「おすすめの本を紹介してほしい」というご質問があり、「私の考える、人生の参考図書」として以下いくつかご紹介させて頂きたいと思います。
【おすすめ】人生の参考図書。観点を増やし、世界観を広げる本7冊。
題名: おすすめの本を紹介してください。
メッセージ本文:
三菱サラリーマン様
はじめまして。
貴殿のブログを遅まきながら知り、ただただ自分がいかにダラダラ
私は株式投資こそ4年程前からしておりましたが、ひたすらにキャ
そして、いわゆるサンバイオショックにて、今までの利益をす
しかし、貴殿のブログを知り再度株式市場に復帰しようと思い立ち
インカムを求めた投資は考えた事が無かったので、具体的な投資先への考え方等を学ばせて頂いております。本当にありがとうございます。
さて、三菱サラリーマン様は趣味として登山をしてらっしゃるとの
登山は最初はキツイものの、登っていくと不思議な高揚感があり、
私はほかにも釣りを趣味にしております。今の時期、関西はタチウオがメインの釣り物で初期投資も安く、ラ
買えばタチウオは高いので費用対効果もバッチリですしね(笑)
魚のアタリがあるまではタブレットでの読書タイムになりますので
そこで三菱サラリーマン様が、特に読んでおいたほうが良いという
厚かましいお願いですが、投資にかかわらずこれは良かったなとい
長文失礼しました。
ご質問、ありがとうございます。大変恐縮です。
登山はまさに、そういったところも魅力ですよね。単独行は黙考する時間にもなると思います。
さて、以下7冊と番外編を、30そこそこ青二才の弊方が厚顔を承知ながら、記させていただきます。
①「孤高の人」 著者:新田次郎
作中の同氏には、以下のような特徴があります。
- ストイックに登山・単独行に打ち込む姿
- 1つの目標に向かい、周囲に左右されずに全力を傾ける姿勢
- 早朝に須磨を出て六甲全山を縦走のち宝塚に下山、その日に須磨まで大返し100kmに及ぶ山行の半端のなさ
- 当時は登山装備や登山自体に多額の資金が必要な高級スポーツであった中、安価な服装で工夫して登る異色さ、つまり「あるモノで工夫する」ともいえる哲学
- 若くして山で亡くなっている
私も学生時代から登山好きですが、これら要素が織り成す「加藤文太郎」という像には、惹かれるものがあります。何かに打ち込む1種の美学に似たもの。
「何かに打ち込む姿勢」という意味において、本書から感じるものがあると思います。
②「流転の海」 著者:宮本輝
以前紹介しましたが、同氏の小説は味わい深いものがあります。流転の海は、長編小説です。
深い人生模様を追体験できます。子供は子供ながら多感であり、大人も大人で色々ある。
以下、各所から一部引用。
人の”星回り”、人間が人間を見る際に一朝一夕にはうかがい知れない深遠な部分がある。
「自分の自尊心よりも大切なものを持って生きにゃあいけん」
「弱いものをいじめちゃあいけん」
「丁寧な言葉を正しく喋れにゃあいけん」
「なにがどうなろうと、たいしたことはあらせん」
「約束ちゅうのは守るためにある。時間に平気で遅れてきたり、しょっちゅうすっぽかす人間っちゅうのは、世の中とか自分以外の人間をなめちょるんじゃ。そういうやつが大成したためしはないけん、つきあわんことじゃ」
「風変りなっちゅうことと、常識からの奇妙な逸脱とは違うもんじゃっちゅうことを頭に入れて、自分とかかわり合う人間を見極めにゃあいけんぞ」
「どんな人間にも、それなりの天分を与えてくださっちょるような気がする。その天分を伸ばして行こうと努力することが、生きるっちゅうことじゃと思うんじゃ。
えらい学者になる天分を持ったやつもおるじゃろ。
うまい料理を作る天分を持ったやつもおるじゃろ。
気持ちのええ音楽を作る天分を持ったやつもおるじゃろ。
ぎょうさん気立てのええ子供を産む天分を持った女もおるじゃろ。
何の天分もない人間は、ただのひとりもこの世におらん。」
こういった人生訓にも聞こえる示唆に富む字句が、随所に感じられます。
勝手ながら推察するに、おそらく著者は、人や物事に対して深い洞察を寄せる多感な性分ではないかと。
ある事象Aが眼前にある時、ある人は何も感じず、ある人はBと感じ、ある人はBとCを感じ、ある人はB・C・D・E・Fを感じます。
多いからよいとも限りませんし、少ないからだめというわけでもないとは思います。ただ、よくもわるくも、感受性の強さの度合いは個人差があり、それが個性につながる1要素と思います。
③「はしゃぎながら夢をかなえる法」 著者:本田晃一
本書は、「理想の生き方をする上での心構えや、姿勢のありよう」を平易に指南したものです。
著者の本田晃一氏の師匠が、和製バフェットの異名を持つ「竹田和平」氏です。
「自由に生きる」ことを難しく考える傾向が、日本の方々にはあるかもしれません。減点主義・ないものねだりでは、可能性は狭まる一方ですね。
その種の「固定観念」を取っ払うきっかけになるマインドが、おぼろげながら示唆されている、そんな参考になる本だと思います。
④「なんで山登るねん」 著者:高田直樹
京都弁の軽快な語り口で紡ぐ、自伝的登山論が記されています。
ただし、自伝とはいえ、現代社会をそれとなく対比という切り口からあぶりだしているように、私には思えます。
一昔前と現代の対比、そして登山という自然に密接かつ人間を動物的にさせる世界観から、やや風刺がかった切り口で、現代の人間のどことなく飾った姿に対して、それとなく語られている点が非常に印象的な1冊です。
⑤「一日一言 -人類の知恵-」 桑原武夫編
桑原武夫さんをご存知でしょうか。その道においては知らぬ人はいないとも思える方です。
同氏は、はしがきで以下のように述べています。
いたらぬ私自身をかえりみても、長年の読書のうちに、深く心にせまった幾十かの言葉を、いつしか記憶のうちにたくわえている。
そして、それらの言葉が意識の深いところで私の生活を支えていることを感じざるをえない。
もし、こうした支えがなければ、私の生活は一層貧弱なものとなったに違いないのである。
浅学の私が察するに、「読書は血肉になる」ということでしょうか。
特にニュートンの部分は興味深く、以下文言は、独り勝手に共感している次第。
わたしは自分が世間の眼に、どのようにみえるかは知らない。
しかし、わたし自身の眼には、「真理」の大洋がわたしのまえに未発見のまま横たわっているとき、海岸でたわむれつつ、ときどき普通のよりもいっそうなめらかな小石、または一層きれいな貝がらを見つけて、打ち興じている少年に似ていたように思える。
⑥「魂の退社」 著者:稲垣えみ子
組織で日々はたらくことに違和感を覚えた人は、本書の観点に共感する可能性があります。
本書の紹介文が、その内容を端的に述べられているので、一部ハイライトの上、以下記します。
「まっとうに会社で働く人が日本を支えている。それは本当にそうだと思う。しかし、会社で働いていない人だって日本を支えている。
自営業の人たち、フリーランスで働く人たちは言うまでもない。
さらに、お金を稼いでいない人たち、たとえば専業主婦、仕事をやめた高齢者、何かの事情で働けない人、子どもだって、みんな日本を支えているんじゃないだろうか?
食事をつくる、掃除をする、孫と遊ぶ、何かを買う、近所の人にあいさつをする、だれかと友達になる、だれかに笑顔を見せる――世の中とは要するに「支え合い」である。
必ずしもお金が仲介しなくたって、支え合うことさえできればそこそこに生きていくことができるはずだ。
しかし会社で働いていると、そんなことは忘れてしまう。毎月給料が振り込まれることに慣れてしまうと、知らず知らずのうちに、まずお金を稼がなければ何も始められないかのように思い込み始める。
そして、高給をもらっている人間がエラいかのようにも思い始める。 だから、会社で働いていると、どうしても「もっと給料よこせ」という感覚になる。これは、どんな高給をもらっていても同じである。(中略)
しかし私は、もうその争いに意味を感じなくなってしまった」(プロローグより)
そういう著者が選択したのは、会社を辞め、電気代200円で暮らす生活だった。しかし、著者はかつてないほど希望に満ちていると書く。日々がなにより新しい。それは「お金」や「会社」から自由になったことで得たものだ。会社とは、お金とは、人生とはなにかを問う。笑って泣けて考えさせられて最後に元気が出る本!
⑦「本気でFIREをめざす人のための資産形成入門」
完全なる手前味噌にて大変恐縮ながら、末席に加えます。
FIREを論じることは、結局生き方を考えることであり、FIREに代表される「自由な生き方」の達成難度は、結局生き方次第であり、支出水準次第です。お金がたくさんないとできない、なんてことは全くないと思います。
そういった固定観念に似たものを雲散霧消させる際にも、本書が参考になれば幸いです。
番外編)「三国志」60巻 著者:横山光輝
横山光輝氏が著した漫画「三国志」です。これは漫画ながら、お子さんにプレゼントするには打ってつけと思います。私なら、間違いなくクリスマスプレゼントに贈ります。
実際に小学生1年の頃、サンタさんからのクリスマスプレゼントとしていただきました。私は昔から漢字が苦手ではありませんでしたが、その一因に、三国志60巻があると思います。
サンタさんによりますと、「1年生で漢字が読めるか疑問」に思いつつ、プレゼントとの由。本書に頻出する多くの漢字にはふりがなが振ってあり、大変勉強になったと思います。
三国志60巻は60巻もあるため分量が相当多いわけですが、面白くて10回以上読み返しました。それぐらいハマりました。
まとめ
動画・音声は簡便ながら、図書の文字から得るものは、気づかぬうちに血肉になっているものと思います。
こうしておすすめ図書を選ぶ際に、私自身が今まで読んだ本を振り返って、そんなことを感じました。
たとえば、
- 小説は、自分でない人格を追体験できます。
- 投資本は、著者ごとのスタイル・観点を知ることができます。
- 経済本は、ケインズ派・リフレ派・財政再建派など各観点を学べます。
まさに、観点を増やし、人生観を広げるに、読書は資するものですし、上に挙げた本はそれに合致したものと考えます。
ご参考になりましたら幸いです。
Best wishes to everyone!