大企業を飛び出す勇気なく、金銭的不安もある。どうしたらよいか。

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大企業を飛び出す勇気がないし、金銭的不安もある。どうしたらよいか。

現代日本は、

  • 基本的な生活保障があり、
  • 基盤として健康で文化的な生活が送りやすく、
  • ただちに飢え死にする心配は一般的にはみられない、

という恵まれた環境です。

だからこそ生き方や人生の選択肢について考える余裕が持てるということでもあります。

以下は、大企業を飛び出したいが勇気がなく、金銭面の不安もあるという方からのご質問です。

ご質問

題名: 大企業を飛び出したいが勇気が無く、金銭面での不安も拭えず、ご助言を賜りたい。

メッセージ本文:
三菱サラリーマン様

はじめまして。2018年末からブログ拝読しております、大企業戦士と申します。

28歳入社4年目のDINKSです。

元々私は野心家で、受験戦争を勝ち抜き、大学/大学院もトップで卒業し、超大手企業に就職し、同期入社の妻と高年収パワーカップル(笑)を目指すような性分でした。

しかし、三菱様の生き方を拝見して感銘を受け、会社組織に依存しない生き方 = FIRE を実現しようと一念発起しました。現在は支出最適化と株式投資を進め、年間支出を150万円以下、2021年の見込み配当収入30万円/副業収入100万円と、家計体質を強化している最中です。既に夫婦合算の支出は片方の労働収入で賄える状態です。

そのため、37歳まで仕事を継続して十分に資産を貯めたらセミリタイアし、バリキャリは妻に任せ、私自身は子供の教育や農業、登山に専念しようと計画しておりました。

そんな中、コロナショックによって仕事が激減し、不運なことに上司や同僚にも恵まれずにやり甲斐を失い、ここ1年は仕事に身が入らない状態です。

大企業特有の「誰の何のためか分からない仕事」のために、感染リスクを負ってまで出社しなければならない環境にも強烈な違和感を抱いています。1年間、幾つかの仕事を敢えて放置していましたが、現状誰も困っていないという皮肉な答え合わせとなりました(笑)。

元々仕事は好きでしたが、まさかこれ程までにモチベーションが低下してしまったことに自分自身驚きです。仕事時間になると気分が乗らない、ある種のうつ状態に有るのではと感じています。

いつかは辞めるつもりの組織ですので、いっそ今すぐ休職して傷病手当金を頂きつつ、大企業では実現できない「人様の役に立てる仕事」を手掛けられるよう腰を据えて勉強し、やがて退職して自分のペースで働いていく方が有意義ではないか?と思い至りました。

それでも、今の私には大企業というぬるま湯を飛び出す勇気がありません。これまでの積み重ねと安定を壊すことになりますし、何だかんだで金銭面の不安もあります。(金融資産は夫婦で1500万円と、プチ・セミリタイアには少々心許ないような…)

僭越ながら、先駆者である三菱様よりご助言を賜りたいと考え、ご連絡差し上げました。どうかお考えをお聞かせくだされば幸いです。

考えられる要素

おそらく、以下のどれかに該当するのではと推察しますが、いかがでしょうか。

  1. まだ本当にやりたいことがない、
  2. 心の底から渇望する生活スタイルが特にない
  3. 今の生活にもそこそこ満足している
  4. 今の職場や生き方にもそこそこ満足している

もしいずれかに該当するのであれば、「必ずしも環境を変えることが望ましいとは限らない」という可能性もあると思います。その可能性を判断するためには、自分を徹底的に知ることが必要になってくると私は思います。

自分が心の底から渇望しているか確信があるか

仮にもし、今の環境を変えたいほどの渇望があれば、以下の心理状態にならないかもしれません

それでも、今の私には大企業というぬるま湯を飛び出す勇気がありません。これまでの積み重ねと安定を壊すことになりますし、何だかんだで金銭面の不安もあります。
(金融資産は夫婦で1500万円と、プチ・セミリタイアには少々心許ないような…)

(ご質問文より引用)

FIREはあくまで手段

あくまでFIRE(経済的自立・セミリタイア)といった概念は、今までと異なる生き方を実現するための「手段」でしかないですね

たとえば、サラリーマンという立場に心底、やりがい・安らぎを感じ、能力を活かせ、充実感があると感じるのであれば、それはある意味で既に精神的な自由を得ているとも解釈できます。この場合、かならずしもRetire Earlyする必要はないわけですね。

FIREという手段の先に、自分が望む生き方が合致していれば、そこではじめて満足度の高い生活・人生につながるのではと思います。

とはいえ、仕事へのモチベーション低下・違和感は、大事にしたい心の声

とはいえ、ご質問者さまの場合は、

  1. 仕事へのモチベーションが湧かない
  2. 勤務体系や職場環境に違和感がある

ということですよね。

価値観を同じくしたり、共鳴する部分があると、魅力的な部分も明確に見え、目に焼き付きます。だからこそ感銘を受けたり共感・共鳴する部分があるのだと思います

であれば、共鳴・感銘したと仰る対象と大きな方向性は同じかもしれません

では、総論が同じ場合でも、各論も何気に重要と思います。細部まで可能なら詰めたいところです。つまり、自分の価値観・願望とじっくり対話することで、自分が本当に辞めたいのか、何をしたいのかを客観視するということですね。

一方で、心から渇望する生き方がないままに、あるいは本当にやりたいことが明確にないままに、とりあえず辞めてみる。それも1つではあります。それをきっかけとして、なにかが見えるかもしれないからです。

まだ明確な像を自分の中に描けていない可能性

ただし、将来における明確な像があった方が、

  • その後もより明確に描くことができ、
  • より明確に行動でき、
  • 何をすればよいかも明確です。

おそらくまだその像がはっきり自分の中で見えていないからこそ、悩む要素となり、金銭的不安も感じるのだと推察します。

心の底から強烈に湧き出てくる熱望があれば、金銭的不安や組織から出ることの不安は、吹き飛ぶはずです。なにかが、きっかけとなって。私はそうでした。

「これかな?」と思えるものを、まずは腰を据えてやってみる

  • 私自身は子供の教育や農業、登山に専念しようと計画しておりました
  • 大企業では実現できない「人様の役に立てる仕事」を手掛けられるよう腰を据えて勉強し、やがて退職して自分のペースで働いていく方が有意義ではないか?と思い至りました。

(ご質問文より引用)

と記載いただいている通り、思い至った点や計画があったことは大きな方向性のヒントになり得ると思います。まずは自分が思い至ったことに懸命に集中してやってみるのが、一案ではないでしょうか。私ならそうします。

その際、本業の仕事も手を抜かずにしっかりやり遂げた方がよいと思います。その方が必ずその先の人生に活きますし、その後に手掛ける生業にもポジティブな影響を与えると思います。もちろん、精神が許す範囲でですね。無理しすぎも禁物ですものね。

いずれにしても、夫婦片方の収入で支出をまかなえるのは大きな安心材料ではあります。以下書籍の著者である佐川氏は、うつ病で退職後の数年間は、奥様の収入で生活されていました。


その後、自分の生業となるものと出会います。出会ったというか、「つかみ取った」形です。そういう事例もあるということでご参考まで。参考になる点も多々あると思います。

Best wishes to everyone.

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公開日:2021年1月25日