【IYR銘柄分析】米国リートへ分散投資可能、配当2.5~4.5%の米国不動産ETF

ほんの数年前までは「米国リートに投資するなら【IYR】」と言ってもよい程に、選択肢が多くなかった「米国リートへの分散投資が可能なETF」。

ところが今では

  1. 東証上場の「iシェアーズ米国リートETF(1659)」
  2. SPYDという「米国の高配当株とリートの両方に投資できるETF」

もあるため、「米国リートへ投資する際に選択肢はIYR一本」という状況ではなくなりました。

iシェアーズ米国リートETF(1659)やSPYDの方が経費率は安く、個人的には「IYRも良いが1659やSPYDでも良い」とは思います。

それではIYRについて以下確認してみましょう。

【IYR】iシェアーズ米国不動産ETFとは

設定日 2000年6月12日
保有銘柄数 114
連動インデックス ダウ・ジョーンズ米国不動産指数
セクター 不動産
ベータ値 0.62
配当支払月 3 ・6・ 9・12月
配当金(直近4回合計) $2.42
株価 $93.28
配当利回り 2.59%

(2019年10月15日時点)

IYRとは、世界最大の資産運用会社、ブラックロックが組成する米国リート114銘柄に分散投資できるETFです。

米国という人口成長国で、資本市場が整備された魅力的な国である米国の不動産をまるっと購入できる点が魅力のETFです。

人口成長の恩恵を経済的に享受する先進国は米国と豪州ぐらいであり、先進国におけるリートの良好な投資先としては数少ない選択肢のうちの1つです。

関連記事:豪州株・豪州リートの将来・見通しは明るいか【豪州経済の展望】

配当利回りは3.5~5.0%程度であり、伝統的に高配当でしたが直近は2.59%と非常に低い値。理由は後述します。

ただ信託報酬が0.42%と米国のETFの中では高めなので、そこが唯一ネガティブポイント。ただ、現時点で日本の証券会社で米国リートは直接購入できないので、必要経費とも捉えられます。

ベータ値は0.62を示し、市場平均(S&P500)より値動きがマイルドであることを示します。

【IYR】組入れ上位10銘柄

銘柄名 保有比率(%)
AMERICAN TOWER REIT CORP 7.92
CROWN CASTLE INTERNATIONAL REIT CO 4.53
PROLOGIS REIT INC 4.32
EQUINIX REIT INC 3.83
SIMON PROPERTY GROUP REIT INC 3.65
WELLTOWER INC 2.94
PUBLIC STORAGE REIT 2.94
EQUITY RESIDENTIAL REIT 2.43
AVALONBAY COMMUNITIES REIT INC 2.43
SBA COMMUNICATIONS REIT CORP CLASS 2.18

組み入れ上位10銘柄には米国の個別リートが並んでいます。残念なことに、日本の証券会社から購入できる米国個別リートは現時点ではほぼありません。

私は以前、組入れ上位銘柄にある【WELL】ウェルタワー・リートを購入したかったのですが、日本の証券会社で取り扱いがなく、購入する術がありませんでした。

しかしこのIYRなら、ウェルタワーにも投資できます。ETFのメリットは分散だけではなく、こういった形で間接的に保有できるというメリットもある好例と思います。

【IYR】株価と配当利回り推移(設定来)

IYRの株価と配当利回り推移(設定来)2019年10月時点で、2006年の高値水準にようやく迫るほどに上昇してきました。というか2006年の高値からはリーマンショックで下落率8割弱の大暴落を示現するという凄まじいことになっています。

米国不動産ETFと言えど、暴落は免れず株価はしっかり暴落。むしろ株式ETFと同等かそれ以上に売り込まれています。そもそも震源はサブプライムローンでしたね。

直近は株価の上昇および分配金の減少(後述)から、分配利回りも低下気味となっており、直近は個人的には非常に買いにくい状況です。

【IYR】株価と配当利回り推移(過去5年)

IYRの株価と配当利回り推移(過去5年)2014年頃から続いていたボックス相場の高値をブレイクアウトし、2019年10月15日現在で株価は95ドル弱で推移するなど堅調。

ただし上図の通り配当利回りは相対的に低下し、長らく3.5%以上あった配当利回りは2.6%程度とかなり低下しています。

過去5年間での配当利回りレンジは2.5%~4.5%といったところですね。

【IYR】過去5年間パフォーマンス

過去5年間は配当再投資前提で約1.6倍。十分ですね。

2018年2月・11月の下落局面も底堅い動きを見せています。不動産ETFらしい動きと言えるのではないでしょうか。

ただ、後述の通りリーマンショックにおいてはしっかり暴落しました。

【IYR】設定来パフォーマンス

2000年6月にIYRが設定されましたが、その頃に1万ドル投資していれば、トータルリターンとしては2018年末に6万ドル近くになっています。

また、リーマンショックの時に取引値が約1/3まで売り込まれています。

米国不動産ETFと言えど、あのレベルの金融危機となると暴落は免れないということですね。むしろ株式ETFと同等かそれ以上に売り込まれています。

【IYR】累計リターン

配当再投資前提の累計リターンです。

過去3年    :23%

過去5年    :58%

過去10年   :276%

設定来(2000年):441%

5年で1.6倍、10年で3.7倍とリターンとしては十分です。長らく続いてきた上昇相場なので、これぐらいあって然るべきと言えばそうかもしれません。

【IYR】分配金推移

分配金は過去10年間で0.4ドル~1.1ドルと幅があります。ただ概して分配金利回りは3.5~5%であり、四半期でのばらつきはあるものの、高分配でしたが、直近2.6%程度と大きく落ち込んでいます。

この配当利回りの大幅な低下は、株価上昇と分配金の低下が原因です。株価上昇は冒頭で詳述した通りですが、分配金も上図・下表の通り大きく減っています。

支払予定日 分配金 直近4回分配金
2019年9月30日 0.66 2.42
2019年6月21日 0.69 2.54
2019年3月26日 0.60 2.63
2018年12月21日 0.47 2.65
2018年10月2日 0.78 3.05
2018年7月2日 0.77 2.95
2018年3月28日 0.62 2.89
2017年12月26日 0.87 3.02
2017年9月29日 0.68 3.22
2017年6月30日 0.72 3.24
2017年3月30日 0.75 3.23
2016年12月28日 1.08 3.39
2016年9月30日 0.70 3.28
2016年6月27日 0.72 3.25
2016年3月30日 0.90 3.19
2015年12月31日 0.96 2.94
2015年10月1日 0.67 2.79
2015年6月30日 0.66 2.76
2015年3月31日 0.66 2.70
2014年12月31日 0.81 2.81
2014年9月30日 0.63 2.59
2014年6月30日 0.60 2.57
2014年3月31日 0.77 2.57

(単位:米ドル)

2016年に3.392ドルあった年間分配金は、2019年10月時点での直近4回合計ですと2.424ドルと30%ほど大きく減少。

【IYR】iシェアーズ米国不動産ETFまとめ:唯一信託報酬の高さがネック。SPYDへの投資も良案。

以上見てきた通り、過去パフォーマンスは良好ながら、足もと分配金は低下傾向なのが気になるところです。

更に米国景気が10年間の拡大を続け、直近リーマンショック前高値を回復してきたというのも、なんとも複雑というかきな臭い印象を受けるというのが正直なところです。

今から買うにはちょっと抵抗がある水準です。

信託報酬が0.43%と米国ETFの中では高めであることにも留意必要です。(とはいえ、大勢には影響しない程度の差ではあります)

そこで、米国のリートに投資したい場合は、下段関連記事でご紹介するSPYDへの投資も一案です。SPYDであれば、信託報酬は0.1%以下と安く、高配当株とリートの両方に分散することが可能ですから、インカム狙いの投資家には好適です。

Best wishes to everyone!

前段でご紹介したSPYDについての詳細は以下記事をご参考に供します。

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公開日:2018年12月21日