さっぱり見当もつきません。

もう少し若いときに、投資に対して興味をもち、老後に備えるような戦略を考えてくればよかったのにと、今更ですが後悔しきりです

今更の状態でもできる、そしてした方が良いと思われることがありましたら、ぜひご助言ください。よろしくお願いいたします。

はじめまして、大変恐縮です。

コロナ終息の際には、早期退職してご夫婦で海外旅行三昧、とてもたのしみですね。

私なら、現下の状況で積極的にリスクは取りません

私でしたら、

  • 保守的シナリオ
    資産の20%程度を、物価連動型の【個人向け国債(変動・10年)】
  • 積極的シナリオ
    資産の20%程度を、米国株または米国債券

を購入する程度でしょうか。(数字は一例)

資産を増やす切迫性は、見いだしづらい

背景を、以下述べます。

年代、勤続年数、収入といった要素から推察するに、老後は年金も応分に手厚い額が支給されるものと思慮いたします。また、貯金も相当額です。

よって、私の観点からは、資産をさらに増やす切迫性は見いだしづらいです。ということは、リスクを積極的にとる必要性もまた、見いだしづらいですね。

インフレリスクと為替リスク

では、リスク分散の観点から気になる要素をあえて見つけ出すならば、以下2点と思います。

  1. インフレリスク
  2. 為替リスク

現在は「日本円で現金のみ」というポートフォリオ構成ですね。ですから、

  • インフレが起きると、相対的に資産は減ります。
  • 円安になれば、海外旅行に行かれる際には、相対的に資産・購買力が目減りします。

よって、私ならば以下を一案として挙げました。

  • 保守的シナリオ
    資産の20%程度を、物価連動型の【個人向け国債(変動・10年)】
  • 積極的シナリオ
    資産の20%程度を、米国株(VTI)または米国債券(AGG

  • 保守的シナリオは、主にインフレリスクに対応したものです。
  • 積極的シナリオは、インフレ・為替の両リスクに対応したものです。

個人向け国債(変動・10年)

物価連動型の個人向け国債であれば、インフレに対応しやすい設計ですね。

概要
  1. 個人の方のみが購入できる国債。10年満期で、1万円から購入可能。
  2. 利率が半年ごとに変わり、債券市場の実勢に合わせて資産を運用可能。市場金利が下がった場合でも年0.05%の最低利率が保証。
  3. 発行後1年を経過すれば、償還前に中途換金が可能。

以下、ゆうちょ銀行の商品説明を載せておきますね。

VTI・AGG

米国株(VTI)または米国債券(AGG)に一部資金を割けば、為替リスク・インフレリスクの両方を一定程度対応しやすいと予想されます。

ただし、積極的シナリオは、その名の通り、株式・債券なので価格変動リスクも増えますし、円高方向に働けば、円建て資産の目減りリスクが生じます。

出所:JPモルガン

なお、債券は株式と比べて、「リターンは劣りやすいが、変動リスクが少ない傾向」であることが特徴です。

VTI・AGGについては、後段の関連記事に詳細を載せておきますね。

まとめ

「日本円で現金のみ」というポートフォリオ構成ですと、以下リスクは潜在的にあります。

  • インフレリスク
  • 為替リスク

為替リスクは、日本でのみ生活する分には気になりにくいですね。ただし、海外でご滞在予定ということであれば、多少の影響は生じてきます。

上述リスクをもし気にされる場合は、物価連動型の個人向け国債、米国株・米国債といったものが、選択肢になってくるとは思います。逆に言えば、あまり気にならなければ、そこまで切迫性の高い方策というわけでもないことも申し添えます。

ご質問者さまの場合は、ご状況に鑑みますと、資産を積極的に増やしていくステージではないと拝察します。

であれば、私なら、ポートフォリオを変更する場合でも、資産の大半ではなくあくまで一部を割く形にとどめます。

投資をしてこなかったことを後悔されているとのことですが、金銭的数値の観点からは、十分に豊かな老後を送ることが可能な水準と想像しますが、いかがでしょうか。

現状からさらにリターン追求に賭ける場合は、株式の比率を上げてリスクをとるということになりますね。ただし、その場合でも、私でしたら今ではなく、もう少し確度を持てる相場状況(たとえば暴落時・低迷時)にリスクをとると思います。

(もちろん、米国株は過去の傾向としては成長を続けてきましたから、今後もその成長が続くというシナリオに賭ける場合は、資産を早期に一定程度投じることに合理性は見いだすことができます。一方で、10年以上の低迷リスクもあります。老後にそのリスクをとりたいほど、資産を増やしたいのか。もしそうでなければ、「必ずしも株式でリスクをとる必要はない」と、もし私が同じ年齢でしたら愚考いたします)

ご参考になりましたら幸いです。望まれる老後をお過ごしになられること、祈念しております。

Best wishes to everyone.

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公開日:2021年3月18日