従業員持株会を考える
読者の方から以下ご質問を頂きました。
いつも楽しく拝見させて頂いています。
三菱サラリーマンさんは、従業員持株会についてはどのようなお考えをもっていますでしょうか?
現在従業員持株会で購入するか悩み中で、是非ご意見をお聞きし、参考にさせていただきたいです。よろしくお願いします。
ご質問ありがとうございます。
従業員持株会のメリット:奨励金
まず従業員持株会の最たるメリットは、以下と思います。
企業にもよりますが、奨励金の一般的なレンジは、拠出額の5~10%でしょうか。
私も入社1年目から、奨励金のメリットに着目し、積立最高額まで設定しました。
「え!?積立すぎじゃない…?」という声が多数ありました。とはいえ、その頃から自分の道を進むのみですね。
その後、ちょうど運良く利益確定と相成りました。
やはり奨励金というのは、地味ながらも積立額が増えれば、相応のメリットが生まれます。
従業員持株会のデメリット:一蓮托生
ではデメリットとなるものは、なにか。
- 斜陽産業であれば、利益が期待しにくい
- 会社との”一蓮托生”感が強まる
一蓮托生とは、「結果の良し悪しに関わらず、行動・運命を共にすること」と中立的です。
先ほど積み立て額が増えると、奨励金のスケールメリットが生まれる旨、記載しました。これは逆も然りですね。
多額の金額を従業員持株会として積み立てると、成長業界であれば株価も上昇し、配当再投資分も適宜アクセルとなり、良いパフォーマンスの源泉になり得ます。
しかし、斜陽産業であれば、逆も然りです。
さらに、結果的に利益確定できたから良かったものの、積立総額が増大した時に感じたことは、「会社と”一蓮托生”感が強まる」ということです。
なぜなら会社の業績が良ければ会社の株価は上昇基調になりますし、逆であれば下落基調になります。
そして、賞与も業績連動であれば、「賞与」と「持株会」、どちらも同じ方向を向きがちです。
業績が良ければ賞与もよく、持株会の運用も好調。逆に業績が悪ければ賞与は下がり、自社の株価も低調になるのが、通例です。
私としては、「できるだけ単一のもの(この場合、会社)に依存したくない」というのが入社当日からの考えでした。
ゆえに、株式ポートフォリオのうち多額部分を会社の株価に連動してしまうのは好ましいとは言えないと感じ、利益確定に踏み切りました。
「単一のものに依存しない」ことは、ポートフォリオの分散を徹底する主義にも繋がっています。
まとめ
ということで、メリット・デメリットはそれぞれありますが、一番のポイントとしては
- 奨励金というメリット>会社との一蓮托生、斜陽産業リスク
- 奨励金というメリット<会社との一蓮托生、斜陽産業リスク
このどちらになるのか、つまりメリットが上回るのか上回らないのか、このあたりが判断材料になってくるのではないでしょうか。
私の例で言えば、当初は奨励金というメリットに非常に魅力を感じて始めました。
しかし一方で、会社とのリスク共有が徐々に頭をもたげはじめたのも、事実です。
持株会は、多分に自社の株価推移、更にいつ入社し、いつ、いくら積み立て始めたのかによって、結果は大きく変わります。
ですので、
- ご自身が勤めている企業の前途は明るいのか
- 会社との一蓮托生感が気にならないか
- 奨励金が何%なのか
このあたりを総合的に勘案してご決断なさると、納得感のある意思決定の一助になるのではないでしょうか。
ご参考になりましたら幸いです。
Best wishes to everyone!
確定拠出年金についても考察しています。こちらもメリットとデメリットを勘案の上、決定していくというのが納得感が出てくるでしょう。
同じ積立でも、今では社員持ち株会でなくとも、自動積立サービスがありますから、大変に良い時代になりましたね。
コメント
こんにちは。
ブログ参考にしております。
持株会は魅力的ですよね。
私が勤めてる会社も7%の奨励金ありです。
業績は会社全体は横這い、我が事業部は右肩下がり…
個人的にはこれ以上は会社に依存したくはないので持株会は入ってません。
給料や福利厚生同様に麻薬ですよねえ。
お金を稼ぎだすというよりはもらうことに慣れ過ぎるというか…