生命保険に入る必要があるか、その考え方【ビジネスモデルを理解する】

生命保険に入る必要があるか、その考え方

基本的に、保険を必要と感じるかは、その方の価値観・今までの経験など多様な要素によって変わってくると思います。

個人的には加入する必要性は見いだせませんが、それはあくまで個人的な判断であるため、個別の事情があれば別の話になります。

以下ご質問をいただいています。一般論として生命保険に入る必要があるかについて、考えてみたいと思います。

ご質問

毎回楽しく記事を読ませて頂いております。少し株式と関係ないかもしれませんが、お答えいただければ幸いです。

生命保険などの保険は入ってらっしゃるのでしょうか。

給料8割を投資に回すと書かれていた記事でも記載がありませんでしたので入っていないと思ってはいますが、保険に対する三菱サラリーマンさんの考え方を教えて頂ければ幸いです。

お手数をおかけ致しますがよろしくお願い致します。

私は火災保険等を除き、生命保険や医療保険には入っていません。

現行制度では生命保険料控除という形で節税メリット自体は見いだせます。

ただ、私は社会人1年目のときに検討し、後述するような保険会社のビジネスモデル・保険料収入内訳や、かぎりある金銭的な資源をそこに投入する必要があるかなどを考慮して、個人的には選択肢から外しました(また、日本は国民皆保険であり、基本的な保障がカバーされている設計も非常に大きいです)

ビジネスモデルを知る

まずは、保険のビジネスモデルを見てみましょう。

一般的に生命保険会社の収入は「①保険料収入」と「②資産運用による収益」から成り立っています。

① 保険料収入

生命保険契約により、様々な保障を提供する代わりに、保険会社は契約者から保険料を受け取りますよね。

② 資産運用による収益

受け取った保険料収入を遊ばせておくのは機会損失になりますから、資産運用をして収益を得ることで、保険料支払いや配当の原資として積み増すわけです。

ちなみに、保険会社の資産運用による利息・配当金収入の内訳は以下の通り、公社債や、外債などの外国証券からの利息配当金で8割を占めています。

出所:一般社団法人 生命保険協会

公社債が主力ということでリスクを比較的抑えた運用をしていることがうかがえます。

繰り返しですが一旦まとめますと、生命保険会社のビジネスモデルは主に「①保険料収入、②資産運用による収益」によって成り立ってきました。

保険加入者が支払う保険料

では次に、生保のビジネスモデルの1番大きな柱である保険料収入を、さらに詳しく見てみましょう。

保険料収入の内訳

保険料収入の内訳は、以下の通りとなっています。

保険料収入の内訳

保険料収入=純保険料+付加保険料

純保険料とは、純粋に保険料の支払いに必要なお金です。ここに保険会社の生保レディさん等の人件費・オフィスビル等の店費・そして会社に残る利益は含まれません。

生保会社も純利益を生んでサービスを継続する必要がありますから、「付加保険料」という形で純保険料に上乗せしたものを、保険加入者は保険料として実際に支払うことになります。

「純保険料」や「付加保険料」の比率はおよそ7:3と言われています。

つまり、生命保険加入者は支払い保険料のうち約3割は、保険会社で働く人々・固定費・利益に充てられているということですね。

ちなみに

誤解なきよう申し添えますと、私は生保レディ(特におばさま)と会社のロビーでよく談笑というか立ち話というかもはや話し込み?をしていました。とても素敵な方たちばかりで、個人的には大好きですw 

さらに、生命保険会社は保険料を決める際に、「予定利率」をあらかじめ想定して算出します。「予定利率」とは、将来見込める資産運用の利回りのことです。

予定利率が高ければ、見込める資産運用収益が高いことになるので、加入者が支払う生命保険料は安くなりますし、利率が低ければ加入者の負担する保険料は高くなります。

保険会社は会社として利益が残るように予定利率を決めないと、長期にわたって会社として存続できません。

例えば、資産運用環境が厳しい時は、予定利率はその分低くなるので保険料という形で加入者側がその分を負担することになります。

こういった側面をどうとらえるか、ということもひとつ要素ですね。

まとめ

生命保険は、確かに節税効果はありますが、控除額は最大で4万円(最新の状況は逐次ご確認ください)。また保障は健康保険や高額療養費制度でカバーできる部分も多いため、「保険料を支払うのであれば、自分で資産運用をしたい」というのもひとつの考えでしょう。

保険は「お金を増やすこと」を目的として加入するのではなく、あくまで「何かあった際の保障を得るため」というまさに原義に立ち返ることが必要だと思います。

「金銭をどこまで負担して保障という安心を得るのか」とも言い換えられます。シングルマザーの方であれば、「自分が亡くなった際に子供に追加的に手厚い保障を確保させてやりたい」という事情があれば、それは保険に加入する十分すぎるほどの理由になるのではないでしょうか。個別の事情によって保険加入の妥当性は変わってきますね。

ちなみにですが、たとえば「満期時に受取率103%(10年)」という広告があると、もしかすると一見魅力的に思えるかもしれません。

しかし10年間で元本を1.03倍にするには、複利で年率0.33%でまわせば達成される数字です。

日本の10年債利回りは0.24%(2022年2月時点。ちなみに本記事を最初に記した2018年12月は0.086%でした)。利回りの観点からは国債を買うのと大差なしという程度です。

一方、「この保険は、いつ解約しても返戻率100パーセント保証という商品であり、月々5千円(年間6万円)の保険料を支払うことで生命保険料控除により1万円超の税金が返ってくることを考えれば、ノーリスクでリターンを得られる」という考えもあると思います。それも一案です(ただし、節税制度が継続されているという前提ありきです)

その「手間や労力や興味を注ぐのか」という観点からは人によって判断が分かれるでしょう。

いずれにしても、なにか商品を買う時は、商品を売る側の立場や売る側のビジネスモデルを理解するという観点はひとつ持っておきたいところですね。

Best wishes to everyone.

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公開日:2018年12月4日

コメント

  1. 名古屋サラリーマン より:

    いつもブログがアップされるのをキングダムをヤングジャンプで読むのと同じぐらい楽しみにしております。失礼でしたらすいません。

    最近話題のソフトバンクのIPOについて質問させてください。
    公募価格の配当利回りが5%はそれなりに魅力的にみえますが、三菱サラリーマンさんはどのように考えていらっしゃるのでしょうか。
    関連して、一般的には当選確率が非常に低いですが、IPOのブックビルディングについてどのように考えているかも知りたいです。
    ご回答頂けたら嬉しいです。